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グリモア・ライブラリ  作者: カツヤマ403
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エプタ子爵嫡男の恋

エプタ子爵嫡男の恋



第2王子がやらかした。

どうして王妃腹の王子はバカなのか?

頭が軽いのは王妃の遺伝なのか?


隣国から学園に送り込まれたスパイ令嬢に騙され、機密情報駄々洩れで進軍してきた。

あからさまなハニートラップに掛かるとか・・・マジ無能。


「ランガー様、何かお話があるとか?」


「サーシャ様、フランク帝国がピレネー辺境伯領に侵攻致しました。

数は五万、騎馬隊二万と歩兵隊三万です。」


「それは確かな情報ですか?」


「隣領のソーマ伯爵からの情報で、辺境伯夫人と次期領主様を保護したと連絡を受けています。」


「ランガー様、ありがとうございます。

申し訳ないですが、此より早急に領地へ帰らなければなりませんーーー」


「暫しお待ちを、我が姉ナーシサスがソーマ伯爵領までご同行させて頂きたいと申して折ります。

また、ソーマ伯爵領では一万五千、その他にサターン元侯爵が一万、フリーデン伯爵が五千の兵を緊急招集して向かっております。」


「・・・ランガー様、ありがとうございます。」


「いえ、私は現在の情報を提供しただけです!」


「それでも・・・です・・・」


これで一先ずだな、あとはセチア姉さんとナーシサス姉さんに任せるとして、俺は領都に帰るか!





「ランガー、挨拶はしないのか?」


「ナーシサス姉さん、私は次期領主です。

領主が病の中、代理のナーシサス姉さんが不在で領地防衛を疎かには出来ません!」


「そんな建前が通じるか!

もしもの時は、仮病のぐうたら親父に押し付ければよいではないか!」


「それでもです・・・」


「損な性格だな!」


「煩いです、では、あとは任せました、私は領地に帰ります。」




このあと、ピレネー辺境伯防衛戦は、辺境伯軍の五千をエプタ子爵軍(後のエプタ空軍)が支援して抵抗、フランク帝国軍の損耗率が四割を超えた頃にサターン侯爵軍・ソーマ伯爵軍・フリーデン伯爵軍の連合軍が参戦して反撃、フランク帝国軍は戦死者・行方不明者を四万五千人も出す大被害を被る。


フィングランド王国では、王妃・第一王子の主導で行ったディーン公爵領での開拓事業で、ピレネー辺境伯領から一万五千の兵を強制的に派遣させていたために起こった混乱と、第二王子が隣国のスパイ令嬢に国境防衛の手薄さを漏洩していた責任を追求されたが、ディーン公爵に責任を押し付け(爵位を息子に譲り隠居)権力で揉み消した。

事件の真相に激怒したピレネー辺境伯は第二王子と娘のサーシャ令嬢との婚約を解消し、王子を御せなかった娘を蟄居謹慎処分とし幽閉する。 表向きは・・・




学園卒業式の一週間後、ケープシティーの港にサーシャは立っていた。


「ピオニーさん、これは凄いですね!

サウスアイランドでも驚きましたが、ここは更に・・・」


「ここケープシティーは軍港も兼ねています。

よって“世界で一番安全な港"を謳っていて、運搬日数も半分かつ人件費も半分以下のピオニー商会は、海運でボロ儲けです。

どうですか? エプタ子爵家は国内では貧乏貴族ですが国外では大金持ちで魅力的でしょ!」


「・・・実際に目にしても信じられません。

お父様の話では、防衛戦ですらフランク帝国の兵五万を空から圧倒していたとか?

更に海まで支配したならば王国は不要では?」


「王国と言う後ろ楯は必要です! 経済とは安心・安全を担保としています、例えば戦争で一時的な大量消費による需要が生まれても、戦争が終われば需要は無くなります。

戦争後の需要は、戦勝国ですら戦争前の需要を下回り、ましてや敗戦国は元に戻るまでに何十年も費やすでしょう!」


「・・・・・」


「よって、王国は必要ですが、安全・安心を担保出来ない今の王族は経済にとって不要です。」


「辛辣ですね・・・」


「兄貴と違って偏りがあるのは認識しています。

しかし経済を促進することは領民を守ことに繋がると信じています。」


「権力を嵩にきている王族は不要ですか?」


「義務を果たさない貴族も不要です。」


「サーシャ様!」


「ランガー様、お久し振りです。

今回は大変お世話になりました、お陰様で領地も家族も無事でした。

お礼を申し上げます、有り難う御座いました!」


「いえ、大したことはしておりません!

・・・しかし、本当に良かったのですか?

・・・ナーシサス姉さんが辺境伯様に恩を着せたとか・・・」


「そんなことは有りません!

大変有難い申し出でした、第二王子と破談になって行き場の無い私には勿体無いくらいです。

それよりもランガー様の方こそ宜しかったのですか?」


「私は・・・、第二王子と破談になったので申し上げますと・・・、学園に入学した当初から憧れていました!」


「まぁ、全然気付きませんでした・・・、優しくして下さる方だとは感じていましたが・・・、其ほど前から・・・」


「兄貴、あとは宜しくね!

義姉さんも遠慮なんかしないで思いっきり甘えてね!」


二人は顔を真っ赤にしながら腕を組んで歩いていく。



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