3-1.被験者
足りない頭で考えろ、僕。
魚住、どうして、ラブアシストの事を知っている!?
いや、これは単純な答えだ。
おそらく魚住もラブアシストの被験者なんだ。じゃあ、なんで高嶺さんにラブアシストの事を聞いたんだ!?高嶺さんは被験者なのか?どうして口外してはならないというルールの中で、わざわざみんなの前でそんな事を言うんだ?トウマが言ってた告白ってこれなのか?というか、トウマはグルなのか?あれ、トウマはいつの日か言ってた、こんな制度やめにしないか?って。もしかして、全校生徒の前でラブアシストを口外して、この実験を終わらせようとしているのか?トウマ、何を考えてるんだ?僕達、最近仲良しじゃ無いか。どうして、そんな事をするんだよ。おかしいじゃないか。
僕は、どうしたらいいんだ。
考えるんだ。
僕にはタイムリープがある。
そうだ、タイムリープを使おう。
マイクを向けられた高嶺さんが、口を開く。
僕は七星を呼ぶ。
「七星ッ!ハイタッチ!」
僕と七星の目と目があう。
僕はステージ上を走りだし、七星の元へ向かう。はやく、タイムリープだ。
スピーカー越しに高嶺さんの声が聞こえてくる。
ーーー私は
七星!
七星?
七星は首を横に振っている。
え?
どうして???
ーーー被験者
僕は駆け寄る。ハイタッチじゃなくても、七星に触れれば出来るかもしれない。
分からない、でも七星が使おうとしなければ、発動しないかもしれない。
ーーーではありません。
僕は弾みで七星のおっぱいにタッチした。
今がおっぱいだ!!!!
タイムリープは、発動しなかった。
意味の分からないことを語り出す魚住、それに答える高嶺さん。七星のおっぱいを触る僕。
体育館は一瞬の静寂の後、大騒ぎとなった。




