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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.08 6人の転校生
139/185

1-1.2人で一緒に

僕はトウマのメモ帳を読んだ。


何もかも、理解が追い付かない。


少しずつ、解消しなければならない。


トウマから着信があったけど、整理がつかないから僕は無視をした。


まず、根本的な事からだ。

僕はベッドの上でひたすら考える。


トウマは。。。


ラブアシストをクソ制度と言って、批判していた。以前2人で一緒に帰った時、トウマは言ってたんだ。


〝俺らの人生をもてあそんでないか?〟


僕は考える。

本当にそうなのだろうか。

僕は、ちょっとだけ人生について考えてみた。


僕は自分の意思が弱い。


茂木や加代子さんの様に夢や目標は、正直なところ、無い。

僕の人生は、川を流れるただの落ち葉だ。

環境という水流に沿って、自分の意思ではなく、ただ流れる。そういうことだと思う。

夢や目標がある人は。。、

たぶん、落ち葉じゃなくて、推進力のあるボートとか、水面を泳ぐ魚なんだ。

環境という水流に自力で逆らって、行きたい場所へ向かえる。


じゃあ、ラブアシストってなんなんだ?


僕は下手な例えの中にラブアシストの意義を考えていた。

水の流れを変えてしまう岩なのか?川自体が変わってしまったのか?それとも、僕のような落ち葉を船に変えたのか?


答えは分からない。


でも僕はこの制度が無かったら、と思う事がたくさんあった。

良かったじゃないか。この制度があって。


でも、トウマはそうじゃない。


茂木は?

茂木はどう思っているんだろう。


茂木は人の好意が見える。

じゃあ、自分に好きな人がいて、告白したいなって思って、でも自分が好きじゃないって分かってたら、告白するだろうか?


僕ならしない。


あー!分からない!


色々考えたけど、僕はラブアシストで人生が満たされていて、トウマはそうじゃないって思ってるんだ。


これだけは、分かる!


よし、次だ!



だからこそ、トウマは学園祭を利用して、そして魚住を利用して、ラブアシストにメスを入れようとしたんだ。

これは急に司会が魚住に変わった事やトウマのメモから読み取れる。


じゃあ、ラブアシストをぶち壊すだけなら、トウマが体育館で、マイクで口外すればいいだけじゃないか。


どうして、トウマは魚住を利用したんだろう。いや、魚住のその祝福を使って、高嶺さんに。。。




ああ、そうか、トウマは疑心暗鬼になってるんだ。高嶺さんが美しい事、それを疑ってたんだ。だから魚住の力を貸りて、美しさの秘密を暴いて、ついでにラブアシストもぶち壊すつもりだったんだ。



それにしても、魚住の祝福もすごい。

相手に正直に喋らせる力か。。。


あっ。


だから、僕は委員長をやりたいって。。。


魚住が自分の意見をきっぱりと言うのは、そういう事だったんだ。


僕は魚住が嫌いだったけど、なんとなくあの性格の意味が理解できた。


そして、問題は。。。


どうして魚住が告白しなかったか、だ。

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