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君と共に・・・  作者: 秋元智也
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真実と責任

刺客を払いのけた一行はそのまま先を急ぐ、そこで拓実を生け贄にしようとした村人の事を知る。それはかつて正嗣の弟子で死んだ銀治だった。

正嗣は焦りを感じていた。

あれだけ動いても息が上がらないということは体力的にこちらが完全に不利なのである。

周りからは正嗣の方が押しているように見えるかも知れないが追い詰められているのは正嗣の方であった。審判である寛貴の方を見るとにこにことしていてなんとも憎たらしい。

わかっててやらせたな。

このままじゃ面子が丸潰れだ。

本気で殺るしかないかとか思い直し腰の隠し武器を投げ付けた。

ちょっと驚いて見せたがそれもなんなくかわした瞬間を狙って分銅を足元に投げる。

避けられる事を加味した上でだ。

それもかわされた瞬間を狙って、かわした足に巻きつくようにすかさず引いた。

「なっ!!」

それには反応が追い付かず足を絡め取られ地面に叩きつけられる。

「うわっ。こんのぉ。」

するとすぐに立ち上がり分銅の繋がる鎖に拳を叩き込んだ。

そんなことでは切れないはずだった。しかし、現実は違った。鎖は完全に粉々に砕けていた。

「おいおい、おかしいだろう?鉄でて来てるんだぞ」

「痛ってー。あんまりギリギリでかわさいない方が良かったなー。っとそうだ。」

何を思ったのか、分銅を持つとこちらに投げてきた。

鎖は切れても分銅を連結するぐらいは出来るので回収しようと試みたが余りにも速いので避けてしまった。いや、直感で受けてはダメだと理解したのだ。

後ろを見ると木にめり込んで、そしてその木がゆっくりと倒れて行くのが見えた。

「待った。今日はここまでにしよう」

「正嗣。拓実はまだ攻撃してないよ。修行なら攻撃も受けなきゃね」

寛貴の言葉は死刑宣告に聞こえた。

「あんな攻撃受けられるか。そもそも、なんなんだあの力は。ただの子供が鉄を破壊するは!!それに、木をへし折るなんて事をできると思うのか?」

「もう、終わり?」

平気な顔で聞いてくる拓実が恐ろしいものに見えてくる。

あんなに普通の少年にしか見えないのに。詐欺だ。絶対に、、、

夜も更けた頃、寛貴に呼び出された正嗣が向かった先には二つの影があった。

「こんな時間に何の用だ?明日も朝速いんだから見張りじゃないんだから早く寝ろ!」

「ちょっと話があるんだよね~」

「?」

「正嗣って火薬とか扱えたじゃん。だから手榴弾みたく投げて使えるもので一気に燃え広がるように加工できないかなぁ~っておもて」

「そんなもん何に使うんだよ?」

「化け物退治?」

「どしても焼き払わなきゃいけないものがあるんだ。できねーかな?」

今度は拓実の方が聞いてくる。いや、拓実の方が倒したいものなのかもしてない。寛貴はというと拓実に付いてついで聞いている感じだったりする。

「できなくはないが、俺にメリットがないしな」

二人は黙って顔を見合わせた。

「なら、こくしっ」

「待った。俺が話すから。」

拓実の口を塞ぐと余計な事を話させないためなのか寛貴は言葉を引き継いだ。

「最近この界隈で流行り始めた黒死病の特効薬を渡すってのはどう?明日には渡せるけど、、、」

「何を言ってやがる。そんなものあるわけがーーー有るのか?」

「有るよ。俺はそれを飲んだからもう、かかることはないんだよね。いい話でしょう?」

「確かに悪くない話だ。その話、噛ませてもらおう」

正嗣は考えるより即決した。命には変えられないからである。


商談は上手くいったのでお互いテントに戻った。

正嗣としては治らないと聞いていた難病に特効薬があったなどと聞いたこともなかったがこれから行く町の通過点に黒死病が流行っているところを通らなくてはならなかったため是非とも欲しい薬であった。

数はないと言っていたからどこかで開発されたものを持ってきたのであろう。

暫く顔を見せなかったのにもそういう理由があったのかも知れないと勝手に解釈した。

もっと早くに手に入っていれば、、、もう一人の弟子を死なせる事は無かったのに。

正嗣には寛貴以外にも優秀な弟子がいた。

しかし、任務で行った先で黒死病にかかって死んだという知らせだけが届いた。

そこの村の人間は全員が死滅している。つい、この前のことである。

詳しくは話してくれなかったが捕獲の任務だったはずだ。

その為に強力な麻痺毒を調合した。殺さずに捕まえたいと話していたのでよく覚えている。

簡単な任務だったはずが予期せぬ病気という結果になってしまって残念だった。

彼の死を引きずっても仕方がない。寛貴までも死なせることのないようにと自前の鞄から火薬とカプセル等の薬品を一式取り出したのだった。


寛貴はいつものように拓実と共に抱き合うようにして横になっていた。

「ばれないかな?」

「コーヒーに混ぜて薬だって渡せば多少の味は誤魔化せるって。直接拓実からは渡したくないんだよねぇ~」

「それはそうだけど・・・」

「何か不安がある?俺は拓実の肌に他の男が触るなんて絶対やだから。もしそんなことになったら、殺しちゃうかも?」

「そんなことねーよ。寛貴だけだよ」

声は小さくなっていったがそれを聞き逃す寛貴ではない。

「何?もう一回いって?」

「//////だぁー知るか!!」



朝起きると正嗣が外で待っていた。

「よく寝れたか?」

「まぁ~ね」

寛貴は小瓶を正嗣に渡した。

「コレが例のヤツか?」

もう何人かが起きているので普通に話す事は憚られる為に伏せて話すことになった。

「そ。俺も飲んだから確認住み」

「ん?確認ってまさかお前、、、」

「そう。かかったんだけど、これで消えたんだよね」

「そうか・・・銀治にもコレがあれば助かったのにな、せんないことだ」

過去にこだわるのはもうやめたと思っていながら、それでも悔やんでしまう。コレが親心なのかもしれないなと笑って言った。小瓶の中の黒い液体を一気に飲み干した。

「これで大丈夫なんだな」

「そういうこと」

「分かった。では、こっちの方も。」

鞄から取り出したのは導火線の付いた筒のようなものだった。

「ここに火を点火して投げれば発火する。しかし、従来のものより火の威力が強いから投げるときに十分な距離を取らんといかん。せめて、倍ぐらいは離れるかすればいいだろう。それにボウズの腕力なら行けるだろう?」

「そうね~」

寛貴は拓実を見つめると彼はコクりと頷いた。

何を退治するのやら、、、

「それと、俺からの餞別だ。持っていけ」

丸い玉のようなものを渡した。

「そこにある線を抜いて相手に投げると煙が吹き出して、麻痺毒で暫く動く事もままならん代物だ」

説明して渡そうとすると拓実の方がそれを叩き落とした。

「何しやがる!ボウズ、やっていいことと悪いことがっ、、、」

いいながら拾い上げると拓実の表情に敵に向ける殺気が混ざっていくのがわかる。

「正嗣。それを、誰かに使った?」

「あぁ、ある村で捕獲依頼があるってんで銀治にも渡したな。それがどうした?」

「う~ん。その捕獲対象って多分、、、」

寛貴はそう言って拓実の方を振り返った。

「そんな訳はないだろう?」

と、思ったが一瞬昨日の闘いを思い出してすぐに否定した。

「だが、捕獲だったんだから問題はないだろう」

「問題は大有りなんだよね。拓実にしたことは許されることじゃないし」

それから村の習慣で人柱にされそうになったことや、寛貴に助けられた事を知った。

「銀治にも困ったもんだ。まさかそんな以来だったとは、、、悪かったなボウズ。しかし、傷跡も綺麗に消えてるってのは凄いなー」

「!!」

拓実はなんで綺麗に傷跡1つ残ってないのかを知っているのかを不思議に思った。だってそうだろう。杭が刺さっていたのは脇腹や、肩、それに腕や太ももの辺りだったからだ。服で隠れていて見えるはずもないところばかりである。

「なんでわかるんだよ!水浴びの時も誰もいなかったぞ」

「あぁ、それはだな、、、」

口ごもる正嗣に非難の視線が向けられる。

「悪かった。最日に宿を訪れた時にだな、、、寛貴の部屋を覗いたときに」

「ふざけるな!!」

正嗣は素直に悪かった事を認め謝ったのだが、顔をあげる前に寛貴が腹を押さえて悶絶しているのが目に映った。その後だ、鳩尾に衝撃が走ったのは。痛みで呻くことすら出来なかった。


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