1-2.カラオケ
人間界には何度も行ったことがあるけど、学校っていうコミュニティで生活に馴染むのは苦労した。
私の格好はどうやら人気で、私はその集団の中心にいるような気分だった。でもその集団に、アイツはいなかった。というより、避けていた。
人間のコミュニティってやっぱりなんかヘン。同じ箱に長時間いるのに、仲良いとか良くないとか、そういった分離が起きるから。
「七星ー?カラオケ行く?」
「カラオケ?」
「カラオケ!」
「なにそれ?」
私の周りは大爆笑。
どうやら人間の常識のようだ。
そこで私は、悔しさを覚えた。人間の感覚で言う悔しさ。
だから無理矢理、集団の外にいるアイツを連れ出してカラオケに行った。
へんなやつ。
アイツは集団に混ざるのが怖くてビクビクしてた。イクジナシって人種は生きるのが大変。そんな事を学んだ。でもアイツは私にカラオケのやり方を教えてくれた。
笑わずに。
私もアイツの為にサポートをする事に決めた。
アイツがその眼差しをいつも向けている女性、高嶺さん。
高嶺さんに近づくためにサポートをした。
何度も何度もやり直して、やっとメールアドレスをゲットしてた。
人間の感情は分からないけど、そんな感じで告白すればハッピーになるような気がして、あいつに告白するよう言ってみた。
そしたら、アイツも単純で、高嶺さんに告白をした。
してしまった。
私のタイムリープでやり直しが効くっていう保険があったから、とにかく勢いで告白した。
そして告白に失敗し、タイムリープは効かなかった。
アイツはあの集団での地位が脅かされて、不幸になってしまった。
私が適当な事を言ってしまったせいで・・・
だから私はアイツに提案した。
アイツがまず、学校生活を取り戻すために出来ることを。
私とウソでいいから付き合おうって。
私も
その時は単なるサポートでしかなかった。
でも。。。




