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君と共に・・・  作者: 秋元智也
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再会と拉致

寛貴は拓実の面影を求めて猫又を探し出す。記憶のない猫又は自分を怖がってしまう

せっかくの一緒にいられそうだったのに。つい、逃げてしまった。ミケのところに帰ると人間の男を連れ込んでいた。

「入りにくいっつーの」

窓をガラッと開けてミケと目が合うと『入っておいで』っと手招きされたがあえて無視。

窓を閉め直すととぼとぼと歩き出した。

ただ、人の多いところを歩くときは人間に化けているのが一番の安全なので今は男の子の姿に化けて歩いている。昨日とは見た目も感じも違うのでばれるはずはないだろうと思っている。

髪も短く短髪で、瞳は猫だった時とおなじ紫暗。きつく見えるつり上がった目が女心をくすぐるのだと、ミケはいってたっけ?身長も昨日よりは高め。

どっからどうみても大丈夫。尻尾も耳も隠してある。

時間切れにならなければ平気。

昨日生気はいっぱい食べたしお腹は余り空いていないし、ぶらつくだけなら暇潰しになる。

温かいところを探して日向ぼっこしようと考え、川沿いの土手にねっころがった。

風が心地よくて気持ちがいい。

日向ぼっこを楽しんでいると影がいきなり遮った。

「なんだよ?」

うっすら目を開けると昨日の寛貴と名乗った男がこちらを見下ろしていた。

「えっ、、、なんで?」

「拓実だよね?昨日とはまた感じが違うね?」

「人違いだろ?」

「違わないよ。一回見れば間違わない。男の子だったの?それとも昨日のがホント?」

「知らねー」

ぶっきらぼうに答えると体を起こそうとしたが、草むらに押さえつけられて動けなかった。

馬鹿力。

「ふざけんな。離せよ」

「俺のとこに来るんだったら離してあげるよ」

「はぁ?ふざけんな!!」

「まぁ。このまま、無理やり連れていってもいいんだけど?」

こいつは本気でやろうとしてることに気づいて寒気がした。せっかくの自由が奪われる。そんなの嫌だ。

誰かに飼われるなんてまっぴら御免だ。檻に入れられて身動き取れなかったときの事を思い出して背筋が凍る思いがした。

知らず知らずのうちに恐怖からか涙が伝う。

寛貴は辛そうな表情で涙を掬うが押さえつけた腕や足ををどけてはくれなかった。

「どうする?大人しく着いてくる?」

「なんで?わかんの?」

「ずっと、待ち焦がれてたからかな?」

「???」

その時遠くからミケの声がした。こちらに駆け寄ってきていた。

「ちょっと、あんた。その子を離しなさい!」

「おたくは、だれ?」

「その子の保護者よ」

「じゃあ。君も人間じゃないんだ?」

「!!」

観察されるようにミケが目を細めると男を睨み付ける。

「それがどうしたって言うの?どっからどうみても人間のか弱い女性にしか見えないでしょう?そういうあんたはどうなのよ!何人も手にかけてきたかのような血の臭いが染み付いてる用だけど?」

「へーわかるの?まぁ、いいや。この子貰ってくから」

「待ちなさい。殺すと分かってて連れていかせると思うの?」

「殺さないよ~今度こそ大切にするんだ」

言っている意味がわからないと、慌ててミケは行き先を塞ぐ。俺はというと軽く持ち上げられて横抱きにされてる。まるで荷物を運ぶように。もちろん暴れてはいるが丸太に挟まれているようで全然びくともしない。

「ちょっと、大人しくしててよ」

「誰が、連れていかれそうなのに大人しくするやつがいるんだよ!」

「そう、仕方ないな」

腹に当たった固いものを取り出すとミケに向けた。

「お友達が死ぬのと一緒に大人しく来るのとどっちがいい?」

ミケもこれには焦ったらしい。こちらからは見えないが恐怖が伝わってくる。

このままじゃまマジでヤバイのか?

「そんな脅しが聞くとでも?た当たらなきゃなまくらじゃない?」

「試して見る?」

じりじりとお互いの距離を測るのが分かり、ピリピリとした空気が伝わってくる。

突然の体の浮遊感。腕を離されたんだと気付いた時には草むらに転がって距離を取ろうと身構えたその時大きな銃声が鳴り響いた。

咄嗟に耳を塞いだ。余りの大きな音にまだ体がピリピリしていた。風に乗って血の臭いがする。そっと目を開けるとミケが傷口を押さえてうずくまっていた。

「ミケー。」

駆け寄ろうとしたが。寛貴に捕まってしまって駆け寄れない。

「何しやがるんだ❗あんた、最低だ!!」

「いいよ。拓実さえ手に入るんだったら何でもするよ」

ミケは命に別状はないみたいだった。

しかし、このままじゃ。ホントに殺されかねない。

「着いていけばいいんだろ?勝手にしろよ」

投げやりにいうと大人しく従った。

「ごめん。ミケ」

「絶対探すから」

「俺の事は忘れてよ。代わりに他の子達を導いてやってよ」

これがミケに会う最後の光景だった。

寛貴につれられて、この街を離れたのだった。

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