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(仮)異世界ライフは突然に  作者: ai-emu
【第5章】〇〇は回収しないと先に進めません
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【第38話】治癒魔法の習得と原因の廃村(その1)

大宴会があった翌日。

僕たち天空の牙とドラゴンヘッドの面々は、ギルドからの指名依頼を受けて街の外に出てきている。

依頼内容は、『今回の魔物の襲撃の原因を探るため、起点となった村へ赴き原因を特定する事』という内容だ。チューヘルムから、原因となったであろう滅びた村までは、100㎞以上離れている。そのため、時間短縮をするために、タマちゃんに乗って村へと向かった。


「じゃあ、まずは魔力を感じるところから始めようか。」

「はい。」

タマちゃんの車内?では、村までの到着の時間を利用して、サララさんの魔法習得講座が開かれている。ついでき、キョウカさんやユキヒデ君など、魔法が使える面々に対して、新たな魔法を覚えてもらうつもりで入るが、今はサララさんが魔法を使えるようにするのが先決なため、教えるのはまだ先の話となっている。

「サララさんの体内にある魔力は、感じることはできる?」

「私の中にある魔力ですか?う~~~ん~~。」

目をつぶり、体内にある魔力を必死に感じようとしているサララさん。


◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇

【名前】サララ=バスタンク

【年齢】189歳【性別】女

【種族】エルフ族【身分】平民

【生涯レベル】LV189【職業レベル】LV50

【現在の職業】巫女【保有職業】農民・性奴隷・一般奴隷・平民・修道女・巫女


基礎能力値パーソナルデータ】△▽

《生命力》140HP

《魔力》100,000MP

《防御力》2,200DEF

《筋力》1,200STR

《俊敏力》1,400AGI

《器用力》2,000DEX


【称号】△▽

ヒュレイム=バスタンクの奴隷・生涯奴隷から解放された者


【加護・呪縛】△▽


【属性魔力】△▽

光・水・火・無


天恵技能ギフト】△▽


種族技能センス】△▽

俊足(LV3)・跳躍(LV1)


固有技能スキル】△▽

言語理解(LV4)・文字理解(LV2)・環境適応(LV3)


メイドの嗜み(LV3)


格闘術(LV1)


耐性技能レジストスキル】△▽

生活耐性(LV3)・物理耐性(LV3)・魔術耐性(LV1)・精神耐性(LV5)

◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇


これが、今現在のサララさんのステータスである。これについては、講義の前に、本人にも視てもらっているため、自分が通常よりも大井魔力を保持していることは知っている。まあ、新しくなった冒険者カードには、この情報が載っているので、簡単に見る事が可能なのだが。

現在のサララさんの職業は、『修道女』となっている。これは、回復職に就く人は神職の職業に自動で更新される。ちなみに、女性神職は、『修道女』・『巫女』・『神子』・『聖女』があり、修道女は、まだ回復魔法が扱えない者が就く職業でもある。

服装については、神殿内ならともかく、神殿の外でそれも神殿関係者でなければ自由となっている。しかし、僕も含めて、何故か回復職に就いている人たちは、皆、神殿の服装に準拠した服装をしているのだ。サララさんもその例にもれず、現在は修道女の制服である白色の修道服(女性用)を着ている。


閑話休題。


「・・・・なんか、感じます。」

「どう感じる?」

「体中を隅から隅まで、クルクルと巡っている感じですかね。そして、とても暖かいです。」

「第1関門はクリアね。その温かくて全身を巡っているのが魔力よ。それを感じ取れないと、どんなに頑張っても魔法は使えないの。現に・・・・。」

僕は、ナルシスさんやヒュレイムさんのほうを見る。

「俺には感じ取れないな。いくらやっても無駄だった。」

と、ナルシスさん。

「私には、感じ取れているわよ。」

とは、キョウカさんだ。


「では、次のステップに行くよ。

次は、その感じている魔力を、1か所に集めてみようか。まずは、少量・・・・、そうだね。コップ1杯くらいの魔力を、右手の掌の辺りに集めてみて。できるようになると簡単だけど、できるまでは結構難しいからね。」

体中を規則正しく廻る魔力に干渉して、任意の場所に、任意の量だけ送るのは至難の業だ。しかし、これは、魔法を放つ際に必要な行程なので、頑張って習得してもらいたいと思っている。

「ん~~~、難しいよ!これ!!!」

「それは解っているよ。しばらくは、これができるまで頑張ってみてね。これができたら、次のステップに進むから。」


「にゃお~~~~ん!!!」


しばらく、四苦八苦しているサララさんを視ていると、タマちゃんがそろそろ到着するぞと合図を送ってきた。

「ナルシスさん、そろそろ到着するみたいですよ?準備はいいですか?」

ウタウタと窓枠?に肘を預けて転寝していたナルシスさんを起こす僕。

「もう到着するのか?やっぱりタマちゃんは速くていいな。それに、全く揺れないのがいい。」

「いいな。ナルシスのところは。俺のところにも、タマちゃんだったか?これと同じ魔物がほしいぞ。トモエちゃん、今度タマちゃんと同じ所属をテイムしたら、真っ先に俺のところに来てくれ。言い値で買い取るから。」

ヒュレイムさんがそんな事を言ってくるが、タマちゃんと同じ種族『運搬猫キャリアキャット』については、僕も必死に探しており、さらに言えば、あちらこちらから同じようなことを言われていたりする。


運搬猫キャリアキャットに就いては、あちこちから言われていますしので、現在予約待ちとなっております。入荷予定は不明です。」

そんな事を言いながら、適当に話を逸らす僕。実際種族技能センスの影響で、見つけることすらも困難な魔物なのだ。実際探し出すのは、ドラゴン以上の難易度がある。


閑話休題。


魔物の大襲撃の原因となった村に到着した僕たちは、廃村となってまだ時間の経ってない村の探検をする。真っ先に魔物の群れに飲まれたこの村は、すべての家屋敷ががれきと化しており、生き物については、死体すら存在していない。

原因についてはある程度の予測があり、それがあるらしき方角からは、まがまがしい雰囲気を放つ空気に包まれている。

「この空気・・・・。ギルマスと話した予測と合っているみたいだな。」

「・・・そうだな。この空気はあれしかないだろうな。」

そんな会話を、ナルシスさんとヒュレイムさんがしている。


「でも、生き物の死体が、欠片も存在しないのはおかしいですよね?いくら、魔物たちに食い殺されているとはいえ、小骨1本見つかっていません。」

僕は、おかしいと思ったことを報告する。

「・・・それは確かに、おかしなところだな。ヒュドラの魔眼で砂や灰となったとしても、全部が全部そうなったわけではないだろう。

となると、・・・・行きつく先は、アンデッド系の魔物になってそこら辺を徘徊しているのかな?」

「そうなると、サララさんの育成を早めないといけなくなりますね。」

「サララ?・・・ああ、そうか!アンデッド系の魔物には光魔法が有効だったな、そういえば。

ところで、サララは使い物になるか?」

ヒュレイムさんが、サララさんの進捗状況を聞いてくる。


「はい、十分魔法使いとしての素質はあると思いますよ。

天恵技能ギフト持ちじゃないサララさんですが、第3ステップの『魔力の放出』も難なくクリアーしています。この際、独自で魔力放出ができなかったので、杖による補助での放出になりました。よって、サララさんの魔法スタイルは、『媒体を介して魔法を使う』というスタイルになります。まあ、このスタイルは、僕やユキヒデ君みたいな、異世界組ではない人たちの基本スタイルです。


現在は第4ステップであるイメージ力の強化を行っている。魔法は、とにかくどれだけ詳細なイメージを持たせるかでその強度も効果も違ってくるためだ。そのため、地球で流通している知識(主に、医学関連と物理・科学知識だが)を、頭に直接焼き付けておいた。頭に直接焼き付けたのは、サララさんは文字の読み書きができないからだ。

今はその反動で、タマちゃんの中で唸って寝ている。

文字の習得は、僕の持っているスキルで簡単にできるが、これくらいは自分自身の手で習得していってもらいたい。というか、楽する事を覚えたら、堕落していってしまうのが人という生物なのだ。

まあ、それはいいとして。

起き上がれるようになったら、第5段階を開始する予定だ。

いよいよ魔法の実習となるわけだ。


「そうか。それなりに順調にいっているようだな。

では、こっちを先に片づけるか。」

とは、ヒュレイムさん。

「そうだな。・・・とりあえずは、消えた死体の行方からか。」

「その前に、そろそろ夕暮れです。どうしますか?野営しますか?それともいったん、チューヘルムに戻りますか?」

ヒュレイムさんの呟きにナルシスさんが答え、僕が周りの状況から提案する。

「・・・・そうだな。消えた死体の行方の事もあるし、今日のところはここで野営をするか。」


そして、ナルシスさんの一言で、今晩はこの廃村で一夜を明かすことが決定する。


野営をするとなれば、まずは安全な野営地の確保である。何が起こるのか予想がたたない瓦礫の山の廃村から、1㎞ほど離れた小さな岩山の上を野営地と定めて準備に入る。

まずは野営地周りに、深さ・幅とも5m前後の濠を張り巡らせて聖水を張る。これで、陸地を歩くアンデットには、この濠を渡ることは不可能になる。濠に張った聖水に触れた瞬間に、その体を浄化されるからだ。

侵入阻害結界を濠の内側に張った状態で、岩場の上にコテージを建設する。

コテージの素材は、これまでに集めてきて、万能異空庫アイテムボックスの肥やしと化している材木や鉱石を惜しげもなく使用して建設した。

そして、この岩山と周りの濠を含めて、地面のみ空間固定をかけて持ち運び可能な野営専用のコテージとする。これをナルシスさんに提案したら、

『トモエちゃんだから、なんでもありか。俺たちにも恩恵があるからそういうものはどんどん造ってくれてもいいぞ。何なら、もう1つつの名前でギルドに売ってもいいが・・・・時空間魔法が使えないと持ち運びができないか。』

という、ありがたいお言葉をいただいた。


完成したコテージに入り、夕食を作り出す僕。

ほかのメンバーは、コテージの中を探索中で、僕が夕食を作っているLDKにはいない。そして、探索が終わると、夕食の準備が整うまでの間、順番にお風呂に入ってきてもらう。

夕食後、片づけはキョウカさんが引き受けてくれたため、僕はゆっくりとお風呂を堪能した。


その後、全員で外に出てみると、濠を取り囲むようにアンデッドの群れが押し寄せてきていた。

「やはり、アンデッドになっていたか。」

ナルシスさんがそう呟く。

この世界のアンデッドは、人間・魔物に関わらず、すべての生命体の死体を材料にして創られるモンスターの総称だ。アンデッドになる期間は、死亡してから2~4日ほど。その間に、適切な処理をしないとアンデット化してしまう。

そのため、人間種に限らず、たとえ魔物でも、素材をはぎ取った後は燃やして灰にする事が義務付けられている。もちろん、すべての死体がそうできるわけではないので、アンデッドはなくなることはないのだが。


さて、ちょうどいいアンデッド(魔法の実験台)もいることだし、サララさんお魔法講座を再開しようかな。

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