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グリモア・ライブラリ  作者: カツヤマ403
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授業初日

授業初日


翌日、早速魔法学の授業が始まり、付いてきたミスティルティンは始めは私の机に座っていたものの、シルフィーやフレイアさんの所に行ったり落ち着かない様子、二人はミスティルティンが来ると声は出さないが、ミスティルティンにニコニコ微笑みかけていた。

周りを見た感じ、ミスティルティンには誰も気付いていない様だ。


「はい、本日の講義はここまでです。

各々予習復習をする様に、明日は簡単な実習を行います。


・・・それと、フレイアさん、ビオレータさん、シルフィーさんは残って下さい」


クラスの皆が片付けて寮へと戻っていくなか、カタリーヌ先生に呼ばれ教壇に向かう。

私達以外の生徒が講義室から出ていくと、一つ息を吐くと話始めた。


「はぁ~、この子は誰の契約精霊です?」


カタリーヌ先生は、自身の頭の上に乗っかって悪戯をしているミスティルティンを指差す。


私は小さく右手を挙げて答える。


「はい、私の剣精霊です」


「ビオレータさん、講義に連れて来るのは宜しいですが、講義中はおとなしくさせて下さい」


「はい、以後気を付けます・・・」


「だって暇なんだもん!」


カタリーヌ先生の髪を弄りながら愚痴るミスティルティン。


カタリーヌ先生は、それを聞いて講義室の壁に立て掛けられた杖に向かって声をかけた。


「アロン、この頭の上にいる無知な子を教育して!」


杖は一瞬光り、ミスティルティンより一回り小さく4枚の羽根を持つ男の娘の精霊に変化、カタリーヌ先生の側に飛んでくる。


「「「かわいぃ~~」」」


「かわいい言うな!」


アロンは激おこである。


「まぁまぁ、あたいミスティルティン! 仲良くしましょう」


「俺はアロン、宜しくな!

まず今日は、他の仲間を紹介してやるからついてきて!」


二人は扉の隙間をすり抜け、仲良く飛び去っていった。


二人を見送った後、フレイアさんがカタリーヌ先生に訪ねる。


「先生も、精霊契約していたのですね?」


「魔導学科の生徒は、卒業前に数人は何かしらの使い魔を持つ、精霊・魔獣・妖魔・妖精。

そして最終目標は魔導書です!」


「ということは・・・、私は第一段階突破ですか?」


「いえ、ビオレータさんは・・・、精霊契約で魔法学・召喚学・精霊学、それから・・・剣精霊ということは、剣の作成を錬金術で行っていた場合は錬金学もクリアーですから、第四段階を修了しています。


ちなみに、第四段階を修了していれば、中途退学しても卒業資格が与えられ、準男爵となれます。

そもそも、第三段階で卒業する生徒が大半なのです。


はぁ~、入学式翌日に卒業資格取得とか・・・規格外!」


「・・・申し訳ありません・・・」


「いえいえ、この規格外さで錬金学科に行かれていたらと思うと、学園の大失態になるところだったとつくづく思うのです」


三人が私を見て、少々あきれ顔になる。

ふっと、何かを思い出したのかフレイアさんが先生に質問する。


「先生、わたくし達も卒業までに何かしらの者と契約を目指さなければ為らないということですか?」


「必ず、というわけでは有りませんが、卒業への近道としてはそうです。

そもそも最終目標が魔導書との契約ですから、契約魔術を学んだ、という証明としてはそれが一番です。


それを、一番難しいと言われている精霊としているのですから・・・はぁ」


カタリーヌ先生は、また私を見てため息を吐く


「それほど精霊契約は難しいのでしょうか?」


「精霊と契約をするには二通りの方法が有ります。

聖による魔法と、私とアロンの様な媒介による契約です。

聖による魔法での契約は、光属性の最上級魔法が使える時点で賢者か聖女・聖人です。

媒介による契約は、まず媒介になる物は契約者本人が作成者でなければなりません、更に精霊にその媒介を気に入って貰わなければ・・・・」


カタリーヌ先生は、小声で「杖の作成にどれだけ苦労したと思っているのか」と愚痴っていた。

そこで疑問が沸いてくる、私は錬金術で全てを作成したが、先生の杖は木製で素材自体は錬金したとは思えない、最初の話では錬金は必須ではない内容であった。


「先生、媒介の作成には錬金は必須ではないんですよね?」


先生は首を傾けて考えてから口を開く


「媒介の条件は精霊によってまちまちですが、一番の条件に媒介が精霊に気に入られる、次に先祖伝来の物いわば家宝か本人が作成した物、最後に媒介との相性です。

因みに私の杖は、学生時代に親友のエルフから頂いた精霊樹の枝と別の親友から安くで買い取った金剛石を魔術具作成したものです、錬金はしていませんね」


「では、素材の精製は誰でもいいのですね?」


先生はまた首を傾ける。


「ビオレータさんはどの様にして媒介を造ったのですか?」


「私の場合は、鉱石商から購入した鉄鉱石から錬金で鉄だけを分離して有るものを、あ、これは企業秘密です、高温で混ぜて形成したものです。」


カタリーヌ先生は、ぽかーんとしながらポツリと呟いた。


「ほぼ完全な錬金作成ですか・・・」


「あと、契約魔術とはどういうものですか?」


「へ?、ビオレータさんは先程の上位精霊と契約をしたのですよね?、どうやって?」


「ミスティルティンに声をかけられて、契約をするからと名前をきかれて、ミスティルティンが短剣を取り込んで・・・・」

「はい、もう解りました!

精霊による上位契約ですよね・・・」


「普段は違うのですか?」


カタリーヌ先生は頭を抱えて天を仰ぐ、代わりにシルフィーが答えてくれた。


「精霊は、よっぽど媒介を気に入らない限り自身から契約は申し込みません!

一般的には、媒介を気に入った精霊に対して此方から申し込むのです。」


「それに何か違いが有るのですか?」


「はい、決定的な違いが二点あります。

一つ目は、契約は行使した側からは破棄が出来ないので、ミスティルティンからの契約破棄は有りません。

二つ目は、ミスティルティンの持つスキルや魔法が無条件で使用可能です。」


困惑した私に、復活したカタリーヌ先生が話のつづきを口にする。


「例えば、精霊は体内魔力ではなく自然界の魔素を魔力に変えるスキルを使用して魔法を行使します。

理論的に、今の貴女は無限に魔法が使えます!」


シルフィーが無言で頷いている。

処理落ちしていたフレイアさんが復活して質問する。


「それは、種族固有のスキルや魔法でもってことでしょうか?」


「その通りです、フレイアさん!」


なんだそりゃ~~、それってチートでしょチート!

なんでみんな生暖かい目で見てるの?

いやぁ~~

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