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グリモア・ライブラリ  作者: カツヤマ403
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エプタ子爵は王家を見限る

エプタ子爵は王家を見限る



ホバークラフトの到着は明日、本日は時間があいたため炭酸水素カリウムをばら蒔いたブドウ園の確認にフレイアさんと私は飛び立つ!

あれから7日、効果があらわれ始めていれば、大飢饉の時に使用しなかった大量の農薬が役立つ時がくる。


「確か、この辺だったかな?」


「あそこではないでしょうか?」


そこには真っ白に染まっていたブドウが、逆に他よりも青みを帯びている場所が有った。


「効果が有ったのかな?」


「その様ですわね!」


「では、この前の農薬を手配しましょう!」


「有り難う御座います。

でも、この様な農薬をエプタ子爵領ではすでに開発されていたのですね」


「5年前に、大飢饉の予兆が有りました。

その時に急遽大量に生産して置いたのですが、大飢饉はエプタ領には影響がありませんでした」


「・・・え、予兆?、大飢饉はエプタ子爵領には無かった?」


「はい、大飢饉の2年前から、ウェストウッドやマッケイから大量の逃亡農民が領地に越境して来ました。

なんでも、作物が枯れ疫病が広がりつつあると・・・」


「それで早めの対策をなさったのですね!

でも、エプタ子爵領には大飢饉が無かったとは?」


「エプタ領は通商破壊のため、物流が停止していましたから、起こりませんでした」


「あの大飢饉の原因まで突き止めておられるのですか?」


「原因の一つ目は連作障害です、連作障害は基本的に立ち枯れやうどん粉病等のカビを発生させます。

二つ目に大量の逃亡農民です、カビが繁殖した作物は焼却処分しなければ拡散します。

農民が逃亡した土地は放置状態でした。

三つ目に、冷夏です。」


「驚きました、・・・これも図書館の知識ですか?」


「いいえ、これは別からの知識です」


「ここで疑問に思ったのですが、大飢饉の際にはこの農薬は完成していたのですよね?」


「はい、領地分は確保していました、しかし物流が止まっていたためにそれが精一杯でした。

エプタ領以外に手配したのはソーマ伯爵領の分までです」


「それで、ソーマ伯爵領とその周辺の領地は大飢饉からの立ち直りが早かったのですね?」


「ソーマ伯爵にはセチア姉さんが嫁いでいますから、詳細な情報を伝えました」


「そんな裏の事情が有ったのですね・・・、ひょっとして星降りもそれが原因ですか?」


「そうです、王妃は大飢饉の後、エプタ領に対して大量に拠出しろと要求してきました、通行税も支払えと・・・、通行税が支払えないと拠出を断ると陸からはウェストウッド・マッケイ・ランカスターの連合軍が、海からはドルト辺境伯・王国連合水軍が攻めて来ました」


「なんと非道な・・・」


「返り討ちにするのは簡単でしたが、あからさまに撃退しては謀叛を疑われ次は全ての領地を相手にしなければならなくなるので天災・災害・口封じをしました」


「わたくし、マッティ王子と婚約者で良いのか疑問を感じてきました・・・」


「お父様は、7年前の騒動で陛下と王妃、それから王妃腹の王子を見限って側妃腹の王子に期待をしましたが、側妃が王妃に近づいたために現王族を諦めています。

当初、前王弟のヘンリー公爵にと考えていましたが、ナー姉さんの強い希望で王妹の娘であるカタリーナ先生を押しています。

勿論、カタリーナ先生を切り捨てたディーン公爵家には口出しさせません」


「カタリーナ先生に打診は? それはカタリーナ先生も御存じの話なのですか?」


「カタリーナ先生は御存じありません、時期が来たらナー姉さんから伝える事になっています。

また、ソーマ伯爵は第3王子を諦めていませんし、無理強いしてまでカタリーナ先生とは考えていないので、ヘンリー公爵もまだ候補の一人です」


「この様な事をここで話しても宜しかったのですか?」


「ナー姉さんやピオニー姉さんには了承を取っています。

本人の知らない所で物事が進むのは、何か有った時に困るだろうと・・・、カタリーナ先生は学園内でしか生活をしていないので問題は起こりませんからね!」


「この様な事はお父様にこそ話すべきでは?」


「私達姉妹は、フレイアさんがマッティ王子との婚姻が決まれば手を引くつもりです。

ま、あのバカ王子がやらかすと分かっているからこうして話をしているのですから」


それから暫く飛行して、7日前に麦畑の上空に来た。


「1度此方で休みましょう、昼食もとりたいですし」


「分かりました」


草原に着陸すると、準備してきた弁当を食べる。

見渡すと麦畑は成長不良で背丈も低い


「この辺の収穫量は開拓当初は悪く無かったのですよね?」


「そうです、年々生産量が落ちて、現在では最盛期の半分くらいです」


食事を済ませると土を掴み鑑定する。

窒素分が極端に低い土、麦もよく見ると低くて小さい株だが青々としている麦もちらほら見える。

品種がバラバラなのか?


「少し試して良いですか?」


「今度は何をするのでしょう?」


フレイアは目をキラキラさせて興味深く見守っている。

空気中の水分に窒素を混ぜて降らせる。

土を見ながら鑑定する、まだ窒素分が低いが何とかなるレベル、あとは要観察!


「これで1ヶ月程様子を見て下さい」


「・・・・・」


フレイアさんはポカ~ンと空を見ていた。




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