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君と共に・・・  作者: 秋元智也
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裏切りのマーチ

別の街に異動した寛貴と拓実は打ち解けてお互いを意識しはじめていた。寛貴が連れてきた笹山と言う男の狙いは?

寛貴に連れられて先程の部屋に逆戻り。

しかも逃げ出すことも出来なくなった。寛貴はというと上機嫌。

一体なんなんだよ。俺、なんかしたのかよ。

「お腹すかない?食べる?」

人間の食べ物が皿に乗っていた。

「食べたら逃がしてくれるのかよ?」

「やだな、そんなに怒らないでよ。ただ、笑ってて欲しいだけなのに」

「笑えるかよ。こんなとこに閉じ込められて、、、」

目の前に置くと奥に行ってしまった。

俺はというと金属の首輪をはめられこの部屋からは自力では出られない。

しかも首の太さは猫の姿と差ほどかわりがないため、今は猫の姿に戻っているのだが、首輪を抜ける事は難しかった。

抜け出せないのならと、ふてくされて先程から昼寝を決め込んでいる。

たまに一日中外に出掛けているようだが帰ってくると血の臭いがするのできっと誰かを無差別にでも殺してるんだろう?

人殺しヤローが、、、

「人殺しなら俺もさっさと殺せばいいのに、、、」

「殺すわけないでしょう?」

「!!」

一人でぼやいただけなのに、まさか返事が帰ってくるとは思わなかった。

「出掛けてたんじゃなかったのかよ」

「帰ってきたら声が聞こえたから~それに間違っちゃいないけど拓実には人殺し呼ばわりはされたくないなぁ~」

「間違ってねーだろ?」

「ほらこっちおいで」

無理やり抱き抱えると首輪を外されてお湯で洗われる。いつも自分が入るときに一緒に入れられる。

毎日入らなくたって構わないのに。

お風呂を上がると人の姿を要求してくる。

最初は女の姿になったら、もう一回。とやり直させられた。

なんでか寛貴は男の姿をいつもせびる。

いつもじっと眺めて辛そうな顔をする。そんなに嫌なら他の姿にもなれると言ったのだが頑として聞き入れなかった。どうしてもこっちの姿がいいらしい。

なら、そんなに悲痛な顔をするなよな。

こっちまでいたたまれなくなる。

こいつは変態なのか?と思うのことがよくある。

だって、男が男の姿の俺を抱くなんておかしいだろう?

頑なにそれだけは譲らなかった。

そんなに男が好きなら人間の男でも拐ってくればいいのに、、、。

暫くして俺たちは別の街に引っ越す事になった。

まぁ、俺には選択の権限のないのだからどうでもいいのだけど。

少しくらいこの町に愛着ってもんが有るんだから、早めに教えろって。

「どうせ、外には出れないじゃない?」

「お前が出さないんだろうが?」

「そうだね、逃げられると困るからね」

平然といって荷物をまとめた。そしてその日のうちに町をでた。

その日の夕方にミケ率いる役人がその部屋に訪れたのは後のことである。


街を変えてから暫くたったある日の朝、目覚めると首に鎖が付いてないことに気づいて慌てて着替えると外に飛び出した。

このまま逃げれる。よーし好きなところに行ける。

勢いよく飛び出したはいいが全く知らない街を歩いてても面白くない。

最初は探索しようと思いウキウキしながら探索していたのだが、どうにもつまらない。

人の姿で歩いているのだがどうにも人の視線が怖く感じてしまう。

なぜだろう?

「君も一人かい?」

いきなり声をかけられてビックリして距離を取った。

「一人なら僕に付き合ってよ」

「一人じゃねーし」

なんなんだよ。この男は、、、寛貴みたく男好きなのか?

そんな変態冗談じゃない。

咄嗟に走り出した。とにかく撒こう。

何だか視線が痛い。うすら寒い気配が周りを取り巻いている感じがして薄気味悪い。

男の子の姿に変化して散歩しているのだから安心だと思ったんだけどな。

人間ってわかんねーの。

結局行くところもないので元の部屋に戻ってきてしまった。

うーーー入りずらい。

あんなに外に出たかったのに、この街はどうにも嫌な気配しかしない。

玄関の扉の前に座り込むと膝を抱えた。

なんか気まずいしなぁ~戻って来るんじゃなかったかな?

すると玄関でものが倒れる音がして中が騒がしくなっていきなり扉が開いた。

「拓実!」

「なんだよ」

「どっかに行ったのかと、、、よかった。無事で」

ぎゅっと抱き締めると部屋に連れて行かれた。

「勝手に外には出ないで。何があるかわからない危険な街なんだから」

「そんなとこに連れてきたのかよ」

「だって、部屋から出さなきゃ安全かなって思ったから」

よしよしと頭を撫でられながらホントに心配されてたのかな?と思った。

「この街、歩いてるとピリピリして気持ち悪いんだよ」

「それで帰ってきたの?でも、良かったー帰って来てくれて。どこかに行きたいなら俺が案内してあげるよ。二人なら怖くないでしょ?」

「うん」

その日以来首輪を付けられることは無くなった。

そして、俺も一人では外に出歩くことも無くなったのだ。

でも、たまに血の臭いを漂わせて帰って来ることが増えてきた。

「なぁ?そろそろこの街を出ねー?」

「なんで?」

「なんかあぶねーじゃん。ここにこだわる理由でもあんのか?」

「ないよ。でもここって結構稼げるから~」

「怪我ばっかしてくんじゃん」

「心配してくれるようになるなんて嬉しいなぁ~」

「知らねー勝手に言ってろ」

それからは怪我をしてくると俺が手当するようになった。

手当されている間は終始ニコニコしているので一発どつく事にしている。

全く何が嬉しいんだか。


それからは毎日普通に人間の暮らしをするようになった。

猫の姿になるのも少なくなった。前だったら一日中猫のままだったのだが今は人の姿を保つようにしている。そのうちに人になっている時間も大分と伸びてきた。

「ただいまー」

「おかえり、、、なんだよ?」

「いや、なんかいいなぁって思って」

「ばーか」

なんか俺も人間みたいだって最近は思えてきていた。

多少はご飯も用意出来るようになった。

寛貴が色々と教えてくれるので、ある程度は自分で何とか出来るようになってきた。

そして、寛貴が初めて他の人間を連れてきた日があった。

「ただいまー拓実ーちょっと、おいで!」

「おかえり。何かあった?」

「この子が同棲してる子?」

「なんだよ、そいつ」

「う~ん。人間?」

「なんて説明するんだ❗寛貴の友達だよ。君は寛貴の恋人なんだよね?」

「恋人?」

「あれ?違ったの?」

「ちょっと、違うかな」

笹山という男は何を思ったか俺を恋人というものだと思ったらしい。

「なぁ。恋人ってなんだ?」

「お互いの事を好きだって思いあうことかな?」

「ふ~ん」

飯を食べたあと寛貴と何かを話し合っていた。でも、俺にはなんのことかわからないので先に寝ることにした。後で寛貴が布団に入ってきて寝ている俺を起こしてくる。

眠いっつーの。今日は寝るの。

反応せず、無視する。すると諦めて抱き枕にされるだけですむ。

下手に反応すると暫くは相手をさせられる。

たまにならいいのだが毎日となるとさすがに俺のスレンダーな体格がふとっちまう。

だから毎回はパス。ようやく諦めたか、、、。

明日は相手してやるから今日は大人しく寝とけ。

朝起きるともう寛貴は出掛けた後だった。

一人では飯にして部屋でごろりと寝転がる。すると入り口のドアを叩く音がした。

コンコン。コンコン。

「拓実君いるかい?」

あれ?この声は笹山さん?

「寛貴は一緒じゃないの?」

ドアを開けるとなんで一人でいるの?と聞き返した。

「寛貴がちょっと、へましてね。もう助からないかも知れないから拓実君に来て欲しいんだ」

「嘘だろ?どこにいるんだよ」

「こっちだ。早く!」

俺は気付けなかった。人は嘘を当たり前につく生き物だったということを。

人気のないとこについてきていた。

「寛貴はどこにいるんだよ」

「もうすぐ来るよ」

「???」

建物の影から何人かの人間が現れた。

「騙したのか?」

「人聞きが悪いな。俺たちと楽しんでいればすぐに寛貴が迎えに来るよ」

「これが寛貴のこれか?」

一人が小指を立ててニヤニヤと見てくる。

「女に興味がないって聞いてたがそっちの趣味があったとわな」

「俺はどっちでもいけるから楽しませて貰うぜ」

とにかく逃げなきゃと思った時には男達に囲まれていた。

「逃げられると思ったか?」

「卑怯者。群れないと何も出来ないのかよ」

「いってくれるじゃねーか。捕まえろ」

「おお」

男達の間をすり抜けざま金的を蹴りあげて逃げ出した。

「待て!このヤロー」

「誰が待つかよ!」

するとヒュッっとなにかが肩に刺さったが気にせず走ろうとして目の前が揺らいだ。

「あれ?」

気付くと倒れていた。なんで?動かない。

動揺していると近くに笹山が寄ってきて俺の体を持ち上げ仲間の所に連れ戻されてしまった。

「お前ら何やってんだ。とっととこいつを壊せ」

「わりぃ、まさかこんなにすばしっこいとは思ってなかったもんで」

「俺が最初でいいな?」

「じゃー次は俺が貰います」




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