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(仮)異世界ライフは突然に  作者: ai-emu
【第6章】未知のダンジョンを攻略せよ!!
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【第50話】ダンジョンコアとダンジョンマスター

11階層を攻略した後は、各階層があまりにも広い(20㎞四方はある)ため1日1階層ずつの攻略になる。下へ降りるほど広くなっているみたいで、15階層では50㎞四方くらいまで広がっていた。そして、19階層になると、マップに移った階層は100㎞四方の広さになっていた。

どうも、ダンジョン事態、異空間の中にできているらしく、上の階層との出入り口は、階層間に設置されている転移水晶のみとなっているらしい。

そのため、どれだけ広かろうとも、ダンジョンの外には影響がないみたいだ。

1階層は、外の世界と直接つながっているので、あまり広くは取れないみたいだが。


それはそうと、壁をぶち壊して、ショートカットしようと1度やってみたが、壊した先は異空間になっており、何処に続いているのかも解らなかった。

一番外側の壁はもちろんのこと、迷路を構成している壁に至るすべての壁がだ。


実験は、一応何があるのかわからないので、、最速で最大戦力となるように設計したドラゴンの式神を創って中に放り込んだ。そうしたら、感覚的には数百キロ進んだ後に、急に式神ドラゴンとの魔力の糸リンクが切れたのだ。この世界のどこかにあるのなら、式神とのリンクが切れる事はない。


という事は、別の世界に飛ばされたということだ。


ここで、式神についての説明。


式神は、媒体となるモノ(基本は外観を模した型紙)に、仮初の生命を魔力で与える。

ここまでは、人造ゴーレムと同じだが、術者とは魔力の糸で結ばれているため、術者の制御下となり、術者の命令通りの行動をとる。ゴーレムは、仮初の生命を与えた後は、与えられた命令の沿って自立しているため、コアに込められた魔力が尽きれば活動が停止する。

モンスターであるゴーレムについては、この限りではないが。


で、式神のほうだが。


先ほどの話した通り、術者とは魔力の糸で結ばれており、術者から魔力を供給されているため、何らかの方法で術式を解除しない限りは、永遠に動き続けている。

これが、オーソドックスな式神となる。


今回の式神ドラゴン自体は、僕の魔力で動いているわけではない。

飛ばされた世界で、きっとその世界での邪神的なモノになって生きているだろうとは思う。

それは、僕とのリンクがつながっているうちは、式神は僕の制御下にある。制御下にある場合は、いつでも式神を無に帰す事が可能なのだが・・・・。


僕とのリンクが切れてしまったため行方不明となってしまい、今どこにいるのかも僕には解らないし、暴走状態にあるだろう式神を無に還すこともできない。

式神とのリンクが切れた場合は、創られた時に込めた魔力が尽きるか、新たなマスターを得る。あるいは、倒されるまではその場で暴走状態であり続ける。


そんな式神ドラゴンが、10匹ほどいる。


今回の式神は、活動源を周囲にある魔力的な力を吸収するように設定してあるので、倒されるまではその場にあり続ける。

新たなマスターを得る。

・・・・つまり、式神を調伏する方法だが、これは、創られた時の魔力量(世界によっては呼称が異なるらしい)よりも多く注がなければ、式神は新たな主として認める事はない。

つまり、倒さない限りはそこのあり続けるということだ。

何処の世界に落ちていったのはを知ることは僕にはできないので、どうすることもできないのだ。


しかし、これで1つ解ったことがある。


それは、ダンジョンの壁を破壊した先にできる異空間をひたすら進んでいけば、何処かの世界に行けるということになる。

何処に出るのかは知らないが、この世界に飽きたら、ダンジョンの壁を壊して異世界旅行をするのもいいかもしれない。

たぶん、やらないだろうが・・・・。

”いろいろ”な意味で。


閑話休題。


壁はおろか、試しに天井もぶち抜いて視たが、上の階層へと行けるわけではなく、何処かの世界へとつながっていた。

そのため、仕方がないので、ちまちまと通路を攻略していくしかない。

どれだけ広くても、階層すべてを歩かないと、扉を開くカギが手に入らない構造になっているのは痛い。

試しに扉の破壊を試みてみたが、マイカちゃんのバカ力でもびくともしなかった。

もちろん魔法でもだ。

魔法での攻撃は、基本属性を含めて空間属性でも破壊する事ができなかった。


本当に、厭らしい構造をしているダンジョンだ。


そんなダンジョンも攻略を終え、現在は最下層である20階層に突入した。

第20階層は、今までの階層とは構造が異なっており、何処かの古代神殿よろしく、崩れかけた大理石の列柱が数百メートル続いている。

その先の謁見の間にあるような大扉を開ければ、このダンジョンのボス『ヒュドラ』がいるボス部屋となっている。

柱の間には、いろいろな金属で造られた完全武装した全身鎧フルプレートが並んでいる。実はこれ、『ガーゴイル』というモンスターで、目の前を通過した瞬間に襲ってくる仕様になっていたりする。

ガーゴイルを倒さなければ、ボス部屋の扉を開けるカギが手に入らない仕様になっている。

このあたりの情報は、階層を鑑定した時に表示されており、その情報は、遍くナルシスさんたちに伝達している。


そのため、奇襲の心配はなく、ガーゴイルをすべて葬っていく僕たち。


扉を開けてボスと対面である。

全状態耐性防御オールレジスト

僕は、扉を開ける前に初めにヒュドラの持っている状態異常の魔眼を完全防御する魔法をかける。

暴走スタンピードのボスだったヒュドラは、『身体石化』・『身体気化』・『身体液化』・『身体退化』・『身体成長』・『身体弛緩』・『身体塵化』・『身体腐化』・『身体融合』の9つの状態異常をかける魔眼を持っていた。

今回のボスは、『身体石化』・『恐慌付与』・『毒付与』・『病原体付与』・『従属化』・『身体弛緩』・『身体氷化』・『身体腐化』・『能力封冊』の9つの状態異常をかける魔眼を持っている。


が。


今回、2回目のなるヒュドラ戦。

前回は苦労した状態異常攻撃だが、今回はまず初めに、僕の魔法ですべての魔眼を封じたため、あっけなく決着がついてしまった。

魔眼がなければ、ただの首が多いだけの蛇だ。前衛陣が一斉に首を切り落とし、再生しないように後衛陣が魔法で切り口を焼き固める。そのあとは、マイカちゃんが胴体をスライスして終了となった。


その後お宝を回収した後、いよいよ最奥の部屋の扉を開ける。

その部屋の中央には、正八角形の台座があり、その台座の上には、七色に輝く直径1mほどの球体が鎮座している。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

【アイテム名】ダンジョンコア

【ダンジョンマスター】トモエ=アスカ(仮)

【旧設置場所】旧クーリス村占有ダンジョン(攻略済み)

【現状設定】

(1)旧設置場所のダンジョンが攻略されたため、現在ダンジョン機能は停止しています。

(2)ダンジョンコアをダンジョンから持ち出せば、このダンジョンは跡形もなくなります(ダンジョン成立以前の形状に戻ります)。

(3)台座からダンジョンコアを取り外した段階で、このダンジョン内にいる者すべてが、ダンジョンの外に強制転移されます。

【新設定】

(1)攻略者の中で一番魔力量があるモノを仮のダンジョンマスターとして自動で選定済み。本設定する際は、ダンジョンコアに仮所有者の魔力を流し込んでください。

(2)ダンジョンコアを破壊する際は、ダンジョンの外に出てから破壊してください。ダンジョン内で破壊した場合は外に出れなくなり、ランダムで違う世界に飛ばされます。その際、パーティメンバーは、ばらばらの世界に飛ばされるため、2度と会う事はありません。

(3)ダンジョンマスターに本登録すると、何処にでもダンジョンを開設する事ができます。ダンジョン内の構造や階層の設定、出現モンスターの種類などは自由に設定可能になります。

(4)ダンジョンマスターを変更する際は、現ダンジョンマスターの魔力を注いだ後1分以内に新たに指名した者の魔力をコアに与えること。

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


ダンジョンコアに触っていない状態で、鑑定結果をみんなに伝えてみる。

コアを破壊しようとしていたヒュレイムさんが住んでのところで手を止め、冷や汗をダラダラと掻いていた。

一歩間違えば、永遠にお別れだったのだから・・・・。

「それにしても、トモエちゃん。これどうする予定だい?」

「どうしましょうね。」

「そもそも、この世界のダンジョンって、何処か攻略された場所って、・・・・過去にあるんですか?」

頭を抱えて悩んでいる僕とナルシスさんに、マイカちゃんが質問してくる。

「・・・・いや、俺が知る限りでは、何処も攻略されたと聞いたことはないな。ただし『いつの間にかダンジョンがなくなっていた』という記録はたくさんあるがな。

そもそも、攻略したという記録が残っていれば、ダンジョンコアの情報も記録として残っているはずだ。」

そう答えたのは、ヒュレイムさん。他の面々(100年以上生きている人たちに限る)も、同じ回答をしている。

「たぶん報告にないのではなく、報告できなかったとみるべきでは?」

「どういうことだい?トモエちゃん?」

僕の呟きに、ナルシスさんが質問を投げかけてくる。僕は、今考えた持論を『予想ですが』と前置きして説明する。


僕が考えた予測はこうだ。


今現状、この世界にいくつダンジョンが存在しているのかはわからないが、世界成立から今までの歴史の中で、『ダンジョンが一度も攻略されたことはない』と考えるのはいろいろと矛盾が発生する。

その矛盾を解消するには、『ダンジョンが一度も攻略されたことはない』と考えるのではなく、『ダンジョンを攻略した事実を報告できなかった』と考えるのがしっくりとくる。


この考えに至ったのは、鑑定結果を報告する前にヒュレイムさんが行った行動によるものだ。


ヒュレイムさんは、真っ先にダンジョンコアを破壊しようとした。

しかし、ダンジョンコアを破壊する際の手順は、『ダンジョンの外に出てから破壊』すること。ダンジョン内で破壊した際は、ダンジョンから出れなくなり、なおかつ何処か違う世界に飛ばされてしまう。

そのため、ダンジョンを攻略したことを伝えれなくなってしまい、『いつの間にかダンジョンがなくなっていた』ということだけが記録に残った。


「・・・・つまり、今回トモエちゃんが鑑定してくれなければ、ダンジョンコアの情報も攻略情報もできなかったと。」

僕の説明に納得したようにうなずくキョウカさん。

「で、どうするんだい?トモエちゃんは?」

ナルシスさんが、ダンジョンコアについて改めて尋ねてくる。

「・・・・そうですね。

僕がダンジョンマスターに襲名されてしまったみたいなので、冒険に飽きたら何処か適当な場所でダンジョンを創ってみるのも面白そうですね。

それも含めて、とりあえずはギルドに報告しないと駄目だと思っています。」


こうしていったん、ダンジョンの詳細を報告するため、チューヘルムに戻ることにした僕たち。

僕たちのダンジョン攻略の報告後は、すべてのギルドに、『ダンジョンコアの正しい破壊の仕方』がすぐさま伝えられた。

攻略者の中で『一番魔力量の多い者』が、新たなダンジョンマスターとしてダンジョンを開設することも認められてた。

もちろん、コアとともに、ダンジョンマスターの権限をギルドに売却もできる。


こののち、ダンジョンコアが市場に出てくるたびに、天井知らずの値段で取引されていくのは、また別の話である。

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