フレイア、癒しの女神と契約
フレイア、癒しの女神と契約
翌朝目を冷ますと、砂浜にはホバークラフトが到着していた。
「「な、なんですか?これ!」」
「エプタ領の誇る最新鋭旅客船で最高時速45ノットの高速艇です」
「45ノット・・・」
「あわわわわ」
「いざ、乗船!」
子供達はおおはしゃぎで船に乗り込んで行く、エイルはフレイアさんの左腕に巻き付き肩に乗っていた。
同じ癒しの担い手として気が合うようだ!
最後に全員の乗船を確認してナー姉さんと私が乗り込み出港する。
「では、ポートタウンに向けて、しゆっぱ~つ!」
「ビオレータさん、船が陸の上を進んでいますが?」
「船、山に登るって言うじゃないですか!」
「それは違う意味では・・・?」
「シルフィーさん、深く考えない、気楽に行きましょう」
「進んでいると言うよりは、空を飛んでますよね?」
「「え?」」
「エイルさん、流石ですね、気付かれました?」
「ど、どういう事です?」
「原理として、水面に風をぶつけて船を浮かして進んでいるので、感覚が敏感な人は飛んでいると感じます」
エイルは進行方向を向いて眺めている様な気がする。
目は見えないので、感じているだけかも知れないが、彼女に色々見て貰いたい気持ちになった。
「フレイアさん、エイルと獣魔契約をする気は無いですか?」
「ビオレータさん、何を言っているのですか?
エイルさんはお友達です、従える気はありません!」
「だからこそです、フレイアさんはエイルさんと獣魔契約をしても従えませんから安心です」
「ならどうして?」
「エイルさんに色々な物を見て貰いたいのです」
「あ、なるほど、眼球ですか? でも可能なのですか?」
「ヒュギエイアとイアソには確認済みです。
大丈夫だそうです。
ヒュギエイアとイアソがエイルさんと精霊契約をして、エイルさんがフレイアさんと獣魔契約をする形を取れば杖も完成します」
「エイルさんはそれで宜しいのですか?」
「私は、フレイアさんさえ宜しければ契約をしたいと思います」
この後、フレイアさんがヒュギエイアとイアソの仮契約を解除して、改めてエイルさんと契約を結びフレイアと獣魔契約を結んだ!
「これが目に見える景色なのですね!
海が綺麗です・・・」
「これからは、わたくしと沢山の世界を見て貰います。
宜しいですか?」
「宜しくお願いします!」
「「ははは」」
二人は仲良く海を眺めたり、魚の群れを目で追いかけたりしながら語らっていた。
丁度、お昼の時間にポートタウンに到着、倉庫の一角に子供達の仮住居スペースも、既に設置されていた。
流石、ピオニー姉さんの部下達です、迅速かつ丁寧、時は金なり・・・でしょうか?
「ナーシサス様、ピオニー様より伝言で、『子供達の10歳以上でピオニー商会ポートタウン支部で、見習として働きたいと希望する者はいないか?』と、今なら交易量も少ないので教育期間としては最適だろうとの事です」
「と、言うことだそうだ!
おチビ、宜しく」
「私は、開拓地で必要な農薬や肥料、種と施設や設備の提案書と見積書の作成で手が離せないのですが?」
「わたくしがやりましょう、子供達はわたくしの領地の民なのですから、その将来に関して責任が有ります」
「お願いできますか? フレイアさん」
「それで、仕事の内容は?」
「商人見習いですから、読み書き算盤、言わば勉強でしょうか? 基礎学力がつけば、それぞれの専門分野の習得ですね!
勿論、勉強も業務の一貫ですから給与の対象です」
「凄い大盤振る舞いですね?
大丈夫ですか?」
「エプタ子爵は貧乏子爵ですが、ピオニー商会はたぶん王国一の豪商ですから!」
「へ?」
「だって、ピオニー商会は王国内こそ取引は少ないですが、サウスアイランド王国を初め南大陸の全てと交易を行っていて、海運業では右に出る商会は有りません!」
「・・・王国は、とんでもない方々を敵に廻した様ですね・・・」
「別に、あの方々の幸せはこじんまりとしたこの王国のみに有るのです。
私達とは住む世界が違うのです、ねぇフレイアさん」
「私達とは、わたくしも含まれているのですね・・・」




