3-5.自己申告
『ラブアシスト制度が始まってから、この手の質問がとても多く、我々も困惑しております。天使の祝福というのは、事前に力を与えるタイプもありますが、身体に触れなければ使用できないものもあります。異性の関係において、スキンシップがあれば、自然に恋に落ちてしまうこともあります。天使の性格や祝福の内容によっては、キスをしなければならない場合があります』
『我々もルールに欠陥があったことを認めますが、守らなければなりません。天使に恋をしてはなりませんが、そもそも恋がどこから始まるのか、それも説明し難い。そういうわけで現在は担当天使からの自己申告にしております。』
ーーーえ?
ーーー自己申告制?
天使からすれば、自身も違反になるわけだから、自己申告なんてする訳がないじゃないか。
『とはいえ、そうなれば担当天使は被験者を守る為に、申告を行わない、と思われるでしょうか。それでも申告は多くあります。それは、天使が辛いからです。』
「天使が、辛い?」
『天使もまた、人間に恋をしてしまうからです』
『天使は、あなた方の感覚とは異なりますが、恋をします。昔からの課題ですが、我々は決して相容れない存在なのです。大きな理由は、身体的特徴です。天使は人間の形に擬態しておりますが、生殖器はありません。人間と天使が恋に落ちてしまえば、極論、人類は滅びてしまうのです』
天使は人間に擬態してるのか。
七星が出会った日におっぱいを触っていい、と言ったのもなんとなく理解できた。
『と、いうことから、我々の方で、今回のルールとして、人間と天使が両想いになったらダメ、という事にしております』
両想いか。
僕は七星を好きだけど、七星は僕の事、どう思っているんだろう。
天使もまた、人間に恋をする、そう言われてしまうと、なぜだか余計、好きになってしまう。
僕は電話を切り、少し考えた。
よく考えれば、なんて不自由な制度なんだろうか。
恋愛に前向きになってもらおう、っていうのは分かるけど、好きになってしまう相手が天使なら、その恋は実らない訳だ。
茂木が七星の事を好き、と言うが、あれも実らない。そういう事になる。
これからどうしよう。
タイムリープも大事な場面で使える保証がないし、今僕は七星と付き合っている事になっている。
まぁつまりは高嶺さんが遠い。
やはり七星と別れた事にして、全てやり直すべきなのだろうか。
ーーーん?
あれあれ、自己申告制?
ラブアシスト制度を口外しちゃならないのだろうけど
これってもしかして、バレなければ良いんじゃないか?
被験者を探し出す事は、容易なのでは?




