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実は俺もVtuber~駆け出しVtuberを支える俺、実は登録者数100万人の人気Vtuberな件~  作者: こりんさん@クラきょどコミック5巻12/9発売!
第一章

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第27話 箱外コラボ

「ふぅ……なんか今日は色々あったな……」


 帰宅した俺は、パソコンの電源を入れるとともに椅子へもたれ掛かる。

 今日はイメチェンしてから初めての講義だったわけが、結論から言えばみんなから好印象だったから助かった。


 まぁ最初こそ驚かれはしたが、俺だって藍沢さんが黒髪にしてきたら驚くだろうから無理はないだろう。

 なにはともあれ、藍沢さんやそのお友達にも好評だったようで安心した。


 そんなわけで、大学の方はちょっと注目を浴びた以外は概ね問題なさそうなため、残すはただ一つ。

 それは、イメチェンしたそもそもの目的でもあるオフコラボだ。


 いよいよ今週末に迫ったオフコラボ。

 久々にメンバーと会うのは少し緊張するが、それ以上に久々に会えることへの楽しみが勝っている。


 そんな今度のオフコラボ、今日の十九時に俺がみんなを代表してSNSで告知する話になっているわけだが――。


「――って、もうすぐ十九時じゃん!!」


 パソコンの時刻を確認すると、十九時の二分前——。

 危うく告知が遅れてしまうところだったと焦りつつ、俺は慌ててオフコラボすることを告知する。

 すると、瞬く間にその告知は拡散されていき、あっという間に日本のトレンド一位にもなった。


 そんな、ネット上ではテレビに出ている芸能人のごとく有名な俺達。

 しかし、実際は大学で目立たないただのボッチなんだよなと、我ながらそんなギャップに悲しくも笑えてくる――。


 ――まぁそのボッチ問題も、藍沢さんのおかげで解消されたわけだけど。


 そんなことを考えつつ、無事に告知も済んだことにほっとしていると、机に置いたスマホの通知が鳴る。

 確認すると、それは藍沢さんからのメッセージ通知だった。


『やばいやばいやばい!! FIVE ELEMENTSがオフコラボだって!!』


 そう言って、先程俺が呟いた文章のスクリーンショットまで添えて、文章でも大興奮の藍沢さん。


「あはは、それ呟いたのは俺なんだけどね」


 当然そのことは言えないのだが、呟いた本人にそんなメッセージが送られてきたことに、俺は思わず笑ってしまう。


『これは、配信楽しみだね』

『うん! バイトのシフトも大至急変わってもらいました!』


 そ、そこまでするのか……。

 ただまぁ、それだけ楽しみにしてくれていることは素直に嬉しかった。


 こんな風に楽しみにしてくれている人は、きっと他にも大勢いるはずだ。

 だから次のオフコラボ、絶対面白い配信にしたいなと思うのであった。



 ◇



「ねぇ見たよ! 今度オフコラボするんだって?」


 今日の配信は、箱外のライバーとのコラボ配信だ。

 箱外とは、要するにFIVE ELEMENTSおよび同じ事務所以外の人を指す言葉で、今日はアイドルVtuberグループ『らぶりー☆えんじぇるず』に所属する月影つきかげミミとのコラボをする予定だ。


 月影ミミ――。

 ウサミミを生やした獣人の女の子で、三人グループである『らぶりー☆えんじぇるず』のリーダーを務めている。

 三人とも個性に溢れているのだが、ミミはその高い歌唱力と、何よりその高いエンタメ力で人気を獲得している。


 ちなみに、ミミのチャンネル登録者数は現在三十万人ちょっと。

 うちのような、メンバー全員のチャンネル登録者数が百万人を超えているような箱ほどではないにしろ、ミミの所属する『らぶりー☆えんじぇるず』も今グイグイ伸びてきている人気Vtuberグループの一つだ。


 そんなわけで、ミミとは仲良くなって結構長いのだが、それでも今日は箱外のコラボ相手。

 FIVE ELEMENTSのメンバーとのコラボより当然気を配らなければならないため、配信の三十分まえからこうしてVC《ボイスチャット》を繋いで雑談を交えつつ準備を進めているのであった。


「ああ、うん。いきなりカノンが言い出してさ」

「へぇー、カノンちゃんとはまだ絡んだことないけど、そういうこと言い出すタイプなんだ」

「そうか、ミミはまだカノンと絡みないんだっけ? じゃあ今度、一緒にコラボしてみるか?」

「うぇ!? いやいや無理無理無理! わたしなんかがFIVE ELEMENTSとコラボするなんて超絶恐れ多いって!!」

「……いや、俺も一応FIVE ELEMENTSなんだけどな」

「あっ……。でも、そう言われてみるとアーサーだけは平気だね不思議」

「何でだろうな。俺も他のみんなみたいな威厳が欲しいよ。――まぁ確かに、俺と違って他の四人は才能の塊みたいなものだからな」


 そして俺だけは、みんなのような特別な才能はない。

 それは今始まったことではないが、それでもこういうふとしたタイミングで劣等感みたいなものを感じてしまう――。


「何言ってるの?」

「え? 何ってなんだ?」

「相変わらず、こういうところが鈍いというか何というか……。まぁとりあえず、わたしの中ではアーサーもれっきとしたFIVE ELEMENTSだと思ってるよ」

「そ、そうか? ありがとう――」


 よく分からないが、励ましてくれるミミ。

 同じVtuber仲間にそう言ってもらえるのは、正直嬉しかった。


「さ! そろそろこのあとのコラボの準備するよ!」

「あいよ、よろしくな」


 こうして俺達は、このあと行うコラボの準備を始めた。

 その準備の甲斐もあり、今回のコラボも無事に大盛況で終えることができた。

 そして今回のコラボ配信も、オフコラボの告知に続きSNSのトレンド入りまですることができたのであった。



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