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第一章 異世界転生  自分自身の魂源





あるアパートの一室に怒号が響いていた。

「オラァ!! 何楯突いてんだテメェ!」

「ぐっ! ……はぁはぁ」


そこには一人の男と一人の青年がいた 

男は青年を何度も殴り、けっていた

「テメェはさっさと金稼いで俺にわたしとけばいいんだよ! 金を渡さないだぁ?ふざけたこと抜かしてんじゃねぇ!!」

そう言うと男は豪快に酒を呷る。

「あんたはそうやっていつもいつも金で豪遊してるだけじゃねぇか! あんたに金を貰う資格なんてねぇんだよ! クソ親父!!」

そう叫んで青年は男に殴りかかる。 だが、男の眼は急速に暗く濁っていき、簡単に青年の拳を避けると逆に青年にボディブローをたたきこむ 

「ぐっ! かはっ!!……クソッ この…クソ親父……」

「はっ! テメェがこの俺に勝てるとでもおもってたのかよ? なぁオイ?」

さらに追い打ちをかけるように男は青年に蹴りをくらわせた。


(クソっ 俺にもっと力があれば…なんで…なんでなんだッ!!)

そう青年が嘆いていると、ふと声が聞こえてくる。


『力が…ほしいかい?』

今の青年にしてみれば甘い蜜のような誘惑の言葉が聞こえてくる。

(あぁ…何者にも負けない力が 何者にも屈しない力が 何者にも侵されない力がッ   欲しい!!)

『そうか…ならこちらへ来るといい もう少しだ…もう少しで君は開放される。 身も心も……魂も…ね』

「? どういうことだッ!」 

「何ほざいてやがる! この能無しがッ!」  

声に気を取られていた青年は男の拳に反応することができなかった

男の拳は青年の体を貫通し、その体に風穴をあける。

(くそっ 俺はこの男に勝たなきゃいけないのに! こんなところで死ぬわけには行かないのに……明里ッ!!)


その心とは裏腹に残酷にも青年の命は、どんどんとその灯火を消していく そして青年の意識は深い深い闇の底へと沈んで行くのだった…

  







‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥








「うん? ここは?」 

『ここは そうだなぁ…君たち人間からしてみたら…生と死の間

 三途の川みたいなものかな』

「うわぁ!!びっくりしたぁ!  あんた…誰?」

『誰?なんてひどいなぁ君は僕の声を聞いて、死んでも尚生にしがみつき大きな野望を持ちそれを成したいがために力を求めた。そして生命と力の神であるこのロキルデリウスのいる世界の狭間…………さっきも行ったとおり三途の川のようなものに行き着いたってわけさ♪』

そういった外見10歳前後で金髪碧眼の神ロキルデリウスは青年に話しかけた。

『それに君、自分の名前覚えてないでしょ?』


「そんなわけあるか! ん?あれ?……どうしてだ!?自分の名前が思い出せねぇ! あのクソ親父はおぼえてるのに!」

 

青年がパニックになっているとロキルデリウスは優しく声をかけてきた。


『それはね、君が生にしがみついた事により魂が激しく損傷されたからだよ』



そう言ってロキルデリウスは青年の胸に指で触れると青年は体から何かが抜けていく感覚に襲われた。 というか胸から言葉通りシャボン玉のようなものが抜けていた。


『これは君の魂だよ。 普通の魂はもっと密度か濃いはずなんだけどね……フムフム』


ロキルデリウスによるとどうやら青年の名前は七色 雷斗という名前の高校2年生だったそうだ。 しかし、家庭環境は厳しく母親は病死し絵に書いたようなクズである父親との二人暮らしとなり父親は全く働かずギャンブル三昧すぐに暴力を働くような生活を送っていたためついに雷斗の精神が限界を迎え父親と喧嘩になりこの世を去ったようだ。 



『さて、死んでこの空間に来てしまった君は生前最後に力がほしい……といったね?』


「あぁ 何者にも負けない力がほしい!!」



『では君には異世界に行ってもらおうと思うんだ♪』 


「………………は?」


『だけどね 君の魂は通常のh「まてまてまて」……なに?』



途中でことばを止められたロキルデリウスは不服そうに雷斗へとジト目を向ける


「異世界って何だよ!?」


『そのままの意味さ 異なる世界と書いて異世界……ほら、そのままの意味だろう?』


「…………なぁ 俺は異世界でも生きていけると思うか?」

 

いかにも自信がなさそうに言う雷斗

しかしロキルデリウスは、いたずらっ子のような笑みを浮かべながら言った。


『今のままでは駄目だろうねぇ……でも、さっき言いかけたように君の魂は非常に微弱になってしまっている。まずはこの魂を治すだけでもそれ相応に力を得られるはずだよ♪』


さて…とロキルデリウスは、とても険しい顔をして今までと違い低く威厳のある声であることを問いてきた。


『君は力がほしいといったね?』

「あぁ」

『その力はどんな力なんだい?』

「すべてを守れる力だ」

『では、その力を持ってどれほどの覚悟がある?』

「もう自分が死なないために……今度こそ大事な人を守れるように」

(たとえそれがもう叶わないとしても)


ロキルデリウスは、薄く微笑んだ。

『では授けよう。いや、君の魂に返そう その強く凛々しく透き通ったきれいな魂に………魂源のちからを』 


ロキルデリウスの手の中にあったシャボン玉のような魂が強く輝きどんどん肥大化していく。  そして、強く輝き太陽のようなものに変化したソレは、雷斗へと近づいていき胸へと吸い込まれていった。  すると雷斗の体から激しい痛みが走った。



「ぐっ!………………がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


黒かった髪は色素が抜け落ち真っ白に、右眼は五芒星の描いた赤色に、左眼は神々しいほどの金色に変化していった。  しかし、痛みに耐えられなくなっていった雷斗はそのまま意識を失ってしまった。






「はっ!」

『やぁ♪ 起きたかい?』


雷斗が目を覚ますと、目の前にはいたずらっ子のような笑みを浮かべたロキルデリウスがいた。


「……なんだ……あんたか……」 


『なんだとはひどいねぇ♪ それと……いい加減名前で読んでくれないかなぁ? いつまでもあんただとちょっと傷つくんだけど……』 


そう言ったロキルデリウスは少し引き攣った笑みを浮かべていた。


「そうだなぁ ロキルデリウスってのは長いから……ロキってのはどうだ?」 

『仮にも僕って神様なんだけどなぁ……まぁでも…ロキ……か……』 


そう自分につけられたニックネームを言い直しているところを見るとロキルデリウス……いや、ロキは存外そのニックネームを気に入っているのだろう。 


「それにしてもそれ相応に力をくれるっていっても全然実感わかないんだけど」 


と自信なさげに言う雷斗

すると、ロキは


『ステータスって言ってごらん?』


「ス、ステータス」


そう言った雷斗の前には透明な板みたいなものが浮かんでいた。

(こ、これがステータス……) 


高校の友達からそう教えられていた雷斗は、実物を見て少なからず衝撃をうけていた。


―――――――――――――○●○●○●○●○●○――――――――



                        

魂源 雷支配  #$(&■■■○▲$#&

   重力支配


―――――――――――――●○●○●○●○●○●○●○――――


ふと雷斗は、あることに気づいた。

(ん?あれ?)

「おい、ロキ」

『ん?なんだい♪』  

「俺……名前ないんだけど」


そう 名前があるはずの場所に名前が入っていなかったのだ


『あぁ それは、今から君が行く世界仕様にしてあるから名前が入ってないんだよねぇ残念だけど♪』


少し申し訳なさそうに言うロキ すると雷斗は


「丁度いい あのクソ親父と同じ名字は心底嫌だったんだ」と

嫌悪感を体全体で表しているかのように黒いオーラが出ていた。 


『しっかしびっくりだよ♪』

「何がだ?」

『君、ステータスのパラメーターやスキルがないのは不思議に思わなかったのかい?』

と少し呆れたような顔をするロキ しかし雷斗は


「まぁ、名前が一番大事だと思ってるからな」

と少々いや、だいぶドライな感想を述べる。


『君ねぇ………ま、いいか♪ では魂源について話そうか』

「あぁ」

ロキはまた真剣な顔になり、魂源について語りだした。

曰く、魂源というのは自分自身であり、ちからであり、能力であり、ステータスであり、スキルであるとのこと また、魂源を使うということはすなわち精神力を削るということであり、使いすぎると命まで使ってしまうことがあり、もしそのようなことがあれば寿命が縮んでしまうのだとか


『と、このように使うときの注意事項はこのくらいかな? でもこのことを聞いたからと言って必ずしも使えるとは限らない なのでこの僕のはからいで君には赤ちゃんからやってもらう もちろん僕の息のかかった人のもとでね』 

「なるほどな」


ロキは驚いたような顔をする。


「?なんだ?」

『いや、君赤ちゃんからってことに何も抵抗をうけないのかい?』

「抵抗も何も力を使うためにはそれが必要なんだろう?」

『まぁそうだね』

「強くなるためだったら何でもする それが俺のモットーだ」

『へぇ やっぱり君は面白いよ』

とロキは楽しそうに笑う。


『さて、では転生の儀式へと移ろうか』

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