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1-6.天秤にかけて
圧巻の景色。
僕と天使以外の風景が歪み、巻き戻されて行く。
バスは後退し、時計台の針が逆に動いて行く。
11時26分。
11時25分。
11時24分。
「あ、戻されるよ」
天使が言う。
僕と天使は何かのよく分からない力で、駅前から途中の道路まで押し戻された。
周りの歪みが消える。
僕は時間を確認する。
11時21分。
ほ、本当に戻っている!
今度ばかりは、疑ぐり深い僕でも信じる事しか出来ない。
「どう?信じれそう?」
「は、はい。。。」
「やってみる?」
ーーー簡単に言われても。
ーーーラブアシスト制度。
ーーーいや、確かにタイムリープは出来るし、天使はいたのかもしれない。
ーーーでも、だからと言って
ーーー僕の生活を変える必要があるのか?
ーーー僕は、僕の人生を変える勇気に対する怯えと
ーーーおっぱいを天秤にかけていた。
おっぱいだ!
「やります!」
僕は、ラブアシスト制度に同意した。