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実は俺もVtuber~駆け出しVtuberを支える俺、実は登録者数100万人の人気Vtuberな件~  作者: こりんさん@クラきょどコミック5巻12/9発売!
第二章

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第44話 映画館

 全ての講義が終わった。

 つまりは、これから藍沢さんと映画デー……ではなく、映画オフ会である。


 隣を向けば、何食わぬ感じで鞄へ教科書をしまっている藍沢さん。

 しかし、俺の視線に気が付くとその動きがピタリと止まり、そしてギギギとロボットのようにこちらを振り向いてきた。


「お、終わったねぇー」

「うん、そうだね」

「じゃ、じゃあ行こっか―」


 棒読みである――。


 もちろん俺は緊張しているのだが、どうやら藍沢さんまでも緊張してしまっているようだった。

 ロボットのようにガチガチになっている藍沢さんは、こう言ったらなんだがちょっと見てて面白い。


 こうしてお互いに緊張しながらも、一緒に今日の目的地である映画館へと向かうのであった。



 ◇



 電車で新宿までやってきた。

 ここへ来るのはまだ数回しかないのだが、今日も相変わらずの人混みである。


 地方では決して見ることのない人混みに飲まれそうになりながらも、慣れた様子で先を歩く藍沢さんに連れられて駅の構内を進んでいく。


「相変わらずすごい人混みだけど、慣れてるんだね」

「あはは、そんなことはないけどね」


 同い年だけど、状況はまるで親子である。

 もしくは、都会人と田舎者……って、それはそのとおりか。


 こうして藍沢さんに連れられるまま、俺達は目的地である映画館へと向かって道を歩く。

 しかし道中、男女関係なくすれ違う人達の多くが藍沢さんの姿に見惚れているのが分かった。

 ここは大学の外ではあるものの、周囲の反応は全く同じだった。

 そんな状況に、やっぱり藍沢さんはそういう存在なんだよなぁと改めて納得させられる。


「……もう、すごい見てくるじゃん」


 しかし、普段はそういう視線をあまり気にする素振りを見せない藍沢さんが、珍しく表情を歪めながら不満を口にするのであった。


 その反応に少し驚いたものの、まぁたしかにここは大学の外。

 周りから見られる数も多いし、大学生以外にも色んな人がいるから気にもなるのだろう――。


 そう思いつつも、何て声をかければいいのか分からないでいると、藍沢さんはスッと一歩隣に近付いてくる。

 そしてそのまま右手を伸ばし、俺の服の裾をきゅっと掴んでくるのであった。


「あ、藍沢さん?」

「ひ、人混みが多いから! は、はぐれないように!」

「ああ、なるほど」


 たしかにこの人混みだし、はぐれでもしたら大変だ。

 というか、一人でまっすぐ自分の家に帰れるかも怪しい……。


「桐生くんは今、わたしと一緒なんだから……」


 そんな言葉を呟く藍沢さんは、気を取り直すように気合いを入れているのであった。



 ◇



 到着した建物は、とにかくでかかった。

 まるでホテルのようだなと思っていたのだが、どうやらこの建物は本当にホテルと併設されているようだ。


 そんな巨大な建物の中へと入ると、ちゃんとそこは映画館だった。


「あった! あれあれ!」


 そう言って藍沢さんが指差すのは、有名な漫画のアニメ映画だった。

 俺もその漫画は読んでいるから、ちょっと気にはなっていた作品だ。


「わたし、この作品すっごく好きなんだよね」

「そうなんだね、結構漫画とか読むの?」

「うん! 漫画もアニメもラノベも大好きだよ!」


 そうだったのか――。

 まぁVtuberに興味があった時点で、こういう文化に理解があることは分かっていたのだが、それでもやっぱり見た目とのギャップを感じてしまう。


 でもそのギャップは、俺としては嬉しいギャップだ。

 これが俗に言う『オタクに優しいギャル』ってやつなのかもなと思っていると、藍沢さんは嬉しそうにグッズコーナーの方へと駆け寄って行く。


「うわっ! ヤバイヤバイ! アクスタも可愛いし、パンフはマストだよね!」


 その瞳をキラキラと輝かせながら、嬉しそうにグッズを眺める藍沢さん。

 その様子だけで、本当にこの作品が好きなんだなということが伝わってくる。


「ねっ! 桐生くんも欲しくない?」

「俺? うーん、そうだなぁ……あ、このキーホルダーとかいいかも」

「うんうん! そっちもいいね!」


 満面の笑みとともに、ブンブンと頷く藍沢さん。

 こうしてアニメの話を交えながら一緒にグッズを見ているだけでも、正直とても楽しかった。

 そして最終的に、俺は藍沢さんと同じくキーホルダーと映画のパンフレットを購入すると、そのままチケットも買って席へと向かうことにした。


「わたしね、ずっとこの映画楽しみにしてたんだ」


 歩きながら、藍沢さんはワクワクとした様子で微笑む。


「そうなんだね、実は俺も気になってたんだよね」

「本当に? じゃあ、今日は一緒に来られて良かったね!」


 大学でのガチガチだった藍沢さんはどこへやら、すっかり元通りの藍沢さん。

 ここへ来てから、ずっとこんな調子で楽しそうにしてくれていることが俺としても嬉しかった。


 そんなわけで、これから観るのはまさかのアニメ映画だったわけだけれど、むしろこの方が俺達っぽい感じもして、とにかく楽しみなのであった。



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