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実は俺もVtuber~駆け出しVtuberを支える俺、実は登録者数100万人の人気Vtuberな件~  作者: こりんさん@クラきょどコミック5巻12/9発売!
第一章

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第40話 コラボ終了

「なんだか、企画の趣旨も変わっちゃったね」


 仕切り直すように、そう言って笑うハヤト。

 そして配信を軌道修正するように、俺達は他にも届いているいくつかの質問に答えていくこととなった。


 どれも笑いを交えつつ話を広げていくのだが、今日俺達は初めて互いに本音で気持ちを伝えあったこともあって、いつもよりみんなとの距離が近く感じられるのであった。

 それはカノンも同じで、もう俺に対して当たりが強くなることもなく、ずっと隣で楽しそうに笑ってくれている。

 時たま目が合うと、ニコリと微笑んでくる今のカノンは、これまでとのギャップも相まって正直反則級に可愛く思えてしまうほどだった――。


「うん、よし! 大体こんなところかな? もう配信開始して二時間以上経ってるし、そろそろこの辺りにしようか」


 時計を見れば、夜の九時に迫ろうとしていた。

 配信に夢中だったこともあり、もうこんなに時間が経っていたのかと驚く。

 配信を確認すると、最終的には十四万人ものリスナーが今回のコラボ配信に集まってくれていた。


「ってことで、今日は僕達のオフコラボに集まってくれてどうもありがとう! 今後も僕達FIVE ELEMENTSのこと、どうぞよろしくお願いしますねー! じゃね!」


 こうして最後はハヤトが上手く締めて配信を閉じたことで、無事に本日のオフコラボは終了したのであった。

 途中、お酒でカオスな感じにはなった時はどうしたものかと思ったものの、結果としてはとても良い配信になったと思う。

 それは俺だけでなく、きっと他のメンバーも同じ気持ちに違いないだろう。


「ふぅ、終わったわね」

「そうだね」

「うん、終わった」


 カノン、アユム、そしてネクロが、無事オフコラボをやり遂げたことにほっとするように微笑み合う。

 もうお酒を飲み出してしばらく経っていることもあって、三人ともお酒の酔いも落ち着いているようだった。


 そんなわけで、無事こうして配信も終わったことだし、とりあえず俺達は分担して飲み食いしたテーブルの上を片付けることにした。

 この中で唯一お酒を飲んでいない俺は、料理をしてもらったお礼も兼ねて洗い物を引き受けると、並んでアユムも手伝ってくれた。


「今日のコラボ、良い感じだったね」

「ああ、そうだな」

「コラボ中さ、何度かスマホ鳴ってたけど……あれもやっぱり、TAMAGOさん?」

「……まぁ、うん。TAMAGO―—いや、藍沢さんからだよ。実は彼女、俺達FIVE ELEMENTSの大ファンなんだよ。だからさっきも、俺達の配信を見てくれていたみたい」


 もう隠すアレもないだろうと、俺はアユムにだけはTAMAGOさんこと藍沢さんについて教える。


「え、それって大丈夫なの?」

「ああ、うん。俺がアーサーだとはまだ気付かれてないっぽい」

「そんなこと……いや、まぁたしかに、アーサーの声は特徴的ではないからね。でも、TAMAGOさん――じゃなくて、藍沢さん? も、まさかすぐ身近に推しがいるなんて思いもしないだろうね」


 悪戯に笑うアユムに、俺もそうだなと一緒に笑う。

 藍沢さんが俺の正体に気付いた時、一体どんな反応をするのだろうか――。

 まぁそれはともかくとして、この際だからついでにもう一つ大事な情報もアユムに教えておくことにした。


「でさ、俺もまだ詳細は聞いてないんだけど、どうやら藍沢さんも俺達の仲間になるっぽいんだよ」

「え? 何それ、どういう意味?」

「この前、うちの妹分オーディションあったでしょ?」

「ああ、うん。あったね」

「藍沢さん、実はそのオーディションに受かったんだよ」

「はっ!? えぇ!?」


 ついでに伝えたその情報に、大声をあげて驚くアユム。

 まさかこうして、自分が逆に驚かされることになるとは思ってもみなかったのだろう。

 そんなアユムの声に、他の三人も驚く。


「なに!? どうかした!?」

「あ、ごめんカノン! なんでもないよアハハ」


 ならいいけどと、テーブルの片づけに戻るカノン。


「――えーっと、つまり藍沢さんはアーサーと同じ大学の友達で、実はわたし達の大ファン。それから、今日行ったメイド喫茶でもバイトしてる可愛いメイドちゃんで、オマケにわたし達の妹分Vtuberグループでのデビューまで決まってるってことでいい?」

「ああ、そうなるな……」

「いやいやいや……情報量多すぎでしょ……」


 驚きを超えて、呆れだすアユム。

 たしかに言われてみると、そんな人が身近にいるのは物凄い確率だと俺も思う――。


「――まぁ、アーサーがこんな嘘言う必要もないだろうし分かったよ」

「そ、そうか。ついでにもう一つあるんだが……」

「なに? まだあるの!?」

「ああ、いや……藍沢さん、どうやら俺やハヤトと同じ早瀬さんが担当マネージャーになるっぽいんだ」

「……あぁそう。もう驚かないわ」


 疲れ果てた様子で、もうリアクションする元気もない様子のアユム。


「――これは近いうちに、必ず一波乱起きそうね」


 そして溜め息とともに、ぼそっとそんな不穏な言葉を呟くのであった――。




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