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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.01 タイムリープは1日1回5分まで
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3-1.フリーダイヤル


4月の9日。

つまり新学期の3日目。


お昼前の最後の授業を目前とした、休み時間。

というより今日は午前授業なので、本日最後の休み時間だった。


僕はちょっとずつ、七星に話しかけていた。


もちろん、僕らの関係は秘密であるわけなので、初対面のフリをしながらだ。

七星はそのおかしさにたまに笑うこともある。その度、笑顔が素敵だと僕は思う。


そんな感じでちょっとずつ七星に歩み寄る僕だが、七星はクラスの女子達とすぐに打ち解けていた。


どうやら、僕と七星でカラオケに行った翌日、早速みんなでカラオケに行ったらしい。



「そうだ、これ」



七星が紙をこっそりと渡してきた。



(これ、エンジェルコールセンターのフリーダイヤル。私と連絡つかないときにかけて)



七星のアドレスは昨日聞いていたが、これとは別らしい。


(え、なに、これ、コールセンター?)


(私だってずっとあなたにつきっぱなしって訳にもいかないでしょ。困ったらまず電話してみて)



僕と七星がそんなヒソヒソ話をしていると、トウマが目の前に現れた。



「なーに、話してんの?」



いやな、簡単な入り方だ。

一応幼馴染の僕が七星と仲良しだから、トウマは、僕を踏み台にして七星と仲良くなろうと言う魂胆だな!?



「つ、次の授業についてだよ!ほら、先生の口癖が独特じゃない?」


「あー、確かになー。」

トウマは僕の話に興味が無いようだ。


「ところで七星ちゃんアドレス教えてよ」



な、なにぃー!!!!

トウマの強引すぎるカットインに僕は驚く。

さらに、七星も何事もなく教えている。どんな状況なんだ!これは!?


それに驚いているうちに、隣の茂木に話しかけられ、僕は茂木といつも通りの会話を始めた。トウマと七星は楽しそうにお喋りをしている。


休み時間の終わるチャイムが鳴る。

皆が席に着き、授業が始まった。


「早速だが実力テストをしちゃいますよん」


よんを語尾につける数学教師はそんな事を言い出す。

しまった!勉強なんて何もしていない!ピンチ!


ーーーーーーーーーー


テスト終了後、担任の先生が現れ、ホームルームが始まるが、今日はクラス当番を決めると言い出した。

高校生にもなって、クラス当番というシステムがあるのは嫌なのだが、なんと当番に任命された人は掃除をしなくて良いという特典付きなのである!


クラス当番は、報告係、黒板係、出欠確認係、などなど、先生の面倒ごとを代行する役割が殆どだ。


挙手制で決めていくらしく、僕はそういうのが嫌なので、週替わりの掃除当番でいいかな、とも思っていた。



「黒板係やりたい人!挙手!先着2名!」



ちなみに黒板係とは始業と終業の時のみ、黒板を拭く係である。その他の黒板に関しては、各教科の担当が行うのだ。

国語係なら、国語の授業前に掃除、など。


トウマと七星の手が挙がる。即決!

よりによって、何故この2人なのだ!

なんだか、ムカつく!僕はムカついたが、割り入る勇気もない。悲しい!



「次!報告係!」


報告係とは、クラスの行事やらなんやらの決まり事を先生に伝える係の事らしい。言うてタイミングはそんなになく、楽な係なのかもしれない。

たまたま斜め前方向にいる、高嶺さんを見ると、ごそっと動いている。



ーーーまさか、高嶺さんが挙手するのか!?



ーーーそれなら、僕もやるしかないのか!?



ーーー高嶺さんに近くには、これしかチャンスはないぞ!僕!



僕はスパっと手をあげる。

自分を褒めてあげたいほどだ。昔の自分にはない行動力。


そのとき、目の前の席の女の子

確か、名前は八巻さん。

八巻さんの手が挙がった。



「はーい、んじゃあ報告係決定〜」



高嶺さんはポケットからハンカチを取り出していた。

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