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実は俺もVtuber~駆け出しVtuberを支える俺、実は登録者数100万人の人気Vtuberな件~  作者: こりんさん@クラきょどコミック5巻12/9発売!
第二章

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第73話 三人目

「おいネクロ。コメント欄見てみろ、みんな喜んでるぞ」

「そうね、みんな元気してたー?」


 相変わらず今日もマイペースなネクロの問いかけに、コメント欄は大盛り上がりとなる。

 中には涙を流すスタンプで大喜びしている人までおり、リスナーの中には久々のネクロに感激している人も少なくなかった。


「ちなみにネクロ、みんなの前に現れるのはいつぶりなんだ?」

「んー、そうね……この間のオフコラボぶり?」

「おい、マジかよ……。お前、あれから一度も配信してなかったのか……?」

「ふふん、よくあることよ」

「何故ここで威張る……。とりあえずネクロさん? もうちょっと、配信頑張りましょうね」


 俺の言葉に、コメント欄も『ネクロ様配信して!』と最早お決まりのコメントが流れていく。


「ふん、前から言っている。アーサーがコラボしてくれないのが悪い」

「いや、俺のせい!?」

「他に何がある。アーサーがコラボすれば全て解決」


 訳の分からないことを、自信満々に断言するネクロ。

 そんなネクロに呆れた俺は、とりあえず質問コーナーに移ることにした。


「あーはいはい。じゃあネクロにも質問するぞ?」

「分かった」

「えーっと、じゃあまずは一番の――今一番行きたいところは?」


 まずは、答えやすそうな質問から。

 ネクロはメンバーながら誰も予測は不可能だから、とりあえずこういう答えやすそうな質問から選んでみた。


「アーサーの家」

「おいやめろ、燃える」

「燃えない」

「いや燃えるだろ!」


 慌てて俺が咎めるも、時既に遅し……。

 コメント欄には、炎の絵文字の間に『アーサー』と書かれたコメントが大量に流れていく。

 もちろんそれは、Vtuber文化の中で生まれたお決まりの流れみたいなもので、本当に燃えているわけではない……はずだ。


 しかし、いくら俺がメンバーだからと言っても、ネクロも他の二人同様に男性人気が凄いのだ。

 だから、あまり燃えるような発言は勘弁していただきたい……。


「アーサーの家に行けば、わたしはそのままオフコラボで配信できる。みんなもハッピー」


 ネクロのその補足に、『じゃあオッケーだな』と急に手のひらを返すコメント欄……。

 それに対し俺が「リスナーもやめろ」とツッコミを入れると、コメント欄に笑いが溢れ出す。


 こういうリアルタイムの配信は、演者だけでなくコメント欄も含めて一緒に配信を作り上げていくのだ。

 こうしてリスナーも一緒になれることが、生配信の一つの醍醐味と言えるだろう。


 まぁそんなわけで、ハヤトとアユムに続き、やっぱりネクロも俺を絡めた回答をしてくるのであった。


「オンラインコラボならしてやるから、とりあえずそれで我慢してくれ」

「うーむ……まぁよかろう。ここは甘んじて受け入れよう」

「だから何で上から目線なんだよ……もういい、次の質問な」


 相変わらず、マイペースというか何と言うか、自由過ぎるネクロ……。

 そんなネクロに俺は呆れながらも、次の質問に移ることにした。


「じゃあ、九番の――他のVtuberに一言!」

「アーサー、コラボして!」


 食い気味の即答だった。

 そんな流れるようなネクロの即答に、コメント欄は爆笑に包まれていく。


「あーもう分かったって! するからっ!」

「言ったね? 絶対だからね!」


 明らかにわざとだが、必死な様子で言質を取ってくるネクロ。

 こんな風にふざけて笑いを取ることができるネクロは、やっぱり配信のセンスがあると思うんだけどなぁ……。

 でもまぁ、正直この意地でも配信しないことが、逆にネクロの一つの個性でありコンテンツでもあるので、これはこれで面白いのであった。


「はい、じゃあネクロに最後の質問」

「えー、もうおしまい?」

「お前が言うと、違和感凄いな……。まぁいいや、最後の質問! 十三番の――好きな異性のタイプは?」


 配信しないくせに、今は配信を続けたがるネクロに思わず笑ってしまいつつ、俺はネクロにも同じ質問をした。


「好きなタイプ……」


 珍しく考え込むネクロ。

 うーんうーんと唸りながら、どうやらちゃんと考えているようだ。


「――そうね、わたしとコラボしてくれる人かな」

「なんだそれ」

「もう……、みなまで言わせるなって、バカ……」

「おいやめろ、燃える」

「燃えない」

「いーや! 燃えるね! ってか、もう燃えてるよねっ!?」


 悩んだ結果、結局ふざけるネクロにツッコミを入れる俺。

 そしてコメント欄では、また俺はリスナーによって大炎上させられているのであった。


「満足した。それじゃ、わたしはもう行く」

「はいよ、じゃあ今度コラボしような」

「らじゃー」


 こうして、最後の最後までマイペースだったネクロは通話から抜けていった。

 そんなネクロに対して、コメント欄もやっぱり面白いなと盛り上がりを見せていた。


 ピコン――。


 そしてまた、次の凸者がやってくる。


「あー、あー、聞こえる?」

「聞こえてるぞ」

「良かった。――いやぁ、ごめんね。きっとみんな、次はカノンちゃんを期待してたと思うんだけど、カノンちゃん今配信中だから来れないかなと思ってきちゃった」


 そう言って次にやってきたのは、前にもコラボをした、アイドルVtuberグループ『らぶりー☆えんじぇるず』の月影つきかげミミだった。


「いや、気にしないでくれ。来てくれてありがとな」

「なに、アーサー? 何だか、前の人達よりも喜んでない? そんなに嬉しかったぁ?」

「まぁ、そうだな。ミミが初の箱外の凸者だから、ちょっと嬉しいのは本当だ」


 いじってくるミミに、俺はマジレスを返す。

 メンバーが来てくれたのは当然嬉しいのだが、箱外の人もこうして凸しに来てくれるというのは、やっぱり嬉しいのだ。

 それは俺だけでなく、コメント欄も『ミミちゃんきた!』『箱外きちゃー!』と盛り上がりを見せていた。


「そ、そう? なら来てよかったわ」

「なんだ? ミミこそ照れてるのか?」

「別に照れてないしっ!」


 いや、その反応がもう照れてるんだけどな……。

 こうして次は、箱外のミミをゲストに質問コーナーへと移るのであった。



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