近代農業の視察
近代農業の視察
翌日、試作の農機具を確認、点検、改良点をチェックして回り、ロキ領でも使えそうな農機具の検討をしながら農場の視察を行った。
因みに、ナー姉さんはその間、お祖父様の畑で鍬を振っていた。
午前中に畑を回り、昼食、午後からは牧場を回る予定だ!
「あんな農機具が有るなんて
・・・、収穫機とか・・・どんな構造になっているのですか?」
「あ~、あれはまだ試作品、改良点がいっぱい有るんです。
縛るのも自動でとか?」
「あれ以上に楽になるのですの?
他には草刈り機です、冬場の家畜に餌や寝床の干し草は必須です。
あんなに簡単に刈れるのですもの、必要ですわ!」
「では必要数を検討して、ピオニー姉さん発注して下さい」
「はい、お父様に連絡を入れて置きます!」
「あと、金がかかるのが、風車、加工工場、農業試験場ですかね?」
「風車はわかるのですが? 加工工場と農業試験場は何をする所で何を準備すれば良いのか?」
「加工工場は、ロキ領はバターやチーズと植物油ですから、雰囲気だけ体験して下さい。
農業試験場は、同じ物をロキ領にも作って欲しいので参考にして下さいね!」
「午後からは牧場見学です!」
「牛舎とはこのようになっているんですね!」
「ロキ公爵領は寒いですから、もう少し密閉した建物になると思います」
「それらは、北部に住む遊牧民の力を借りて試行錯誤して行きたいと思いますわ!」
次に加工工場を回り、最後に農業試験場へと移動する。
「これが、農業試験場ですの?」
「はい、普通に農作業をしている様に見えますが、未来の農業を支えています」
「普通の農作業と何がちがいますの?」
「例えばそこの麦畑ですが、小さく区画が区切られています。
それは、区画ごとにどんな種を植えたか分かる様にです。
生産性、耐久性、品質等を精査選別してより良い物を農家に提供する、また各農場を回り試験場よりも良いものを見つけたら頂いて研究し、他の農場にも広める。
中々成果が現れない根気のいる作業です、それがここの役割です」
「ただ漫然と農業を続けているだけでは行けないのですね?」
「はい、何もしなければ農業も衰退していくだけです。
商売と同じで、新しい物を取り入れていかなければいけないのです、時には領地外から持ち込んででも!」
「分かる気がします。
わたくしの領地にしてみれば、サターン領との提携はかなりの利益が見込めます。
しかし、サターン領にも違う環境で育ち生まれた品種を取り込めるチャンスでも有るのですね?」
「そうです、だからお祖父様は二つ返事で引き受けたのです!
領地としてのメリットは少なく見えても、農業全体として見たら大きい、農業の未来はサターン領の未来です」
その時、ふと思い出しシルフィーさんに声をかける。
「そう言えばシルフィーさん、エルフは養蜂を行っていると聞きましたが?」
「はい、里には養蜂を行っている一族がいます」
「フレイアさんの開拓地で、アブラナを植えて種を採り油を搾るのですが、その前に花が咲きます」
「あ、アブラナの蜂蜜ですか?」
「一応は、カラシナも植えますが、区分けをすれば特定の花の蜂蜜が採れるはずです」
「ロキ公爵領で、養蜂を指導して頂ける方がいないか里長に尋ねてみます」
「宜しくお願い致します」
「あ、あとフレイアさん、油の搾りカスは発酵させるとかなり品質の良い肥料になりますからね!」
「農業とは、本来こんなに遣らなければならない事が多いのですわね・・・」
フレイアさんは、ロキ公爵領から文官を派遣して学ばせたいと言っていた。




