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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.01 タイムリープは1日1回5分まで
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2-1.薔薇の花を咲かせる


こうして4月7日。

ついに始業式。

そして僕の高校2年生の生活が始まった。


事前に発表されていたクラス2-F組の教室に入る。


僕の高校は成績に応じてクラスが振り分けられる。文系・理系の授業については、移動教室にて各々が散らばる形式となっている。




「よお、また一緒だな。腐れ縁?」

僕の顔を見るなり、話しかけて来たのは、トウマである。

トウマとは小学校から同じクラスが奇跡的に続いている。


こんなにも同じ時を過ごしているが、僕とトウマはあまり仲が良くない。


言わば、トウマはクラスの中心メンバーだ。

サッカーなどというモテる事が約束されたスポーツをしている。身長も高く、髪も短いが爽やかだ。



そう、僕とは対照的な人種。



小学生の頃は何も気にせず遊んでいたが、僕が内気な趣味に走ると同時に、トウマは離れていった。


正直、同じクラスというのは嫌だな、というのが僕の気持ちだ。

早速トウマは〝似たような人種〟を何人か見つけ出し、楽しそうに話している。



そんな僕の肩を叩く、さえない友人。


茂木もぎくんだ。


昨年から仲が良い。

僕はだいたい茂木と話している。少なくとも高校1年生時点では、彼との会話やカードゲームなどが高校生活と言っても過言ではない。


正直、同じクラスである事が嬉しい。



「新作パック買った?」

新作パックとは、カードゲームの話である。

「買うの忘れてた!」

茂木は新しいクラスの事よりも、カードの事を話題に出してくる。そんな所もなんだか居心地がいい。

「今日、帰りに行こうぜ?」

「いいね!」


そんな話をしていると、僕は教室に入る女性に目が行く。




とても姿勢の良い歩き方。



凛とした顔立ち。



肩に掛かりそうな黒髪ストレート。



清楚なのに、少し短いスカート。



あれ、少しお化粧したのかな?



もっと綺麗だ。



高嶺依子たかみねよりこさんが教室に入る。

もしこれが漫画やアニメならば、間違いなく僕は背景に薔薇の花を咲かせるだろう。


他の男子生徒たちが騒ぎ出す。


(マジか!ヨリコ様と同じクラス!?)

(最高すぎるだろ!)


高嶺さんは、裏でヨリコ様と呼ばれているみたいだ。

ファンクラブがあるという噂は、噂の域を出ないが、とにかく学内ではアイドルとかお嬢様のような扱いを受けている。



学年中、いや、学校中で高嶺さんを好きな人は多いはずだ。



僕もそのひとりだ。



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