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実は俺もVtuber~駆け出しVtuberを支える俺、実は登録者数100万人の人気Vtuberな件~  作者: こりんさん@クラきょどコミック5巻12/9発売!
第二章

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第47話 帰宅と驚愕

「ふぅー、ただいまぁー」


 大学から帰宅した俺は、帰りに立ち寄ったスーパーの買い物袋を置いて一息つく。

 それからとりあえず冷蔵庫に食材をしまうと、疲れた俺はベッドの上で大の字に寝転がる。


 横になりながら思い返されるのは、今日の大学での出来事。

 今日は昼休みも含め、ずっと藍沢さんと一緒にいたのだ。


 周囲の注目を集めてしまっていたわけだけれど、正直それも当然だった。

 何故なら俺自身も、そんな藍沢さんのことを特別視しているからだ。


 遠目に見てもすぐに分かる、一人だけ異質とも言える特別な存在感。

 そんな、まるでラブコメ作品のヒロインで出てきてもおかしくない藍沢さんとともに一日過ごしていた俺は、さながらラブコメ主人公といったところだろうか?


 ――なんて、現実はそんなにチョロくないわけだけど。


 俺のどこが主人公なんだかと思いながら、とりあえずパソコンの電源を入れる。

 理由は、今日の配信の前にまずはチャットをチェックするためだ。


 別にスマホでもチャットツールはダウンロードできるのだが、それは敢えてしないようにしている。

 理由は、オンとオフのメリハリをちゃんと付けるため。


 大学にいる時間は、大学生として学業を全うする。

 そして、Vtuberとして活動する間はVtuberを全うすることが、俺がこの活動をするうえで自分に課した前提ルールの一つなのだ。

 これは、どっちも疎かにしたくないからこそのルールであり、そんな俺の考えはマネージャー含めメンバーや親しい関係の人も理解してくれている。

 まぁとは言いつつも、大学の隙間時間でパソコンで作業をしているし、本当に緊急の場合は、直接個人スマホにメッセージが送られてくるわけだが……。


 そんなわけで、とりあえずパソコンからチャットを確認すると、今日も数件のチャットが届いていた。

 ざっと見るとコラボの誘い、メンバーとの雑談、そしてマネージャーの早瀬さんからのチャットといったところ。


 とりあえず俺は、一番重要度の高そうな早瀬さんからのチャットから確認する。


『業務連絡です。次回FIVE ELEMENTSのライブが決定しました。……と言っても、今回はメインではなくゲスト出演です。所謂サプライズゲストってやつね』


「マジかよ……」


 あまりにもさらっと伝えられたその情報。

 しかし、俺にとっては割と一大事だった――。


 それもそのはず、たとえメインじゃないと言っても、ステージに立たないとならないのだ。

 それには当然、ダンスや歌の準備だって相当量必要となってくる。

 だから俺は、慌てて早瀬さんにチャットを返す。


『え、それマジですか!? いつのどんなライブなんですか?』


 とりあえず、いつどこでどのステージに自分達が立つのかを確認するところからだろう。

 すると、送信してすぐに返信が返ってくる。


『あら、帰ったのね。おつかれアーサー。どのステージって、それはもちろんあなた達の初めての後輩ちゃんのデビューステージよ』


 後輩ちゃんって……、それはつまり『DEVIL's LIP』……。


 あまりにも急すぎるその話に、俺は何の誇張もなしに驚いて声をあげてしまった。


 待てよ、DEVIL's LIPのデビューステージ……?

 つまりそれは、藍沢さんのデビューステージでもあるということでは……?


『あ、この情報はもちろんまだ非公開だから黙っておいてね。それから、藍沢さんにもね』


 すると、まるで俺の考えを読むように早瀬さんは補足する。


 ――そうか、まだ藍沢さんにも秘密なのか。


 たしかに、知られてしまってはサプライズにはならない。

 それは分かるし、妹分グループのデビューライブに応援で駆けつけるのだって別に構わない。


 でも、それってつまり――。

 確実に藍沢さんに、俺の正体がバレることになるじゃないか――。


 それは、いずれ訪れると分かっていたこと。

 それでも、いざその時がやってくるのだと思うと、緊張というか、若干の怖さみたいなものを感じてしまう……。


 以前藍沢さんは、アーサーのファンだと言ってくれた。

 なんなら、ガチ恋だとも言ってくれたのだ。


 だからこそ俺は、そんなアーサーの正体が実は俺なのだと知られた時、藍沢さんはどう感じるのだろうか――。


 もし、喜ばれるのではなくガッカリされたら……。

 そんなことを考えるだけでも、明かすことが怖くなってしまうのだ……。


 でも、もしも逆に喜んでもらえるとしたら……。

 そんなご都合的な考えが一瞬脳裏を過るも、やっぱり恐怖心の方が勝っているのであった。


 しかし、結局は時間の問題なのだ。

 いつかは必ずバレる時がやってくることは分かっているし、その時がついに定められただけのこと。

 だから俺は、とりあえず状況を理解しチャットを返す。


『分かりました。黙っておきます』

『うん、よろしくね。ライブの告知は明日する予定だから、まぁリツイートとかで宣伝よろしくね』


 こうして、早瀬さんからの業務連絡チャットは終了した。

 俺は椅子の背もたれに身を預けながら、ぼーっと天井を見上げる。


「……そうか、いよいよなんだな」


 藍沢さんのデビュー。そして、俺の正体を明かす時がついに訪れるのだ――。


 まぁ今考えたところで、何かが変わるわけでもないことはたしかだ――。

 だから俺は、気持ちを切り替えながら次にメンバーのグループチャットを確認することにした。


 するとそこでも、既にメンバー達がDEVIL's LIPのデビューライブの話題で盛り上がっているのであった。



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