表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(仮)異世界ライフは突然に  作者: ai-emu
【第7章】王都トラディマウントでのひと時
63/67

【第52話】領主様からの指名依頼(その1)

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


トラディマウント


定住人口約790,000人。

キシュウ王国の北西に広がるワーカヤム平原を流れるキノワーク川の河口地帯にある町である。

王城である『トラディマウント城』を中心に、放射状に広がる町は、町の北側を流れるキノワーク川、東側から南側に向けて流れるトラディ川を外堀として利用している。また、二つの川を繋げる形で、幅20mほどの運河を町中に無数に開削し、運河によって町の区割りをしている。

また、水精母神『孔雀明王ハーマーユーリー』を主神として崇めているため、別名『水の都』とも呼ばれている。


町の西側にある港からは、フォースアカディア大陸へ向かう定期船が数多く就航しており、海運業が発達し輸出入が盛んでもある。

また、水揚げされる魚貝類も豊富であり、周辺から採れる農産物も合わせ、市民生活はとても裕福である。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


王都トラディマウントに到着した僕たちは、便乗している商人さんたちと別れ、王都の『聖女の寄生木亭トラディマウント宿』に部屋をとった。

部屋割りは、夫婦であるナルシスさんとキョウカさん、僕とマイカちゃん、オーパルさんとシャルリードさんで2人部屋を3つ。アイナさん、ナルミさん、シャルルちゃんで3人部屋を1つ。フォルテスさん、カーズさん、マルコスさん、ユウキさん、アマルさん、ナンシーちゃん、カマル君、エリカちゃんで大部屋1つの計5部屋となっている。


ちなみに、王都には、約1か月ほど滞在する予定である。

何やかんやと、いろいろな予定を消化すれば、このくらいになってしまうだろう。


すでに夕刻を過ぎ、夜の帳が下りているので、諸々の予定は明日以降に繰り越しである。

まあ、通常ならば1か月以上はかかる行程を、たったの一日で踏破してしまったのだ。それを考えれば、タマちゃんでの移動は、反則級の速さでもある。たぶん、陸上を移動する生物では、運搬猫キャリアキャットに敵う生物は存在悦しないだろうと思う。


閑話休題。


「明日の予定だが・・・・。

1つ目は、冒険者ギルドに行って、護衛依頼の終了報告をする。

2つ目は、王都のあるワトソン様のお屋敷に行って、国王様との謁見を手配してもらう。

トモエちゃんは、いったんパリダカに戻るんか?」

「そうですね。ワトソン様を王都に連れてくるお仕事があるので、一旦パリダカに転移しないといけませんね。ワトソン様のお屋敷に伺うのは、ワトソン様を王都にお連れした後でもいいのでは?」

「・・・・そうだな。そのほうがいいか。どうせ、お屋敷に送っていかないといけないからな。」


僕とナルシスさんは、王都でのとりあえずの予定を話し合っていく。


ちなみに、チューヘイムの領主代行になっているチューヘルムの冒険者ギルドギルドのギルドマスターであるバルドさんも、現在同行しており、同じ宿に泊まっている。僕たちとは別件で国王様と謁見をして、事のあらましを報告しないといけないみたいだ。すでにお城には使者を出しており、明日の昼頃に登場する手配となっている。


お風呂を堪能した後、与えられた部屋で、僕とマイカちゃんは夫婦の営みを行っている。さすがに、テント暮らしだったダンジョン内ではやっていなかったが、ベッドのある場所では毎夜の光景である。

ただし、今回は・・・・。

「何時も入れられているばかりじゃつまらないから、時にはトモエ君が入れられる側のまわろう!!」

という、マイカちゃんのありがた~~~~いお言葉で、僕の能力を使い、マイカちゃんにはあれを股間に生えさせて、僕には女の子のままでやることになった。


僕の”はじめて”は、マイカちゃんに奪われてしまいました。


後半戦は元に戻したため(お仕置きとして、マイカちゃんの処女膜もしっかりと再生しておきます)、翌朝は2人してベッドから起き上がれなかった。


ギルドでの用事を済ませた後、僕たち一行は一旦町の外に出る。僕以外は、ギルドで適当な依頼を受けており皆が方々に散っている。

「では、ナルシスさん。僕は、これからパリダカに向かいます。こっちに戻ってくるのは、たぶん夕方頃になると思います。合流地点は、ここでいいですか?」

「ああ。ここでいいぞ。俺も適当な依頼を受けているから夕方頃にまた会おう。

何かあったら、お互い念話で連絡をしようか。」

「はい、わかりました。では、行ってきます。」

僕とマイカちゃんは、ナルシスさんを別れてパリダカへと転移していく。

暗黙の了解事項として、転移を行う際は町の外で行うことになっている。街中で転移をしても咎められる事はないが、事故防止の観点などから、基本は誰もいない場所で転移をする事が望ましいとされているのだ。


緊急時はその限りではないが・・・・。


久方ぶりのパリダカです。

といっても、まだ1か月も経っていないんですがね。

それはいいといて、僕とマイカちゃんは、パリダカに入城すると、真っ先に冒険者ギルドに顔を出します。

「ようこそ、冒険者ギルドへ。・・・・トモエちゃん、マイカちゃん。今日はどういったご用件で?」

受付に顔を出すと、僕の担当?らしいアマネさんが話しかけてくる。

「お久しぶりですね。アマネさん。ギルマスはいますか?」


アマネさんに案内されてギルマスの執務室へと足を向ける。


「トモエちゃんじゃないか。何か用か?チューヘイムでは大変だったな。」

応接セットのソファーに腰かけた瞬間、ギルマスのカイバルさんがいきなり話しかけてくる。相変わらずでかい。僕の身長の2倍くらいはあるだろう。

「昨日やっと、王都の到着しましてね。ワトソン様をお迎えに来たついでに、とある魔道具を押し売りに来ました。

それと、もうすでに、ここにもその情報が来ているんですか?」

ギルドカードのテクノロジーもそうだが、たぶんファンタジー世界御用達の通信魔道具でもあるんだろう。

そう当たりをつける僕。

「まあな。

それよりも、魔道具の押し売りとは、いったい何を作ったんだい?」

僕は、万能異空庫アイテムボックスから、迷宮検索機ダンジョンマッピングを取り出して、机の上に置いた。

「これは?」


ギルマスが尋ねてきたので、僕は迷宮検索機ダンジョンマッピングについて説明をする。


「これは、『迷宮検索機ダンジョンマッピング』と名付けた古代神話級魔道具アーティファクトです。この機械をダンジョンで使用すると、ダンジョン内のあらゆる情報を検索する事ができます。実験はすでに、チューヘイムのダンジョンで行っていますので、性能は保証します。」

「『あらゆる情報』とは?」

「ダンジョン内にいる冒険者。ダンジョンで沸いたモンスターや入り込んできた魔物の情報。この2つは、

『どこ』に『どれだけの数』が、『どの程度の強さや装備』でいるか。それらは、自分たちに対して、友好的か、中立的か、敵対的かを緑色と黄色と赤色のマーカーで表示しています。

また、この機械を持っているパーティメンバーの位置も表示します。そのため、不意にはぐれてしまった場合でも、迅速な対応とする事が可能です。

隠し通路や隠し部屋、罠の位置やどういった罠なのかも、詳細にマップ上に表示しています。

唯一表示していないのは、宝箱の中身ですね。やろうと思えば表示できますが、それでは楽しくありません。」

「それが本当なのはわかるが、実際見てみんと何とも判断が・・・・」

「それでは、実際に見てもらったほうが早いですね。」

なんとも煮え切らないギルマスに僕は、とある提案をして即座に実行した。


転移した場所は、パリダカ近郊にある洞窟迷宮ダンジョン『三足烏の大迷窟』の入り口前。


僕はこのダンジョンには入ったことはないため、1階層からの攻略となるが、ギルマスとアマネさんを引き連れてサクッと攻略を始める。前衛はマイカちゃんに任せ、とりあえずは僕のスキル『万能地図作製オートマッピング』を視ながら1階層の真ん中あたりにあるボス部屋まで最短距離で進み、ボスのポイズンスライムを瞬殺して第2階層へと進む。

ここまでかかった時間は約20分。間違いなく最速記録更新である。

ギルマスとアマネサンはといえば、この間すでにある程度マッピングされている地図を片手に、迷宮検索機ダンジョンマッピングに表示されている地図と見比べている。


そんな感じで、最短距離でサクサク進んでいった僕たちは、6時間後には17階層まで踏破していた。


「やっぱり、人がいないダンジョンのほうが攻略は楽にできますね。」

僕は、そんな事を呟きながらダンジョン攻略を進めていく。

「どういうことだい?トモエちゃん?」

僕の呟きに、何もしていないギルマスが尋ねてくる。

「この階層でも、100人くらいの冒険者がいますよね。」

「・・・たしかに、そのくらいはいるな。」

迷宮検索機ダンジョンマッピングを視ながらギルマスが答えてくる。

「モンスターだけだった場合、ダンジョン内全域を覆うくらいの広範囲魔法で焼き殺しています。現に、チューヘイムのダンジョンでは、階層ごと階層ごと焼き殺した事があります。」

「それはなぜだい?」

「素材採取の観点ではいけないことですが、その時湧いていたのがゴキブリや蟻だったんです。

それも大量に!!

素材的価値を見出せなくて、ついつい焼き殺してしまいました。まだ、大量に湧くなら、蜂型のモンスターのほうがましですね。

それはいいとして、迷宮検索機ダンジョンマッピングの実験のほうがどうですか?」


スズメバチのモンスターを殲滅しながら、傍らで迷宮検索機ダンジョンマッピングを注視しているギルマスに尋ねる僕。

「ああ。これは素晴らしい魔道具だな。これさえあれば、未知の階層やダンジョンを、丸裸にすることも可能だ。最深部に潜るすべてのパーティが持てば、攻略もはかどることだろうな。」

「そうですね。」

そんな会話をはさみながら、ボス部屋を攻略して18階層へと降りていく。5階層ごと鹿地上へと転移できない仕様なので、どうしても20階層目で攻略をしないといけない。

ダンジョンは、階層ごとに空間が異なっているみたいなので、階層内では何処にでも転移する事ができるが、階層を跨いでの転移ができないのだ。当然、地上への転移もできない。


約1時間後。


20階層のボスと対面である。

20階層のボスは、ギガティンサウルスという恐竜型のモンスターだ。

普通ならば、6人以上のパーティで倒すものなんだが・・・・。

マイカちゃんが無双しました。

愛用のあの巨大な大剣を縦横無尽に振り回して、ギガティンサウルスをミンチに加工してしまったマイカちゃん。


戦闘時間は、たったの5分だった。


余談だが・・・・。


今回パーティを組んでいた、アマネさんのレベルが一気に100ほど上昇したらしい。

他のメンバーは、あまり上昇しなかったが。


そして、肝心の迷宮検索機ダンジョンマッピングの商談のほうだが。

1台あたり金貨100枚で、ギルドに10台納品することになった。

この10台は、最深部を潜るパーティに、金貨10枚で貸し出しをする事になっているらしい。貸し出しを受けたパーティが、その後に『ほしい!!』とギルドに相談を受けた時は、金貨100枚で作成することになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ