5.三木矢絵留
私はこの世界に派遣されて間もないですから、半年について語るには足りません。
そもそも私が派遣された理由・・・やはりラブアシスト制度が評価に値しない欠如したシステムであるが故なのです。
6月報告会で世良氏が提案した監視制度は、必然的に生まれたものです。
担当天使に全てを任せるなど、やはり危惧されていた通りとなりましたね。我々の想像以上に、恋という感情は複雑なものでした。
生殖的な理由で恋愛は天使と人間は恋愛をしてはならない訳です。実はこれた建前ということを、天使も人間も隠しています。
本当は十数年前の事件を教訓としているわけですが。
人間と天使が駆け落ちをしてしまった、あの日。
そもそも天使が人間に一目惚れをし、一方的に祝福を与えていたのです。祝福の私的利用については今までもグレーゾーンではありましたが・・・あの事件は間違いなく、恋愛という感情が産んだものです。
話が脱線してしまいました。
まぁ、私が監査委員として派遣された感想を言わせて貰えば、想定通りのシナリオと言うべきでしょうね。
あまり使わない者もいれば、使う人間もいる、そして、悪用する人間もいました。
祝福を悪用した人間の担当天使については、処罰を下し、羽根を切断させて頂きましたよ。まぁ、大天使省でもこの処罰については賛否は有りましたが、見せしめとしての意味もありました。
私は処分の立会いを行いましたが、とてつもない痛みの様ですね。羽根から血が流れ、というより噴き出しておりました。猿轡をつけておりましたから、言葉は聞こえませんでしたが、声にならない声で叫んでいたようです。
それでも、罪を受け入れておりました。痛みだけではありません。この後の天使のキャリアに間違いなく傷がついたのです。
大天使になれないということ、これほど悲しい事はありませんから。
おっと。
話が長くなりましたね。
引き続き私の方では、監査を続けて参りますので、何卒よろしくお願い致します。




