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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.01 タイムリープは1日1回5分まで
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2-5.悔しいじゃん


七星は不機嫌そうだ。


「時間ある?」


「な、なくもないけど」


「どうせあるんでしょ?カラオケ行くよ。」



カラオケ!?

そんな話は一言もしていない。

だいたい、こんな可愛い子と僕がカラオケに行くこと自体ありえないし、人前で歌うのも嫌だ。

流行りの歌も歌えない。


「カラオケはちょっとなぁ。。。」


「ふーん。カラオケはあまり行きたくないとこなんだ」




しかし、何故唐突にカラオケなのか。

僕の苦手を知っていて、克服させようという企みなのか。



「ど、どうしてカラオケ?」

僕は尋ねる。



「こっちの女の子たちが、カラオケに行きたいって言うからさ。カラオケがなんなのか知らないから聞いたら、皆に笑われたんだよ。悔しいじゃん」



僕は、心が痛かった。



七星がカラオケを知らなかった事ではない。




七星が、新しい環境に馴染もうと努力していた事だ。




僕は、僕といえば、変わらない日々を過ごそうとしている。今日も、新しいクラスなのに、茂木とだけ過ごして終わった。

クラスメートがコンビニにいても、バレないように必死だった。

前の席の女の子は、アドレスを訪ねてきた。

あれも、新しい環境に馴染もうとしているんだ。





「じ、実は僕もカラオケはほとんど行ったことないんだ。だから、あんまり教えたりは出来ない」


「それならお互い気にしなくていいじゃん。はやく行こ」



「う、うん」




放課後、可愛い子とカラオケ!

見ているか、昔の僕!そして茂木!



僕達は駅前のカラオケ店を目指して歩く。


僕は自転車だが、七星は歩きだった。

しょうがなく自転車を降りて押しながら歩いている。


「ところでアンタ、なんで今日話しかけてくれなかったの?」



七星には分からないだろうが、男子にとっては女子に話しかけるためにエネルギーを要するのだ!


底辺みたいな僕とカワイイ七星との高低差分のエネルギー!位置エネルギーが必要なのだ!



と、説明しようにも、なかなか七星は理解してくれないだろう。



「タイミングが合わなかった」


「あ、そう。ちゃんと明日は話しかけてよね」



こうしてたどり着く。駅前カラオケ店。

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