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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.02 それを使う人たち
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4-4.ハートが無い

翌日。6月2日。


いつもの様に登校し、数学の授業前は少しだけ高嶺さんと会話し、気がつけば放課後。

僕と茂木はカードショップにいた。


ふたりで向かい合い、カードゲームで勝負をしながら、話を始める。



「茂木、昨日のって」

「どうやらお前も俺と同じ状況なんだな」

「て、天使?」

「ああ。俺も祝福を受けている。アシストだな」



やはり、茂木もラブアシストの被験者だった。


続けて茂木は語る。

「お前と七星ちゃんの関係が、奇妙だったからね。そこから疑い始めたんだ。信頼出来るお前だけに言うよ」


茂木は、自分のラブアシストの力を語る。



「カッコ良く言えば、ラブ・アロー」



ラ、ラブアロー?



「俺は、矢印が視える。お前からは三本、矢印が出てる。高嶺さん、七星ちゃん、八巻さんだ」

「えっ」



ぼ、僕の好きな人たちだ。



「ぼ、僕の気になる人たちだ!」

「そう、俺は恋愛の人物相関図のようなものが視えるんだ。片想いなら一方的な矢印。両想いなら両矢印。付き合ってるなら、両矢印にハートがつく。お前らにはハートが無かった。GWゴールデンウィーク明けに急に付き合いだして、お前もラブアシストの被験者だと勘付いた。以前、ここで本当に付き合っているの?って聞いたのもそれだな」


なるほど。


ハートが無い。

付き合っていないから当たり前だ。



あれ?ハートが無い?

ハートは無いけど、両矢印だったのか?

気になる。


「や、矢印は・・・?」


「おいおい、俺の秘密だけじゃなくて、お前の事も教えてくれよ」

「ぼ、僕は・・・」



僕はタイムリープの説明をした。

1日1回5分までしか使えない事。七星が天使で身体に触れないと使えないこと・・・などなど。

タイムリープなんて誰も理解してくれるわけがないと思っていた。なぜなら証明が出来ない。しかし、茂木は分かってくれた。



「なるほど、それであの日、高嶺さんにフラれた後に七星ちゃんとハイタッチしたのか」

「でもその日、タイムリープは起きなかった」


茂木は少し考えている様子だ。


「俺はお前の告白を見てた。ずっと矢印が出てたのを覚えている。もし、仮に天使の祝福が無効化出来るのならば、俺の矢印も見えなくなったはず」



なるほど。



「つまり、故意にお前だけのタイムリープを無効化出来る力を持つ奴がいるという事じゃないか?」


その通りなのだが、なんだか今日の茂木はすごく頼もしいぞ!


ただ、それより。


「と、ところで、僕に向かっている矢印とか、あるわけ?」



「ああ、悔しいけど2本あるよ」




にぃ〜、にほん!?


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