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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.09 七星瑠奈
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3-2.カッコいいと思うやつ

1月2日。


僕はあまり眠れなかった。


「出掛けるからお風呂はいる」

母さんにそう伝えると、母さんは目をキョトンとさせて驚いた。


「朝からお風呂なんて、頭おかしくなったの?」

「で、出掛けるから、風呂入って、髪を洗うんだ!」

「んまぁ!!!」

マーベラス!という表情をする母。


僕は昨日の残り湯を追い焚きしながら、シャワーを浴びて髪を洗う。


鏡と向き合う。


いつも冴えないこの顔が、いつのまにかちょっとだけ、


ちょっとだけだけど、格好良く見えた。


だって、銀河一可愛い女子とおデート出来る僕だぞ。


髪を洗い、体をなぜかご丁寧に洗い、体を流し、まだ温いままの湯船に浸かる。



顔の半分を水面下に入れて、ぶくぶくぶくと口から空気を送る。



高嶺さんは今日、どんな気持ちでいるんだろう。


どうして僕を誘ってくれたんだろう。


僕がクリスマスデートに誘って、断りを入れたから、その代わりなのだろうか。


それとも僕がクリスマスデートに誘って、もしかしたら告白されるから、でも旅行があるから断ったけど、自分から誘ったのかな。だとしたら高嶺さんは告白を受け入れてくれるのだろうか?



そんな妄想を巡らせながら、僕は髪を乾かし、控えめの整髪剤で身嗜みを整え、服を着る。




今日の服は、一番カッコいいと思うやつだ。




僕は家を出る。

予定より少し早く、家を出た。


僕たちの住む地域の1番近い神社にお参りに行く約束をしている。


僕はずっとずっと、ドキドキしながら、歩き出した。


そうか、


この感覚は、七星や加代子さんからは得られない。




本当の恋って、そういうものなのかもしれない。



一駅分、電車に乗り、歩くと、神社付近から混雑していた。こんな人混みの中から高嶺さんを見つけられるのだろうか。

僕は不安になる。



しかし、少し早めに到着したというのに、既に高嶺さんは来ていた。



そう、この人混みの中に於いても、光を輝き放つその女性を見逃すわけが無かった。


僕は手を振る。


高嶺さんが微笑む。



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