4-4.素早い指さばき
「アンタ、凄すぎる。」
七星が率直な感想を述べる。
ここは加津代食堂。
誰もいない食堂で、僕と七星はテーブルを挟んで会話していた。
僕は高嶺さんのアドレスをゲットしたが、メールを送れずにいた。
「い、一緒に、メールを、考えてほしい」
「それぐらい、自分で考えなさいよ」
「あ、アシストしてください!」
僕は七星に頭を下げる。
「しょうがないなぁ。。。」
七星は僕の端末をパッと奪い、素早い指さばきで何かしらの文章を打った。
「送信っと」
「えっ!?ちょっと!?」
やっほー。
これだけだった。
こんなメール、高嶺さんは無視するに違いない!
と、思いきや、すぐにメールの返信が来る。
これから、よろしくね。
た、高嶺さん!よろしくお願い申し上げます。何卒ー!
僕は舞い上がる。
今日は初めて高嶺さんに話しかけ、メールをした記念日にしよう。そうだ。そうしよう。国民の祝日にしよう。
「ところで、こんな感じで案外告白すればイケるんじゃない?」
「え?」
確かに、初対面の人に、何度もやり直して話しかけ、メールアドレスをゲットしたのだ。
この感じで何通りかの方法で告白すれば、成功するのではないか?
僕は何故かそんな予感がした。
イケイケのトウマが七星にストレートにアドレスを聞いていたのも、今考えれば納得出来る。
「やってみる価値はあると思う。」
僕はリハビリ作戦から、一気に告白作戦を決行することにした。
待ってろ!ヨリコ様!
そして、4月の28日が来る!