2-7.親睦会で僕たちは別れる
緊張の手汗が止まらない僕は、トイレに行き、丁寧に丁寧に手を洗う。
こうしてトイレを出るうちに、ローラースケート対決の勝敗は決まっていた。
なんと、僕の所属チームが優勝!かつトウマのチームが3位にも入っていなかったのだ。
そうなると、最終種目のフットサルを残して、トウマチームとの点差は2点。
これはつまり、僕のチームが優勝し、トウマのチームが4位か5位である必要がある。トウマはイケイケサッカー部なのだ。勝てるはずがない。
と、僕が色々考えているうちに、なんとフットサルコートには僕たちのチームとトウマのチームが向かい合っていた。
なんと、初戦でぶつかる事になったのだ!
そこから僕は、何がなんだか分からないうちに負けていた。
負けが確定したのだ。
そうか。
僕は色んなことを考えていた。
勝ち進むトウマチームの試合を観ながら、考えていた。
そもそも、女の子を巡っての勝負で、僕に勝ち目なんて無かったのだ。
トウマはイケイケスポーツマン。僕はカードゲーム大好きマン。
僕が女の子でも、トウマを選ぶ。
これが現実なんだ。
別に僕は僕を嫌いじゃない。でも、恋愛においては劣っているわけだから、そもそもでしゃばるなんて事はしちゃいけないんだ。
七星に出会い、ラブアシストを使い、高嶺さんとお近づきになり、七星と嘘の付き合いをしたり、八巻さんのパンツを見たりもした。
これで充分なんだ。
充分な学生生活を謳歌している。
「おい」
トウマが話しかけて来た。
気がつくと、表彰式が終わっていた。
結局、トウマのチームが優勝したのだ。
「約束、覚えてるよな?」
「う、うん」
そうだ。
当初は七星と喧嘩別れの予定だったけど、トウマのチームが勝ったら、トウマに七星を奪われるのだ。
どちらにしても、親睦会で僕たちは別れる。これは決まっていた、決めていたことだ。
【Chapter.03 親睦会で僕たちは別れる】
「帰り、ちょっと付き合えよな」
「うん」
会話する2人に七星が割って入る。
「トウマ・・・その・・・」
「七星ちゃん、覚えてるよな?約束。今すぐコイツと別れて、俺と付き合ってよ」
少しの沈黙。




