3-1.見てみる
ファミリーレストラン。
長方形の座席に、僕と七星が隣同士、僕の向かいに二楽くん。その隣が茂木。凄く奇妙な配置だ。向かいの二楽くんを見てみる。やはり整った顔立ちだ。
どこか絵留くんを彷彿とさせる。
僕よりも茂木が興味津々なようで、二楽くんに色んな質問をしている。
ー6つ子って考えてる事同じなの?
ー違うな!
ーなんでこの時期に転校?
ー親の都合だな!分からないよ!
ー趣味は?
ー対戦格闘ゲームだよ!
ー他の5人と仲良いの?
ーまぁまぁだよ!
僕は、直接的に質問を投げかけてみる。
「どうして6人でこのクラスに?」
「命令だからな!親の」
命令。。。
「ソ、ソウナンダ!」
し〜ん。
やはり、会話のやり辛さはどこか絵留くんを彷彿とさせるものがある。
「ところで皆さん、学園祭はどうだったよ?」
唐突な二楽くんの言葉に、僕は心臓を掴まれたようなドキドキに襲われた。
どうして急に、学園祭の事を・・・
「いやぁ〜、高嶺さんが最高だったよ」
茂木が言う。そ、そうだ、変な会話をしてはならない。
「ソソソ、ソウダネー!!ミンナカワイカッタヨー!!!」
「なんか事件とか起きなかったのかよ?」
二楽くんが言い出す。
やはり怪しい。なんなんだ、コイツは!
「私の水着がNGだったことかなぁ」
七星が言う。たしかに僕らの期待を裏切る事件であった。
「ふーん」
またしても会話が途切れた。
何かモヤモヤする。
掴み所も無い、凄く監視してるわけでもないし、けど学園祭の事を聞いてくるし、なんなんだ、彼は。。。
タ、タイムリープをここで使ったら、どうなるんだろう。。。
もしも二楽くんが監視役とかなら、タイムリープを把握出来るのでは無いだろうか。
あの歪んだ景色に現れるのでは無いだろうか。
やってみるか、タイムリープ。。。
何事も無ければそれで終わりだ。。。
と、考えた刹那
「なぁ、正直に話そうよ」
にやけた二楽くんが僕らを見て言う。




