フレイアの帰郷
フレイアの帰郷
翌日、ナー姉さんと連絡をとり、ピオニー姉さんが貿易を締結してくれた。
あとは、停泊する港の確認と交易品の確認、それと開拓に関する技術協力の為の現地視察を採集のついでにすることになった。
その為、付き添いにナー姉さんが付いてくる。
出発当日、
「これが長距離移動用の馬車でしょうか?」
「はい、エプタ子爵領の誇る最新鋭旅客馬車、スプリング式サスペンションにエアシート、冷風機に夜でも移動可能なサーチライト、簡単な調理が出来るクッキングヒーター付き!」
「もう、動く家ですわね・・・」
「安心で快適な旅行ライフを提供します。
屋根の20ミリ狙撃銃なら、ワイバーンごとき一撃で屠ります!」
バーン
ドーン
「キャー?」
「なんですか、今のは?」
屋根からナー姉さんが声をかける。
「すまんすまん、進行方向上空にワイバーンがいたから打ち落とした!」
「ナー姉さん、雑魚ですか?
出来れば黒竜でも出てくれれば、この馬車の安全性を確認して貰えたのに!」
「「ワイバーンでも十分です!」」
馬車は骸になったワイバーンの横を、悠々と通過していく、ナー姉さんのヘッドショットが炸裂していた。
「ビオレータさん、わたくしの家でも一台購入したいです」
「はい、毎度あり!」
馬車の旅は、本来、ロキ公爵領まで七日間の予定が四日で着いてしまった。
勿論、襲ってきた魔獣を無双しながら・・・
「ただいま戻りました、お父様、お母様!」
「お帰り、フレイア」
「お帰りなさない、フレイア」
「紹介しますね、この二人が学園でお友達になったビオレータさんとシルフィーさんです」
「お初にお目にかかります。
エプタ子爵家七女のビオレータと申します、以後お見知りおきを」
「初めまして、レイネの森のエルフでシルフィーです、宜しくお願いします」
「此方こそ、フレイアの父でヘンリー・ロキ、隣から妻のサーシャ、嫡男フリード、次女ヒルデです。
長旅で疲れたでしょう、中で休まれて下さい」
部屋に入ると、フレイアさんとシルフィーさんはフリードとヒルデに学園での話を、私はロキ公爵夫妻と港湾施設予定地と開拓予定地の視察について打ち合わせをする。
「ヘンリー様、明後日に港湾施設予定地を、翌日に開拓予定地を視察したいと思います」
「ビオレータ子爵令嬢、貴方は明日からアイリス湖に出かけるのでは?」
「出かけると言っても日帰りですので問題は有りません」
「日帰り? ここからアイリス湖までは2日はかかります。
最低でも四日はかかるかと・・・」
「2日とは道程であって、直線距離は50キロメートルほどです」
「分かりました、その様に手配します」
ヘンリー公爵との話が丁度終わると、執事がヘンリー公爵に耳打ちする。
「ビオレータ子爵令嬢、いま剣聖殿が戻られた様です。
挨拶をさせては貰えないだろうか?」
「宜しいですよ、では呼んで参ります」
「いえ、私がお声をかけて参ります。
私、ロキ公爵家筆頭執事のロイドと申します、では失礼します」
ロイドが出て行って暫くすると、ナー姉さんが入口から入ってきた。
「おチビ、明日の準備は整ったぞ、二人乗りを2機準備してある」
「有り難う御座います。
ナー姉さん、こちらロキ公爵夫妻、ヘンリー公爵とサーシャ公爵夫人です」
「お初にお目にかかります、エプタ子爵家三女、ナーシサス・エプタと申します。」
「剣聖殿には一度お目にかかりたかったのです。
なかなか機会がなく、漸く願いが叶いました!」
「お言葉は嬉しいのですが、実は最近、剣聖では無くなりまして・・・」
「「え? 」」
「ナーシサス殿、加護が打ち消されるとは聞いた事は御座いませんが?」
「同期のカタリーヌが言うには、進化だか昇格だか・・・、剣聖が無くなり剣神になりました!」
「まぁ、素敵!
また更に女性のファンが増えそうですわね!」
ナー姉さんにサーシャ公爵夫人が熱を上げ、私とヘンリー公爵の入る隙なく茶会は終了した。




