ラミアの洞窟
ラミアの洞窟
ここがラミアの洞窟かな?
全くイヤな雰囲気はしないし、念のため精霊達に探らせよう!
「ミスティルティン、パナケイア達も、洞窟内を探ってきて貰って良いかな?」
「は~~い、行って来るね~」
「「「フレイア、行って来る!」」」
「お願いね!」
本当に、ダニー男爵の無能ぶりには驚かされた、開拓村が2つ全滅していて、残る村も全滅寸前だった。
ロキ公爵の拠出した支援物資は配給されず、逆に徴税を行っていたと言う。
呆れてものも言えない!
「ビオレータ、早く、早く来て~」
ミスティルティンが慌てた様子で戻って来た。
パナケイア達はいない、何があったのだろうか?
「どうしたの? 何があったの?」
「いいから、みんな早く来て~」
私の回りを一回りすると、洞窟の中にも戻って行く、急いでミスティルティンの後を追う、五分程走ると洞窟の奥に辿り着く、その光景は驚くべきものであった。
「な、何なんですかこれは?
パナケイア、癒しは?」
「清浄は終わりました」
「治療は終わってます」
「フレイア、癒しも終わったのですが・・・、空腹は癒せない」
その話を聞き、急いでミスティルティンに指示をだす。
保管していたインスタントラーメンを大量に鍋に詰め、水をいれて沸かす。
炊き出しだ!
どういう理由か知らないが、小さな子供が五・六十人横になっている。
全員が栄養失調であり、7年前のエプタ子爵領を思い起こさせる。
「出来上がったら直ぐに食べさせて、でもゆっくり、少しずつ!」
みんなパタパタと動き回る、丼を持って一人一人少し食べさせては次の人と、何周回もして食事をさせた。
食事をさせてから暫くすると、何人か喋れる様になった。
話を聞いてみると、ラミアが全滅した開拓村から救いだした子供達らしい。
しかしこの人数だ、ラミアが探してくる食糧では限界に来ていたので、もう少し遅ければ餓死者が出ていたかもしれないそうだ!
「御免なさい、わたくし達領主一族がもっとしっかりしていれば、王妃の愚策に乗ることもなかったはずなのに・・・」
「仕方ないさ、7年前は誰も王妃には逆らえなかった。
エプタ領もカタリーナと私の件がなければ、領地を荒らされていただろう!」
「ほんと、4年前のランカスター・ウェストウッド・マッケイ連合軍を星降りで消滅させたとき、王妃の実家も流星爆弾で消し飛ばして置けばよかった!」
「え? 星降り? あれは天災では? レイネ
の森からも沢山の流れ星が見えましたよ?」
「ロキ公爵領からも確認しておりますわ!」
「あ、え、そう、あれは天災、天罰です!」
「誤魔化そうとしても遅いです、いったい何をなさったんですか?」
「ちょっと、静かに・・・」
「シュルシュル~」
「何か来る・・・」
「スミマセン、どなたかいらっしゃるのですか?」
「「「「ラミア?」」」」
「はい、ラミアのエイルと申します。
私、目が見えないもので、申し訳ありません。
ところで・・・、貴女方は神の使いですか?」
「どうしてそう思われる?」
「あなた様は剣神様ですね?
こちらは、ハイエルフでは?
そちらは神殺し・・・え?」
「そうだ、私は剣神の加護を持つ、名はナーシサス・エプタと言う。
エイルさん、鑑定をお持ちか?」
「いえ、ナー姉さん、彼女は半神でラミアと神ゼウスの娘です!
初めましてエイルさん、私はビオレータ・エプタと申します。
神殺しの称号は契約精霊であるミスティルティンのもので、私の称号ではありません、安心して下さい!」
「私はレイネの森のエルフでシルフィーと申します。
ハイエルフでは無いんですが・・・」
「シルフィーさんは、精霊魔法と精霊召喚が加護にありますから、ハイエルフに成りますよ、精霊眼が完全覚醒したならばですが!」
「あなたは・・・、私と同じ感じがします、癒しの強い力をお持ちですか?」
「わたくしは、フレイア・ロキと申します。
わたくしも、癒しの力は契約精霊の影響かと存じます!
パナケイア、ヒュギエイア、イアソ、こちらに!」
「なるほど、癒し・衛生・治癒の精霊ですね!
でも、そんな方々がこの様な場所へ何をしにいらしたのですか?」
「こちらに来たのは、わたくしの杖の素材集めです。
そのついでに開拓村を回って食糧を配給していました」
「食糧? あ、有り難う御座います、みんな体力が回復しています。
なにぶん、目が見えないため食糧の確保が難しく全く足りていなかったのです。
また派手に動くと、ダニー男爵に見つかる危険が御座いますから・・・」
「でもよかった!
開拓地の南部の村々は其ほど疲弊していませんでしたが、ダニー男爵の邸周辺の村はほぼ全滅に近い状態でしたから・・・」
「そうですか・・・、私が何とか手を差しのべられたのは洞窟に近い村までで・・・、他にも沢山有ったのですね・・・。
私は生まれつき眼球が無く目が見えないため、洞窟の奥で生活をしていました。
ダニー男爵がこの地にいらっしゃった時に、ラミア族の討伐があり、今では私一人になりました。
なんでも、ラミア討伐は王妃の御命令だとか・・・、かなり執拗に命を狙われました」
「安心して下さい!
わたくしの親友がダニー男爵を邸ごと消滅させてしまわれましたから、今後しつこく追い回される事は御座いませんよ!
でも問題はこれからです、この子達をどう致しましょうか?」
「移動するにも、体力的に直ぐには無理ですね、また此方の一存だけでは動けません!
フレイアさん、ヘンリー公爵に相談して頂いても宜しいでしょうか?」
「分かりました、本日の定時連絡の時に相談してみます」
相談の結果、子供達は領都の孤児院で面倒を見ることになった。
子供達の輸送は、明後日海岸に迎えのホバークラフトが来る、ポートタウンまで約7時間の船旅で、そこからは馬車での移動となる。
予定ではポートタウンではピオニーが借り受けた創庫にまだ大きくスペースが有るので、馬車が準備出来る2・3日を過ごして貰う!
「エイルさんは、一人になってしまいますが、今後どうされますか?」
「悩んでいます。
生まれつき目が見えないため、洞窟の奥で一人で過ごして来ましたが、子供達を保護し始めてからは苦しいながらも賑やかな生活をして来ました。
寂しくなりますね・・・」
エイルは能力的にも高く、何よりも半神だ!
ラグナロクの事もある、私達に同行して貰うべきではないか?
フレイアさんを見ると、頷く
「此れからの選択肢として、私達と同行すると言うのも加えて貰えませんか?」
「フレイアさん、どういうことでしょうか?」
フレイアさんがラグナロクと杖の素材の話をする。
「私なんかでは足手まといになりませんか?」
「そんな事はありません!
わたくしは、鑑定のスキルを所持しています。
称号に慈愛の女神を所持しているエイルさんはラグナロクを回避するために必要な人です」
「では、・・・同行させて貰っても・・・宜しいでしょうか?」
「「「勿論です!」」」




