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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.06 気付いたんだ
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4-5.事だけだった。


サイズ測定も終わり、布の裁断やらなんやらはうまいこと4人で分担し、そうしていくうちに多少いびつなメイド服が出来上がりつつある。


お昼も忘れ熱中していた僕らの作業に目処がついたのは夕方の事だった。


「これでなんとかなりそうだね」僕はこの場を切り上げようとしていた。さすがに疲れたのだ。


高嶺さんが申し訳なさそうにつぶやく。


「最終確認で来週もお願いしたいのですが。。。」


来週も!!!

来週もお邪魔していいんですか!?

タカミネサァン!!!


「直前にやるなら、今やっちゃった方がいいんじゃない?」

七星が提案する。一理あるが、今日は疲れたし、いいじゃないか。七星、来週で。


「き、今日は遅くなっちゃったし、いいんじゃないかな?」

僕は言ってみる。すると、七星が手をあげる。両手を。ハイタッチのポーズだ。

え?ここでタイムリープ?


とりあえず僕はハイタッチする。

七星からハイタッチを求めるなんて珍しい。というか、良いのか?


景色が歪み始めた。

その間に七星が語り出す。

「アンタ忘れたの?」

「え?」

「来週はカヨちゃんのサプライズでしょ!」

「忘れてた!」

「今日中に仕上げるわよ」

「でも、もう疲れたよ!」

「やるしかないじゃん!」

「わ、分かったよ。。。」


5分前に巻き戻り、僕は場を切り上げようとせず、作業を続けた。誰も何も言わず、微妙な空気が流れつつ、メイド服はそれとなく完成した。


「これで出来たね!」今度は七星から場を切り上げた。


「皆様のおかげです。ありがとうございました」高嶺さんが言う。部屋の中で立ち上がり、わざわざお辞儀をしている。

「かしこまらないで」加代子さんが言う。


そうだよ、皆んな仲良しなんだ。


「遅くなっちゃったし、今日は帰ろう!」

七星はそそくさと僕らを部屋から追い出した。




3人で高嶺邸を後にし、帰る。もう20時を過ぎていた。


「お腹空いたわね」


しーんとなる。

僕と加代子さんは、ごはん食べに行かない?なんて言うタイプでは無いのだ。


「帰ろうか」



そのまま僕たちは帰宅した。



ベッドで思い返すのは、高嶺さんと顔が近づいた事だけだった。


加代子さんのサプライズパーティーか。


そういえば欲しいものを聞けずにいた。


七星がうまくやってくれるのではないだろうか。



その時、僕の携帯端末が鳴る。

メールが2件。


七星と高嶺さん!?


僕は七星のメールを先に開く。



ー来週日曜、カヨちゃんサプライズ、14時より決行!ー




なんだか、スパイのメールみたいだな、と僕は苦笑する。


続けて僕は高嶺さんからのメールを開く。




ー遅くに申し訳御座いません。本日はありがとうございました。七星さん加代子さんにも来ていただいたお陰で、メイド服は完成しました。ところで、メイド服の最終確認や学園祭の軽い打ち合わせを行いたいのですが、来週の日曜日、お時間いただけますでしょうか?午前午後、どちらでも構いません。ー






なっ、なにっ!!!




こうして僕のダブルブッキングな日曜と学園祭が始まろうとしていた。



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