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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.01 タイムリープは1日1回5分まで
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1-4.メールでチャンス


次の日。つまり3月の26日。


朝起きて、母さんの作るご飯をみんなで食べる。父さんは朝早いらしく、今日は食卓にいない。妹と僕と母。


唯一会話のできる女性、2人。


「今日は何してるの?」

母さんは毎朝僕らの予定を確認する。


「私はみーちゃんとカラオケ行くよ」

3つ違いの中学生の妹は気楽で良いものだ。

「もしかしたら出かけるかも」

僕は焼き魚をほぐしながら話す。


もしかしたら出かける、は大体出かけない、


僕はクラスで毎日会話をする友達はいるけれど、休日に遊ぶということはあまりしない。


ひとつは、周りの友達も自分と似たような性格故に、休日は引きこもりがちなのである。

ふたつは、私服を見られるのが嫌だからだ。中学生の時、僕はクラスメートに私服をバカにされ、それがトラウマなのだ。



妹は僕と違って明るい。

何故か競うように、僕は出かける可能性があるように答える。




ーやっほー。今日暇?昨日の続きしよー



朝食を終え、部屋に戻ると、メールが来ている。昨日の天使だった。

やはり夢では無かったのだ。




ー今日は用事があるから、ごめんー



僕はメールを返してみる。

女子のアドレスなんて知らない。はじめての女子へのメールだ。



断りのメールを送った後に、何故か後悔する。



ーーー昨日の話が本当なら?



僕はたった一通のメールでチャンスを逃すのだろうか?



またしてもメールが来た。




ーいま、メール送らなきゃ良かったって思ったでしょ?こういう、やり直しもラブアシストで出来るんだよ?悪い話じゃないと思うけど。ー



僕はあの天使に心を見抜かれているような気がした。



ー私が欲しいのはラブアシストを受けます、って同意なの。同意さえ貰えれば私も頑張るから。ー



僕はメールを返す。



ーもう一回、タイムリープを見せてよー



ーだったら早く加津代食堂に来なさいよー



また、加津代食堂か。

僕は着替える。


今日の私服は二番目にカッコいいと思うやつだ。

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