突然の別れ
黒死病の元凶を倒すことに成功した正嗣と寛貴だったが。その代わりに拓実を失ってしまう。寛貴は拓実の死をどうしても受け入れる事が出来なかった。
「そいつが原因だってのか?」
「まぁ、簡単に言うとね。10年毎に病気の発生があるのはちゃんと根から枯らせてないからだろうね」
「どうやって近づくかだよなぁ」
「ボウズのスピードなら行けるんじゃないか?」
「あームリ」
「上手く行けてもその後がね。それにこれ以上の肌に傷つくるのみたくないしー」
呆れた理由を言い出す寛貴はほかっておいて、話を戻そう。今は作戦会議をやっているのだ。
なかなかいい案が思い浮かばない。3人集まれば文殊の知恵とは良く言ったもんだが全く思い付かん。
「あーぁ。いっそのこと山ごと燃やせたらいいのに~」
拓実は考えるのは苦手のようでもうやけくそにいい放った。
「「!!!!」」
「それがあったか!」
「確かにそれは良いかも」
「なんだよ?」
「やつの周りから燃やしていけばいいんだよね~」
「はぁ?」
正嗣と寛貴は早速風向きを考えて燃やす場所と量を計算しだした。
正嗣が合流したことによって爆破の補給や引火用の油も補給出来た。
「確実性を求めるなら燃やす本体にこの油をかけてやればもっと燃え上がるぞ」
正嗣が持っているものの中では一番のものらしい。
「ただし確実に本体に当てろよ」
「うーん。近くなら当たるんだけどなぁ~ほら、この前のあんたの武器も的外れて木にめり込んじゃったじゃん?」
「って、当てる気だったのか?」
危なかった。あんなもの当たってたら今ここにはいなかたぞ。
まず、作戦はこうだ。
やつの回りに火を起こして取り囲む。次に火をだんだんと中に燃え広がるように油を蒔いて誘導する。
それから弱ったところに特性の油を本体にかけて逃げる。安全圏に入ったところで例の特性火炎弾を投げつける。
「油を本体にかけるのはボウズ行けるか?」
「あぁ。援護ちゃんとしろよ」
「なーに生意気言ってやがる」
拓実の頭をグシャグシャっと雑に撫でると寛貴から凍りつきそうな冷たい視線が投げ掛けられた。
心が狭いぞ寛貴。
「ちゃっちゃとやるとするか」
「了解」
「そーねー」
3人は作戦に取りかかったのである。正嗣にとっては始めてみる人食い植物だけに多少は驚いたが、それ以上に仲間を殺された恨みの方が強かった。
炎で囲っていても飛来する消化液には苦戦した。根っこでの攻撃は格段に速度が落ちていて難なく避けるにはさほど苦労はしなかった。
燃え広がる炎の調整も上手くいって、あたかも順調にいっているように見えた。
だんだん動きが鈍くなる。今とばかりに拓実が飛び出していき液体の入った瓶を投げつける。
ちゃんと目標通りに命中し撤退しようと振り返った瞬間に銃声が鳴り響いた。もちろん寛貴ではない。
拓実の体は前へと倒れかけそこに根っこが突き上げたのである。
「「!?」」
「かはっ・・・」
「拓実ー」
「早く投げろ!」
拓実の言ってることがわからないというように寛貴は首を振った。
「そんなこと出来ない」
すると反対側の木の後ろから一人の人間がおどりでてきた。
「やったぞ。ざまぁ~見やがれ。死神、お前の大事な者はもう助からないぞ。どうした?助けに行くか?」
言い終わらないうちに拓実は持っていた手榴弾を投げつけた。
その間にも拓実の体を貫く木の根は肉を突き破り絡み付いていく。
「うぐっ・・・早くしろよ。無駄死にさせたら許さないからな!!」
正嗣はとっさに寛貴から火炎弾を奪い取り投げつけた。
寛貴ははっと我に変えるともう手遅れであるのを悟った。
ゆっくりとしかし、一直線に拓実の方へと向かう火炎弾。多分着弾すれば爆発と共に一気に燃え広がる。
拓実をも巻き込んで。まだ、生きてるのに。
拓実は寛貴をまっすぐに見つめていた。
「生きろ。絶対に死ぬなんて許さないからな!」
彼の言葉を最後まで聞く前に大きな爆発音が辺りに鳴り響いた。
耳をつんざくような音と火柱が上がった。
「た・・たく・・・み。たくみーーー」
寛貴は炎の中へと駆け出していた。
「おい、もうやめろ!」
正嗣に止められるがそれでも駆け出さずにはいられなかった。
絶対守るって言ったのに。側を離れないって誓ったのに、、、家をたてて一緒に暮らそうって、、、
「もう助からない。死んだんだ❗」
「誰が?死んでない?死んでなんかいないよ?」
「しっかりしろよ」
何物も寛貴の目には写っていなかった。




