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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.F 僕は走り出す
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2-1.反芻


自宅に帰り、僕は高嶺さんとの会話を思い出し、反芻はんすうしていた。


全てが繋がりつつある。


いつか、高嶺さんが朝早くあの姿でクラスにいた時、いったい何時から身嗜みを整えているのだろうと、疑問に思った事があった。


元から、あの姿を保っていたのだ。


そして、ラブアシスト制度が欠陥だらけなのは、高嶺さんが創り上げた幼稚な実験制度だったからだ。


そして僕は、七星に聞かなければならない。

大天使の事、片方の翼の事。

もう、七星には、会えないのかもしれない。

高嶺さんが僕に直接告白してきた今、果たして、3月までラブアシストが続くのかも疑問だ。


さらに、七星は僕たちの記憶が消えないって言ってたけど、これも怪しい。


だって、ある不都合が生じるからだ。


はぁ、それにしても、


僕はこれからどうしよう。

どうしたら良いんだろうか。


何より、高嶺さんがラブアシスト制度を創っていた事がショックだ。


こんな事あってたまるものか。


でも、そうだったんだ。


僕は偽りの高嶺さんに恋をしていた。


僕は内面が好きだって、フォローを入れたけど、僕はあの見た目に恋をしていたに違いない。


七星は高嶺さんの事、知ってるのだろうか。

それも分からない。



今は何もしたくない。



僕は、携帯ゲーム機を取り出し、恋愛ゲームを始める。



おそろしく、つまらない。




この可愛いヒロインも、誰かが造り上げた、虚構の生き物。喋り方も、キャラクターも、本物じゃない。やり直せる。

現実と乖離かいりした出来事でプレイヤーを楽しませるようにプログラミングされている。


それでしかない。


僕はまた、いやらしい計算を始めた。


高嶺さんは好きじゃない。

七星は人間にはなれないかもしれない。


だとしたら、僕には加代子さんしかいない。



あれ、でも、加代子さんって



トウマといい感じなんだよな。



トウマは一枚上手だったんだ。



知らないうちに、加代子さんも取られた。



僕には何も残っていないじゃないか。



偽りの僕が、偽りの力で恋愛をしていただけなんだ。




僕は涙が溢れてきた。





恋愛について、結論を出すのはまだ早いかもしれない。



僕はまた、1年ほど前のウジウジいくじなしな僕に戻りつつある。



誰とも会話しないで、3月が終わるのを過ごすのも手かもしれない。



そうやって悩む日々が続き、気がつけば、登校日!



でも僕はちょっと成長したのかもしれない。

ちゃんと学校に行く準備をしているからだ。


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