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実は俺もVtuber~駆け出しVtuberを支える俺、実は登録者数100万人の人気Vtuberな件~  作者: こりんさん@クラきょどコミック5巻12/9発売!
第二章

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第52話 散歩とペット

「ねぇ桐生くん、もう帰っちゃう感じ? ちょっと寄り道していかない?」


 しばらく話し込んだあと、喫茶店を出た俺達。

 とりあえず駅へ向かって歩き出すと、藍沢さんが思い付いたように寄り道を提案してくる。


「寄り道? どこか行きたいところとかあるの?」

「んー、そういうわけじゃないんだけどね。なんか、このまま帰るのもちょっともったいないなって思っちゃって」


 もうすっかりいつもどおりの感じで、ニッと微笑む藍沢さん。

 だから俺も、そんな藍沢さんに微笑み返す。


「うん、それもそうだね」

「でしょ? じゃあとりあえず、もう一つ先の駅まで歩いてみない?」

「なるほど、いいね」


 こうして俺達は、もう一つ先の駅まで二人で散歩してみることにした。

 もうこの駅周辺のことは大体分かっているつもりだが、それ以外は俺も何があるかは知らないからちょっと興味があった。

 それに何より、藍沢さんとこうしてもうしばらく一緒にいられることが嬉しかった。


「あ、ねぇ見て桐生くん! あそこにペットショップあるよ!」

「ああ、本当だ。結構近くにこんなお店もあったんだね」

「え? 桐生くん、この辺よく来るの?」

「ああ! いや! き、喫茶店巡りが趣味なんだよ!」


 しまった! つい口が――!

 咄嗟に俺は、この瞬間から喫茶店巡りを自分の趣味にする。


「なるほど、だからさっきのお店にいたんだ。――実はうちの事務所ってさ、さっきの喫茶店の向かいのビルの中にあるんだよ?」


 ビックリしたでしょと、悪戯な笑みを浮かべる藍沢さん。

 しかし、そのことはもちろん知っている俺は、少し驚いたフリをしておいた。


「それじゃ、入ってみよっ! 桐生くんっ!!」


 そして楽しそうに、ペットショップへと駆け出す藍沢さん。


 ――もし俺に彼女ができたら、こんな感じなのかなぁ。


 その後ろ姿に俺は、ついそんなことを考えてしまう――。


 でも、相手はあの藍沢さん。

 こうして親しい関係にはなれているけれど、それでもやっぱり俺にとっては高嶺の花。


 だから今は、こうして友達として近くにいられるだけで嬉しい。

 そんな納得をしながら、俺は藍沢さんに続いてペットショップへと入店するのであった。



 ◇



「わっ! 見て見て桐生くん! この猫ちゃん、すっごく可愛いよ!」

「あー、本当だ」


 白色の子猫が、ゲージの向こうからよちよちとこちらに近付いてくる。

 その愛くるしすぎる姿に、俺も藍沢さんも完全に見惚れてしまう。


「可愛いなぁー、ヤバイ……」

「そうだねぇ」


 もうあと一時間は余裕で眺めていられそうだ……。

 隣を向けば、その大きな瞳をキラキラと輝かせながら微笑んでいる藍沢さんの姿があった。


 そんな藍沢さんを動物に例えるとするならば、やっぱり猫だろうか――?

 でも、ちょっと犬っぽいところもある気がするし、どっちだろう――。


 そんなことを考えつつ、子猫と藍沢さんのセットはもう、絵画に収めたいぐらい相性バッチリなのであった。


「いらっしゃいませ、お二人で飼われるペットをお探しですか?」


 すると店員の女性が、俺達に声をかけてくる。

 ここはペットショップなのだ、店員さんは普通に仕事しているだけなことは分かっている。


 しかし、そのうえで問題があった。

 それは、完全に店員さんが、俺達の関係を恋人以上だと思っていることだ――。


「あー、ち、違うんですぅ~! か、可愛かったからちょっと入ってみただけっていうかぁ~!」


 慌てた様子で、咄嗟に違うと説明する藍沢さん。

 でもその反応は明らかに挙動不審で、俺と同じく藍沢さんも意識してしまっているのが分かった……。


 しかし、その説明では自分達がただの冷やかしだと明かしているようなものだった。

 それはいくらなんでも正直すぎるだろうと思った俺は、慌ててフォローする。


「あ、で、でも! ()()ペットに興味があります! 可愛いですよね、あはは」


 あくまで俺個人はお客様ですよと、咄嗟にアピールする。

 すると店員さんも、伝わったのか両手を合わせながらパァっと微笑む。


「あ、そうですか! 彼氏さんは、ペット飼いたいんですね!」


 ダ、ダメだぁあああ! 全く誤解が解けてないっ!

 むしろ、どんどんドツボにはまっていっている気がする――!


 チラッと藍沢さんの方に目を向けると、そこには顔を真っ赤に染める藍沢さんの姿があった。

 そしてきっと、俺の顔も赤く染まってしまっていることだろう――。


「ではですね、こっちのマンチカンも可愛いですし、あっ! あとこのノルウェージャンフォレストキャットも一押しなんですよー!」


 店員さんは、そう言って嬉しそうに他の猫もどんどん勧めてくれる。

 どうやら店員さん的には、純粋に自慢の猫達を俺達に勧めたいだけのようだ――。


 こうして俺達は、店員さんに流されるまま色んな猫を紹介して貰い、その結果ちょっぴり猫について詳しくなったのであった。

いつもお読みいただきまして、本当にありがとうございます!

ありがたいことに、日間ランキングトップ10入りできております!!

しかし最高6位と、トップ5(所謂表紙入り)までギリギリ届いていない現状です(同点6位ばかりで……w)

なのでもし良ければ、本作おれブイを評価にて応援いただけますととても励みになります!!

よろしくお願いいたします!!


以下、並行連載中作品です!

良ければこちらもよろしくお願いします!!


自由過ぎるよ天塚さん~天使みたいなクラスの美少女は、どうやら本当に天使だった模様。ただし本性はヤバイ~

https://ncode.syosetu.com/n7288ia/


【3巻春発売】クラスメイトの元アイドルが、とにかく挙動不審なんです。【コミカライズ決定】

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