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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.06 気付いたんだ
108/185

2-1.やりたいのだ


翌日。


僕はグミを持って登校する。


放課後、加代子さんとゲームセンターでお菓子交換をする為に。


僕は加代子さんとの関係を改善しなければならない。


そんな中、担任の丹波先生がホームルームで語り始めた。



「勉強もいいけど、10月末は学園祭だからな〜。お前ら出し物とか決めておけよ〜」



ざわつくクラス。


吉田くんの漫才、クラス演劇、アカペラ、ダンス・・・様々な意見が飛び交うが、皆の考えがバラバラすぎてまとまらない。


ふと誰かが提案する。


「まずさぁ、リーダー的な奴を決めた方がいいよなぁ?」


そうだそうだ、と同調するクラスメート達。

それを見た丹波先生が語り出した。



「よーし、それじゃあ学園祭やりましょう委員長を2人ほど決める」


やりましょう委員長とは語呂が良いが、おさが2人いるのは理解しがたい。

続けて丹波先生は語る。


「そうだな。ボーイミーツガールということで、男女それぞれ1名にしよう。はい、やりたい人、挙手!」



その瞬間なんと、


高嶺さんの手が挙がる。



た、高嶺さん!?


何故!?



いや、何故って事も無いけど。。。



「男子〜誰か手ェ挙げろ〜」と先生。


しかし、誰も手を挙げない。



いや、本当は皆やりたいのだ。

高嶺さんとのペア。


でも、高嶺さんがやるって言ってる中で挙手するのは、なんだかわざとらしいし、いやらしいし、高嶺さんとやりたいです!と主張しているようで恥ずかしい。


皆、おそらくそう言う事なのだ。


クラスがざわざわとし、数分後、先生が続けて語り出す。



「よ〜し、先生がトイレ行ってる間に決めとけよ!」



丹波先生がそう言って教室を出ると、クラス中がまたざわつき始めた。



(ちょっと、アンタやりなさいよ。チャンスじゃないの?)

隣の席の七星が僕をつついてきた。


(そうだけど。。。う〜ん)


(誰かに取られても良いわけ?)


確かにそれもどうかと思うが、そもそも委員長自体面倒なのだ。

僕みたいな日陰者が務めるべきではない役割である。


その時。




「俺は委員長をやりたくない」




突然、魚住が現れて、僕にやりたくないと言い出す。彼はいつもこうだ。自分の主張が激しい。


「お前は、本当はやりたいんだろう?」

と魚住が尋ねてきた。




そりゃあ。。。




「やりたいさ!」

何故か僕は大声で主張した。

すると、クラスが静まり返り、僕を見る。や、やめてくれ!

静まったクラスに再び丹波先生が現れた。



「先生!コイツやりたいって!!!!」



僕を指差すクラスのやつら。

確かに、やりたい!と言ったけど。。。


イヤイヤなのか、チャンスなのか分からないが、とりあえず僕はやりたい、と言ってしまって、高嶺さんとやりましょう委員長をする事になった。



どうなっているんだ!僕!



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