3-3.おパンツ容疑
職員室で先生に書類を提出し、帰る。
職員室から玄関口、玄関口から駐輪場まで、八巻さんと歩いた。
駐輪場で八巻さんが語り出す。
「お昼ご飯でも食べて帰る?」
僕は固まる。思考停止。
生まれてはじめて、女子に何らかのお誘いを受けたのである。
それもお食事だとー!?
さらに、先ほどのパンツの件も解消されていないのに、僕に対してお食事の誘い!?
ま、まさか、八巻さん。。。
僕に恋心が!?
いや、考えるには早すぎる。
これは、たぶんイケてる人たちにとって当たり前の事なのだ。
いや、でもでも、パンツの件もあるのだ!
この思考、約2秒。
「そ、そうだなぁー。僕もお腹すいたなー」
僕は打ち解けたと思う人間には、仲良くしたいと思うタイプだ。パンツの件はあるけれど、最近の僕の行動力は凄い。
それに、今日は学生服だ。私服ならダサいと言われるのが怖いし、絶対に行かないだろう。
なにより、お誘いを断るのもそれはそれで辛い。
「それじゃあナルド行こうよ」
ナルドとは有名なハンバーガーショップである。
ふたりで自転車を漕ぎ、ナルドへ向かう。
やはり僕は少し後ろを走る。
後ろを走ると、風で揺れるスカートがひらひらしている。
ヤバイ!またしてもおパンツ容疑をかけられてしまう!
僕は先に行こうにもハンバーガーショップの正確な位置がわからず、並走することにした。
「優しいんだね」
八巻さんが言う。
え?なんのことだろう。
お誘いを受けた事なのかな?
「え?なんで?」
「車道側、走ってくれてるじゃん」
そんな事は気にしていなかったが、僕は褒められて嬉しい。
やはり、八巻さんは僕に恋心を抱いているのかー!?
こうして到着。
ハンバーガーショップ!