1-3.プラス499
「つつつ、付き合うってどういうことなの!?」
僕は七星に聞いてみる。
「あの日、アンタはどん底に落ちたのかもしれないけど、あの後、私とハイタッチしたでしょ?」
「うん。。。」
「誰かががフられて、人が喜ぶのって、2パターンしかないわよ」
七星が右腕をあげ、指を二本立てた。
すぐさま一本の指を折り曲げる。
「単なるあざけり」
確かに。
七星は続いてもう1つを説明する。
もう一本の指を折り曲げた。
「フラれたという事実に喜んでいる。事実に喜ぶその理由は2つ」
まぁ。分かる。人の不幸は蜜の味だ。
続けて七星は左腕をあげて指を二本立てた。
すぐさま一本目の指を折り曲げる。
「人の不幸は面白い」
もう一本の指を折り曲げ、七星は両手でグーを広げている。滑稽かつ、やはり可愛い。
「フラれた人が好きだった」
んー。確かに。
例えば僕の好きな女性声優がイケメンに告白し、フラれたら、心の中で喜ぶだろう。
「つまりあの日、あの後、アンタがフラれた事を確認した私は喜び、私がアンタに告白した。こういうシナリオにする。そうすればアンタはフラれたマイナス1から、可愛い私みたいな女子と付き合っているというプラス500ぐらいになる。とりあえずアンタの学校生活はプラス499」
なんとなく理解できた。
「うーん、でも、それはそれで学校生活が辛いような。。。」
それはそれでイジられるなぁと思う反面、学校での居場所を取り戻すには、これしかないと思う僕だ。
あれあれ、でも、七星と付き合う(設定)事になったら、僕は恋愛禁止になるではないか。
そもそも、ラブアシスト制度は恋愛に前向きになってもらうためだし、僕は高嶺さんとお付き合いしたいのだ。これじゃあ、現状でもダメだけど、より目的から遠ざかる。
「これしか選択肢は無いんじゃない?」
「分かってるけど。。。」
都合の良い展開だ。でも、これでいいのか、僕の人生。
その時、七星が近づき、僕の右腕を両腕でぎゅっと掴む。
「こんな感じで歩けばカップルでしょ?」
迷いは消えた。
おっぱいの感触!
おっぱい!!!!
学校行く!!!