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実は俺もVtuber~駆け出しVtuberを支える俺、実は登録者数100万人の人気Vtuberな件~  作者: こりんさん@クラきょどコミック5巻12/9発売!
第一章

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第41話 帰宅とメッセージ

 結局それから、藍沢さんのことには一切触れなかったアユム。

 そして手分けしたこともあって、片付けはあっという間に終わってしまうのであった。


「よし、片付けも済んだことだしそろそろ帰ろっか」

「えぇ!? ま、まだ終電まで時間あるだろぉ? なんなら泊まってってくれたって僕は構わないよ?」


 カノンのその言葉を受けて、ハヤトが寂しそうにそう訴えかけてくる。

 まぁメンバーだから言っているのは分かってはいるが、男が女に泊まってってと懇願している姿は、それだけ見るとちょっと不味い気がしてくる――。


「おいハヤト、女の子を遅い時間に帰すわけにはいかないだろ?」

「そ、それはまぁそうだけど……そうだ! じゃあせめて、アーサーだけでも今日は泊まってってよ!」


 俺の言葉を受けて、ハヤトも渋々諦める。

 しかしハヤトは、少し悩む仕草を見せたあと、閃いたとばかりに俺だけでも引き留めようとしてくるのであった。


 男のくせに、ウルウルとした瞳でこちらを見つめてくるハヤト……。

 こんなもの、いつもなら即答でお断り案件なのだが、今日は初めて本音で語り合ったこともあって、何だかあまり邪険にするのも躊躇われるというか、ちょっとだけ返事に悩んでしまう――。


「え、アーサーもしかして泊まる気?」


 するとカノンが、ちょっとだけ悩む俺に少し驚いた様子で声をかけてくる。


「ああ、いや、そういうわけじゃないんだけど……」

「アーサーが泊まるなら、わたしも泊まる」


 慌てて俺が返事をすると、今度はネクロが更に話をややこしくする……。


「えー、じゃあわたしもそうしようかなぁー」

「ちょっとアユムまで!? ……だ、だったら、わたしだって、その……」


 その結果、便乗するアユムに従う形で、カノンまで泊まっていくとか言い出すのであった。

 そして何故か俺は、四人から期待されるように見つめられるのであった——。


――え、えぇ……。


 だがみんな気付いて欲しい、俺はまだ何も言っていないということに……。

 だから俺は、この場を沈めるためにもここははっきりと答えを出す。


「いや、今日は帰るよ。大学の課題もあるし」


 期待はずれの俺の言葉に、四人は露骨に残念そうな顔を向けてくる。

 しかし、百歩譲ってハヤトは分からないでもないが、他の三人もそんな顔を向けてくるのは、ちょっと意外というか色々大丈夫かという気持ちになってくる……。


 ただ俺も、まだ全てを答えたわけではない。

 だからそんな四人に対して、俺はもう一言だけ付け足す。


「でも、絶対にまたやろう。今日のコラボ、すっごく楽しかったからさ」


 勘違いして欲しくないのは、別に俺もみんなと過ごしたくないわけではない。

 というか、このメンバーと過ごす時間は俺だって大好きだ。


 だからまたオフコラボしよう。

 そんなありのままの自分の気持ちを、俺はみんなへ笑いかけながら伝えた。


「そうね、わたしも企画して良かったって思ってる。……その、アーサーとも素直に話せるようになったし?」

「うん、わたしも賛成。なんなら、毎週やったっていいぐらい!」

「そうね、みんなと会えるならわたしも参加するわ」

「――そうか、分かった。僕もみんなと同じ気持ちだよ。だから今日のところは、大人しく我慢することにするよ」


 集まろうと思えば、またいつだってこうして集まれるのだ。


 こうして俺達は、最後にもう一度笑い合った。

 今日一日を通じて、俺達FIVE ELEMENTSの絆は確実に更に深まったことを確かめ合うように――。



 ◇



 武の家をあとにした俺達は、一緒に電車に揺られている。

 交わす会話は、他愛のない今日の思い出話。


 ちなみに今は外のため、俺達はまたお互いに本名で呼び合っている。

 そんな、一応周囲にバレないようにみんなとする共通の隠し事も、今はちょっとだけ嬉しかったりするのであった。


「おっと――。じゃ、俺は次の駅で乗り換えだから」

「そっか……うん、気を付けてね」

「またね、彰」

「あら彰? このままわたしをお持ち帰りしなくても大丈夫?」

「あはは、今日のところは遠慮しておくよ。それじゃ」


 おどけるクリスの申し出を丁重にお断りしつつ、到着した駅で俺だけ電車を乗り換える。

 電車の中で別れた紅羽、穂香、そしてクリスの三人に見送られると、少しだけ物悲しさが心に残る――。


――やっぱり、今日は泊っておけばよかったかな。


なんてことをぼんやりと考えながら、一人になった俺は今日の余韻に浸りながらまた電車に揺られるのであった。


 ブーブー。


 最寄り駅に近付いた頃、ポケットに入れたスマホのバイブが鳴る。

 何だろうと思いスマホを手にすると、それは藍沢さんからのメッセージ通知だった。


『ねぇ桐生くん、ちょっと話したいことがあるの。通話できる?』


 その送られてきたメッセージを確認した俺は、何だかとても嫌な予感がしてくるのであった――。



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