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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.F 僕は走り出す
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2-4.無視


七星たちの転校の発表が行われてから、そして、高嶺さんが不登校になってからしばらく経ち、2月の終わりになっていた。




僕は七星を避けていた。




茂木とカードゲームに明け暮れる日々を過ごし、七星からのメールを無視して、家でゲームをしていた。



このままで、いい訳が無い。


でも、僕は3月が終わり、ラブアシストが終わるのをひたすら待った。



バレンタインにと、茂木経由で渡された七星からのチョコも開けずに机の上に置いてある。



七星は高嶺さんの事を知っているのだろうか?



加代子さんは、七星の転校に落胆しているのだろうか。


八巻さんも厳島くんも絵留くんも転校?

あの3人も天使だったのだろうか。



僕は、僕の妄想の中で他人の気持ちを考えていた。



知りたい。



みんな、何を感じているんだろう。





そして僕は、悔いていた。




あの日、高嶺さんとキスをした。




驚く事に、じわじわと高嶺さんはその容姿を変えた。



僕は人の容姿にとやかく言うつもりは無いが、今まで見てきた高嶺さんとは、正反対の見た目で、僕はたじろいた。



それが高嶺さんに伝わったのだろう。

高嶺さんは涙を流していた。



僕は何も出来ずに、その場を去った。

去ってしまった。

どこかで僕は、僕たちの人生をかき乱した高嶺さんのあの姿を、因果応報だと、思ったからだ。最低だ。僕は。

高嶺さんの不登校の原因は、僕にある。



僕のせいだ。




時間を戻したい。




5分じゃない。




1年。




いや、高嶺さんとデートをする前だ。




あれ、そういえば。。。





タイムリープは1日1回5分までってルールは、ラブアシストのルールじゃないか。




もしかして、高嶺さんがいない今、七星に頼めば、いくらでも巻き戻せるのでは?



そうだ!

僕がルール違反をしたという日に戻せば、七星の翼も戻るじゃないか!





僕は考える。


というよりは、それが最善策に思えた。



僕は携帯端末を取り出し、七星から来ていた未読のメールを開く。





ー何があったか知らない。どうして私を避けてるの?




ー話がしたい。




ーアンタに会いたい。




ーもう3月なるよ?




僕は返信の文字を打ち込む。




ー遅くなってごめん。整理がつかなくて。今からでもいいんだ、話が|





文字の途中で僕は、メール作成をやめた。




話がしたいって、話をしなきゃ。



僕は七星に電話をする。

2コールで七星は出た。



「も、もしもし?」

「遅い」

「話すには勇気が要るから」

「2ヶ月近い勇気ね」

「あ、会って、話そうよ」

「加津代食堂に来て」

「加代子さんは?」

「カヨちゃんは察してくれる。2人で話そう」

「わ、分かった」



僕は斜め向かいの加津代食堂に行くだけなのに、着替える。


今日の私服は1番カッコいいと思うやつだ。

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