ナーシサス・エプタ
ナーシサス・エプタ
カタリーヌ先生からラグナロク回避の協力依頼を受けてから一月がたち、何事もなく時間が過ぎていた。
今日も講義の前に、フレイアの杖の素材収集地であるラミアの洞窟への旅程を話し合っていた。
「ロキ公爵領までの道程を、これで決定致しますね!
ロキ公爵領では、わたくしの実家にて滞在して頂きます。」
「そこからまずは、アイリス湖に行くんですよね?」
「はいシルフィーさん、噂が本当ならある素材を回収して置きたいです」
「そんなに貴重な素材なのですか?」
「私の実家、子爵領でも採集出来なくはないのですが、目的地と反対側ですし採集効率も悪いのです。
また、実家で取れない鉱石が無いかも気になりますから」
「例えば、どの様な鉱石を求めていますの?」
「そうですね、いま一番に欲しいのがクロムですかね?」
「「クロム?」」
「発熱体ですかね?、説明が難しいので機会が有ればお見せします。
アイリス湖から戻ったら次にラミア洞窟です」
「わたくしの実家の言い伝えでは、其処にはラミア族の真祖が住んでいるそうです」
「真祖・・・不死にして不滅、一切の血族同胞を持たず、支配を望まず、ただ災厄の化身・・・
あ、これは吸血鬼の話だった」
「図書館にその様な物語りが在るのですか?」
「面白そう!」
「はい、そこまでです!」
「「「お早う御座います」」」
「はい、お早う御座います。
では講義を始めますよ!
あと、講義が終わったら三人とも実験室に来て下さい、紹介したい方がいます」
「「「はい、分かりました!」」」
「「「失礼しま~す!」」」
「どうぞ」
講義が終わり、実験室へと顔を出す。
紹介したい方とは、ラグナロク回避の協力者関係だろうと予測する。
「もう少し待ってね、いま外にお使いに行って貰っているから、あ、戻って来たみたいね?」
コンコン
「はいるぞ~」
「ナー姉さん!」
「おうチビ、元気にしてたか?」
「はい、なんとか」
「学園でもやらかしているんだってな?」
「大したことはしてませんよ!
それより、今日はどうしたんですか?」
「お前に頼まれていたのを持ってきた!」
「ボーキサイト?」
「いや、あれではかさ張るからアルミの方を持ってきた。
王都邸にも幾らか保管して置いたから、不足したら使うと良い」
「有難う御座います。
それで開発の方はどうなっています?」
「街道の外灯整備がもうすぐ終わる、これで昼夜関係無く商品の移動が可能だと商業ギルドが喜んでいた」
「ビオレータさんの領地では、夜でも街道を移動出来るのですか? どうやって?」
「街道に20メートル間隔で、灯りを設置しましたからね!」
「どうやって・・・?」
「ハイハイ、領地開発の話は後にして下さい!
こちらはナーシサス、ビオレータさんのお姉さんでラグナロク回避の仲間です」
「わたくしはロキ公爵の長女でフレイアと申します、以後お見知りおきを」
「私は、レイネの森のエルフでシルフィーです」
「ナーシサス、シルフィーはヤオの姪だそうです!」
「ヤオの? では剣術も出来るの?」
「はい、どちらかと言うと剣術しか才能がない様で・・・、ですがヤオ姉さんの様なクレイモアは重くて・・・」
「ヤオに憧れてるんだ?
いいな、うちのチビは才能は有るようだがやる気が無くてね、全然稽古に付き合ってくれないんだ!」
「ナー姉さん、私は最低限の稽古はこなしてます!
それに、誰が好き好んで剣聖の相手をしたいもんですか、代わりに剣を造ってあげてるでしょ」
「あぁ~、この剣は良い、素早さと切る事を重視した私のスタイルにはもってこいだ!」
ナー姉さんが剣を抜き、剣身を眺めているとまたもや小さな光が現れた。
・・・これで三度目だよ・・・




