2-5.やだなぁ
「ナイスファイトだったな」
茂木が僕の背中を叩いた時、意識が戻った。
そうか、僕は・・・
って、七星、何故タイムリープをしてくれなかった!
どうやら茂木が追いかけてきて、七星と茂木で僕の会話を聞いていたようだ。
高嶺さんは倒れた僕を介抱してくれた様だが、七星に促され、先に帰ったようだ。
そうか。。。
高嶺さんとのクリスマスデートは無しか。。。
僕の頭の中の妄想は、砕け散っていた。
色々な妄想、ウィンドウショッピング、プレゼント交換、聖なる夜、恋人はサンタクロース。。。
パリーン
その日、僕と茂木と七星はヤケゲーセンに行く事にした。
いつもなら加代子さんもいたはずだ。ちくしょう!トウマァッ!!!
いつものゲーセン。いつもの格闘ゲーム。七星が僕の後ろに立って観戦している。向かいには茂木だ!
僕は凄いコンボを決めて茂木を叩きのめす!
対戦格闘ゲームは負けた方が再度挑戦したい場合はお金を入れてチャレンジするのだ。
またしても対戦が申し込まれる。
僕は日本人格闘家。あっちは相撲取りか。
僕は思いをコマンドにぶつけるも、今度はボコボコに負けてしまった。
「やるな、茂木!」
ってあれ?
茂木と七星は2人で僕の勝負を眺めていた。
「この程度かよ!」
向かいの筐体から顔を出してきたのは、6つ子のうちの誰かだった。
「き、君は。。。」
「やだなぁ、そろそろ覚えてくださいよ。二楽だよ!」
榎木二楽くんだった。
僕は寒気がした。
いつもなら、干渉して来ないはずの6つ子が現れたからだ。放課後、このタイミング。もしかしたら、後をつけてきたのか?
「お、お強いですね」
「すぐに慣れちまったよ!簡単だなゲームってよ!」
微妙な空気感になる。
自分の強さを誇る転校生、天使の七星。被験者の僕と茂木。さまざまな気持ちが交錯している。
「6つ子くん、うまいね!」七星が適当に喋り出す。
「いつのまにこのゲーセンに?」茂木が話しかける。
「たまたまだよ!」
そう言いながら二楽くんは格闘ゲームを通常プレイする。
チャンスなのか、なんなのか、分からないけど、これは情報を聞き出せるタイミングでは?
僕は提案してみる。
「アー、オナカスイタナー!ファミリーレストランデモイコウカナー!ジラクくんもドウカナー!?」
誘い込む!
「いいね!行こうよ!」
よし!
その時、僕の携帯端末にハッピーなメールが届いていたのだが、僕はそれを見ずに皆で移動した。
こうしてたどり着く!ファミリーレストラン!!!!