とある物理のレールガン
とある物理のレールガン
前日の話合いの結果、フレイアさんの杖を先に作成する事になり、私がイメージとして絵を描き、素材の検討を講義前に行っている。
「此が大体のイメージです!
素材の案として、杖本体を精霊樹又は世界樹の枝、宝石をロンズデーライト、巻き付く蛇はラミアの脱皮を使用します。」
ミスティルティンがいて、アロンがいるならアスクレピオスがいても良いじゃない!
「「・・・・・」」
「二人ともどうしたの?」
シルフィーが先に口を開く
「あの、精霊樹の枝も世界樹の枝も難易度が高過ぎます!
精霊樹は精霊王の許可が要りますし、世界樹にはヴィゾフニルが守護しています、絶対に無理です」
え、ヴィゾフニルがいるの、ワクワクする。
ファンタジーーーー!
「わたくし、ロンズデーライトという宝石を知らないのですが、どの様な特徴の石ですか?」
「詳しく説明すると、混乱すると思うので端的に、金剛石の硬いやつです。」
「「???」」
「とにかく、そちらは任せて下さい!
挑戦してみたかったのですよ、ロンズデーライト」
「「はぁ」」
「やっぱり、一番の問題はラミアの脱皮の加工よね?」
「ビオレータさん、この中で一番問題がないのがラミアの脱皮でしてよ!」
「そ、そうなんだ・・・・、
では、採集地を決定しましょう!」
「精霊樹と世界樹は、私の実家の近くにあります」
「レイネの森ですわね、話合いで解決出来れば宜しいのですが・・・」
「ロンズデーライトは、私に任せて下さい!」
「ラミアの脱皮は、わたくしの実家にある洞窟にラミア族が住んでいますから、確認してみます」
「もうお話は終わりましたか?」
教壇の方を振り向くと、カタリーヌ先生が少し怒った感じで立っていた。
「お早う御座います皆さん、今から講義を始めますよ!」
「「「はい、お早う御座います!」」」
本日は、魔法実習で的に向かい火魔法をクラスの皆で投擲していた。
「回収回収、よし!」
撃ち疲れて休憩をする為に下がってきたシルフィーは、私が何をしているのか気になったのか近付いて声をかけてきた。
「ビオレータさん、殆ど投擲せずに別の事をされていますが、何をなさっているんですか?」
「杖の素材の実験用素材集めです!
ミスティルティンお願い」
「あいよ!」
クラスの皆が撃ちまくる火魔法から発生した原料を、効率よく固体にしてミスティルティンに精霊界に保管して貰っていた。
「え、今、金剛石を精製してました? しかも手から消えましたよね?」
「はい、その認識で間違っていません!
ロンズデーライトは、金剛石を圧縮して構造変化をさせた物です。
実験を含めて大量に金剛石が必要ですが、そんな物を表には出せませんから、ミスティルティンに精霊界に保管して貰っているのです」
「ですが、なぜ今なのです?」
「以前は炭から精製していたのですが、汚れるし分離が面倒です。
せっかくクラスの皆さんが大量に生産してくれているのに、頂かないと失礼です」
いきなり後方から頭をガッと掴まれる。
「失礼なのは貴女です、ビオレータさん!」
「カタリーヌ先生!」
「イタタタタ、痛いです」
「ナーシサスから、ビオレータさんは攻撃魔法が発動しないと伺っています!」
「カタリーヌ先生は、ナー姉さんと知り合いなのですか?」
「ナーシサスは、私のとても大事な親友です!
ところで、攻撃魔法は発動する様になったのですか?」
「はい、一応は・・・」
「では、あの的に、何でもいいので攻撃魔法を放って下さい!」
軽く頷いて、地面から金属物質を集束してコインの形に成形、右半身の体制でみ○とたんの様にコインを弾くと・・・
「シュッ、ボーーーー、ドカーーーン!」
現象より音が後にくるという、とある物理のレールガンである。