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君と共に・・・  作者: 秋元智也
17/17

また 会う日まで

生気を吸えなくなってしまった拓実は段々と弱っていく。それに気付いた寛貴は死ぬ気で危険な以来を受ける。

最近拓実の様子がどうにもおかしい。

どうおかしいかっていうと、体を重ねてる時に高揚感に混じってたまに暴走しそうになるくらいの何とも言えない感じがゾワゾワっとする時がある。

気持ち悪いとかじゃなくて微かに何かを抜かれてるような感覚。

普通じゃ気付かない程度なんだけどね。

俺には多少のことも敏感だから気になっていた。

そんな感じが最近ではめっきりしなくなったのだ。

何がおかしいかというと、それは拓実が生気を吸ってる瞬間であり、俺としては生気を持っていかれている証拠なのだ。

なのに最近はそれがないって事は余り吸ってないってこと。

吸わないとどうなるのか、とか気になる。

お腹が空くだけじゃないんだろうなぁ~。


最近大事件が発生した。上手く生気が吸えなくなってきている。

いつもならそんなに気にしなくても夜の閨での行為で肌から体全体に行き渡るように生気が入り込んでくる感じがして満たされるのに最近はそれがない。

このままじゃ、マジでヤバイ。

生気が吸えなくなれば栄養分を取り入れられないということになる。

ちゃんと普通の食べ物は食べてるけど、一向に満たされない。

段々と体力の低下も著しい。

このままいくとあと何日も持たない。

どうしよう?原因もわからないし、誰に聞けばいいかもわからない。

徐々に気が滅入ってくる。

一日中ごろごろしながら体力の温存してみるが効果はあまりない。

どうしたもんかな?寛貴に話すべきか、、、


「拓実。ちょっと聞きたい事が有るんだけど?」

「ひゃう、、、、いきなり、な、なんだよ」

「何か隠してるでしょう?」

「か、隠してなんか、、、いない」

「最近ってちゃんと生気吸ってる?なんか余り前に比べて吸われてる気がしないんだけど?」

「あぁ、この間大量に吸っておいたからそれで賄えてるんだ」

「ふ~ん。俺の事を殺さない為とか言って控えてる訳じゃないんだ?」

「俺が、遠慮なんかするかよ」

「そっか、それならいいけど」

なんか腑に落ちないという顔をしたがそれ以上は聞いてこなかった。

何とかしなきゃ。


夜になるといつものように求められた。流石に前の時みたいの朝までコースは無くなったがそれでも寛貴はいつもになく今日はしつこい。なかなか切り上げない。

そろそろこっちはきついんだけどなぁ~。

日付が替わった頃寛貴はやっと気が済んだようである。

「明日は多分帰れないから、それと知ってる人が来ても入れちゃダメだからね」

「分かってるって」

この前の反省を生かしこれからは寛貴以外は出ない事にしている。

「この仕事が終わったら引っ越そうか?いつまでもいるには危険な街だしね」

「うん。」

この街には何の愛着もない。いい思いでなんてほとんどないのですぐに返事を返した。

その日はそのまま眠りについた。

朝には寛貴が出ていった後で、体を起こそうとすると力が入らないことに気付いて焦った。

昨日も生気はほとんど取り入れられてない。

そろそろホントにやばくなってきた。流石に生気が尽きると存在自体保てなくなってしまう。

どうしよう。猫の姿に戻っても動く事は出来なかった。変化には支障はない。

このまま俺は死ぬのか?

イヤだ。イヤだ。イヤだ。

まだまだ生きていたい。涙が溢れてきて止まらない。

こんなに泣き虫だったなんて知らない。

寛貴にもう会えないなんやだ。

一人で死んでいくなんて耐えられない。

必死で体を起こすとフラフラしながら玄関を出る。

もう戻ってこれないかも。それでも寛貴に会いたい。

どこにいったかなんて分からない。けど、運命に導かれるように真っ直ぐ寛貴のいる方へと向かっていた。野生の勘でしかなかった。

休み休み歩いていくと寛貴の匂いがした。

それと硝煙の臭いと濃い血の臭いだった。

影から隠れて眺めた。寛貴はまだ後ろにいる影に気付かない。

後ろにもう一人いる。でも、寛貴の銃口は前にいる8人に向いている。

拓実は動かない体を必死に動かして近くの棚に置いてある鉈を持って静かに近寄るとおもいっきり頭に叩きつけた。

頭は簡単に割れ血が吹き出した。そこで、初めて気付いたのか寛貴が振り向いた。

「寛貴、前!!」

「こんなところまで付いてくるなんて。死ぬに死ねなくなったなぁ」

「ばーか。死ねないに決まってるだろ?」

きっと、拓実の死期が近いことがわかってるんだと思う。

だからこんな危険な仕事を受けてくるんだと思う。

今度は寛貴のが先に死ねるように、、、

そんな事、誰が許すかよ。死ぬときは一緒だって言ったじゃん。

誰が一人で死んでやるかよ。巻き込んでやる。

拓実は寛貴を一人残して逝ってしまった。

でも、それは残された方から見たらただの偽善でしかない。

俺はそんな事思わない。

わがままだって構わない。一緒に逝こう。

それがどんなところだって二人でなら辛くねーだろ?

その場に立っているのは寛貴ただ一人になった。

「やっぱりつえーなぁ」

「何いってるの?調子が悪いんでしょう?」

「うん。あれ以来生気が吸えなくなっちゃた。」

「!?」

「ごめん。体を動かすのももう、無理かも。ただ、今は寛貴の側にいたい」

「いいよ。眠っても。ずっと側に居るから」

拓実の体を抱き締めると寛貴はそのまま目を閉じた。

このまま死んでしまおうか?

そうすれば離れなくて済むから。

きっと、拓実もそれを望んでるよね?

拓実の体はいつのまにか猫の姿に戻り呼吸もしなくなっていた。

それを抱いていた寛貴は安らかに目を閉じたままじっとしている。

腹や肩に食らった弾丸は多分致命的だったなーと思いながら。

このまま一緒に死ねるのならそれも悪くはない。

置いていかれた20年が余りにも長すぎた。

今、行くから、、、。

最期にふと、笑みがこぼれた。

二人はいつかまた出会えるだろうか?

いや、運命はまた、二人を出会わせるだろう。

悲しいばかりじゃなく、生き抜く力として引き寄せあうだろう。


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