2-3.色んな事が
僕はまだまだ聞きたいことがあった。
最近、七星と二人きりになる事が無く、色んな事が気になっていたのだ。
「七星、あの6人の転校生の事、本当は何か知っているんじゃないの?」
「知ってるよ」
「あの6つ子って、天使なんじゃないかと、僕は疑っているんだ」
「疑ってどうすんのよ」
「えっ。。。」
確かにそうだ。
疑ったところで、意味はない。
僕に出来ることはない。
「明らかにおかしいじゃないか」
「おかしいからなんなのさ。アンタが思う通り、あの6人が天使だとしても、アンタは普通にラブアシスト制度のルールに沿って生活すれば良いと思うわ」
今の七星の言葉は、ヒントだ。
というか、やはりあの6人は監視役。じゃあ、なぜこのタイミングに来たのか。
やっぱり、学園祭でトウマの作戦が決行されていて、天使の力で揉み消されたんだ。
その防止策として、付け焼き刃のような転校生がやってきたんだ。
「ま、ルールは何事も守らなきゃダメだからね」
七星が言う。
そういえば、七星はルール違反をして、片方の翼が無いって言ってた。
監視役の6人がいるということは、七星のような天使にとってもやり辛いのかもしれない。
「ところで、ヨリコちゃんをデートに誘うんでしょ?」話題を変える七星。
「う、うん。ハードルは高い!」
高嶺さんに対する疑惑の念はあるけれど、誘ってみるしかない!
「メール打っちゃいなよ」
「だ!ダメだ!直接、言う!」
「あっそう」
「な、七星、昔みたいに、高嶺さんを上手く誘えなかったら、タイムリープをして欲しい」
「別にいいけど、今の関係性で誘いに断られたら、何度やっても無理じゃない?」
「た、たしかに。。。」
アドレスを聞くような単純な事ではない。
クリスマスデートに誘うなんて、半ば告白じゃないか!
「そ、それじゃあ、1回だけ!1回だけ誘ってみるから、ダメだったらタイムリープして!」
「ダメだったら無かった事にしたいわけね。いくじなし。で、いつやるの?」
「あーっ!!!明日ァッ!」
決めた!
明日やる!
僕は相撲のように顔をパンパンと叩いた。