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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.F 僕は走り出す
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3-2.パンツを見せて

教室に入る。

茂木がいる。


「おはよう」と僕。

「なぁ、発表見たか?」

「なんの話?」

「今までのレアカードを収録したエクストラパックの発売が決まったぞ!」

「えーっ!」


って茂木よ!

こんな日にカードの話!?



いや、こんな日だからこそ?




「ちょっと!カードの話は終わり!」

八巻さんが割って入ってくる。

八巻さんは天使なのだろうか?

僕は分からない。

途中から僕に干渉して来なくなったのは、様子見なのだろうか。

とにかくパンツを見せてきた八巻さんとも、今日でお別れだ。



「や、八巻さん、遠くの学校に行っても、元気でね」僕は言う。

「まだ早いよ!」八巻さんは笑った。気が付けば七星が隣にいて、加代子さんもいつのまにかいて、皆が笑っていた。


「なーに話してんの?」

トウマが割り込んでくる。

オマケみたいに魚住と吉田くんも混ざってきた。


僕の席の後ろの厳島くんは相変わらず遠い目で僕らを見ている。けど、少し笑顔だ。



その塊が、大きくなっていく。



知らぬ間に美和子さんが現れ、トウマの隣にいるし、6人の転校生てんし達も、僕は誰が誰だか見分けがつかないけど集まって来た。


絵留くんも相変わらずだ。


そうやっていくうちに、なんだかよく分からないけど、クラス全員がひとまとまりになって、誰が仕切るわけでもなく、でも、何となく分かるのは、



僕は何故か、




その中心にいた。





僕は、勇気を出してみる。

勇気を、振り絞る。






「ねえ、みんなで写真撮ろうよ!」





「早いって!まだホームルームも始まってねーぞ!」トウマが突っ込む。

笑いが起きる。




丁度、担任の丹波先生が現れた。

吉田くんが先生に言う。

「ん、先生!カメラマンよろしく!」

皆が笑う。




僕らは朝から、並んで、丹波先生がカメラマンとなり、集合写真を撮影した。



「はい、チーズ!」



携帯端末のシャッター音が鳴る。



「って!先生は!?」

「えーっ、先生はいいよ。カメラ係だし」

「おまえらーっ!」




笑うクラス。




多分、みんな無理して笑ってるところもあったはずだ。




それでも、皆、多分、示し合わさなくても

悲しい気分で終わりたくない、そう思っている。



そこに高嶺さんはいないし、皆も違和感を抱いてるかもしれない。



僕はそれを、受け入れる事にした。



たぶん、高嶺さんはまたどこかで新しい人生を始める。






そう思う事にしたんだ。

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