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(仮)異世界ライフは突然に  作者: ai-emu
【第5章】〇〇は回収しないと先に進めません
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【第31話】タマちゃんに乗って

王都トラディマウント得行くための出発日やってきた。

日の出前に朝食を摂った僕たち一行は、パリダカの西にある城門前広場にやってきた。

昨日の昼に商業ギルドに行ったとき、マリアさんから聞いた話では、僕が出したこの逆指名依頼は、掲示板に貼りだして2時間後に定員が埋まったそうだ。

25人という少なさから、色々と詰め寄ってくる者もいたそうだが、そもそも余剰部分に乗せるだけなので、僕としてもどうしようもない事だ。

中には、僕に直接直談判という名の、脅迫に来た冒険者たちもいた。


冒険者ギルドに依頼を出していないのに、

「王都まで護衛してやるから、護衛料を出したうえで乗せろ」

と、ぬかした馬鹿には、

「僕、『天空の牙』のメンバーだから、護衛はいらないよ」

と、丁重にお断りをした。


また、とある冒険者は、

「俺は、Aランクの何某だ!俺を差し置いて王都に移動しようだなんて、虫のいい話が通るか?なので、俺を優先的に乗せろ!!」

と、ぬかしてきやがった。事もあろうに、冒険者ギルドの中でだ。

こいつに関しては、ギルマスのカイバルさん自らが出張ってきて、何やらためになるお話合いがあった挙句、僕に土下座して謝ってきた。


そして、こんな事をぬかしてきた者が圧倒的に多かった。

「なぜ、依頼が商業ギルドでしか発行されていないんだ?王都に移動したいのは、冒険者たち(俺たち)だって同じだ。不公平だ。」

とか。


「ただ乗ってだけで金貨5枚は高すぎる。そこまで高額ならば、もっと乗車定員を増やすなり、ピストン輸送をするなり、もっと適用人数を増やすべきだ。」

とか。


「荷物の移送が、金貨10枚はないだろう。そもそもどうやって運ぶんだ?荷物を乗せるスペースがあるのなら、その分定員を増やすべきだ」

とか。


なんで、君たちの都合で、僕が動かないといけないのかな?

そもそも本来ならば、街道が復旧するまで、この町で足止めを食らっているんだよ?

さらに言えば、余剰分を貸し出すだけだからね。

僕が提示した条件が嫌なら、別に乗ってもらわなくても構わないんだよ?僕は、これで商売をする気はないからね。ただのお小遣い稼ぎなんだよ?


で、一番おバカさんなのが貴族連中だ。


「道中にある〇✕という町に寄れ。俺は、そこの領主だ。」

とか。


「俺は、王都の居を構える〇✕侯爵の関係者だ。急ぎで、王都まで戻らねばならない。貴族に従うのは、平民の義務だ。なので、俺を王都まで最優先で運べ。」

とか。


貴族ならではの、権力を振りかざして僕を脅迫してきたんだな。対外的には、僕はEランク冒険者でしかない。つまりは、下っ端であり権力は何も持っていない事になっている。

しかしね。僕。この町の領主様とは、とっても親しい仲なんだな。

これが。

飛竜ワイバーン10匹をプレゼントした際にね。貴族間とのトラブルを解決してくれるほどに仲良しなんだよ?

その時ついでに、食糧事情改善のため、僕が食料のために飼育している、牛や豚や鶏によく似た魔物たちをプレゼントという名目で押し付けたのがよかったのかな?ちなみにもこの魔物たちは、時空間魔法で造り上げた別空間フィールドの中で飼育しております。時間操作もできるので、たった数日間でも、中の時間はすでに数年経っていたりする。もちろん、餌となる魔物も、たっぷりと繁殖させているので、死ぬことはない。


閑話休題。


まず、何処かの町の領主さん。

僕に権力を振りかざした瞬間に、衛兵に拉致されていった。僕には関係ないことなので、何処に連れていかれたのかは知らない。

王都に住んでいるらしい貴族の関係者。

辺境伯というのは、結構な権力を持っているらしく、領主様であるワトソン様の発言力は、町住の侯爵様よりも上らしい。


そんなこんなで、出発日と相成りました。


そうそう。


ワトソン様からは、飛竜ワイバーンを捕獲したときに、ついでに捕獲しておいたドラゴンちゃん2匹を、国王様へ献上するお仕事を受けております。


門の前の広場には、開門前だというのにすでに結構な人だかりができていた。僕が指定した場所は、門の脇にある衛兵の詰め所前だ。そこにはすでに、30人の人が屯しており、依頼主の僕らが最後のようだった。

「遅れてすみません。早速ですが、乗車票を拝見のうえ、出門手続きをしてしまいましょう。」

簡単なあいさつを済ませた僕たちは、門が開く前に手続きを終える事にする。朝一で出立しないといけない者たちのため、事前に手続きをすます事ができるのはありがたい話だ。

僕たちのほかにも、事前手続きをしてる者たちが結構な数いるようだ。僕たち一行も、30分程度その列に並び、手続きを終えるとまだ開いていない門の前に並んだ。

「みなさん。門を出たら、一旦門の左側の壁際を、僕に続いて歩いてください。そこで運搬猫キャリアキャットに乗車?をします。その後は、ノンストップで最初に停車する町『マンテイム伯爵領領都チューヘルム』へと向かいます。道なき道を進む感じで走行するので、今のうちにトイレに行っておいてください。」

僕は、そう便乗るるメンバーも含めて皆に伝える。かくいう僕も、そのあとにトイレに駆け込んだんだがね。


まあ、それはいい。


開門と同時に、事前検査をしていた者たちが一斉に飛び出していった。

僕たち一行は、急ぐ旅でもないのでゆっくりと門を抜け、左に回って壁際を100mほど進んでいく。そこで僕は、おもむろにタマちゃんを時空間魔法で造り上げた別空間フィールドから召喚した。

「にゃお~~~~ん」

かわいらしい鳴き声とともに、僕にすり寄ってくるタマちゃん。片方の瞳だけでも、僕の顔くらいの大きさがあるが、とっても愛嬌があって見れば見るほどかわいくなってくる。ナンシー・カマル・エリカの3姉弟は、タマちゃんの尻尾で戯れているし、マイカちゃんは、反対側の頬に頬擦りをしていたりする。そんな光景を、便乗者を含めた大人たちが、微笑ましく見ていたり・・・・。


10分くらいタマちゃんと戯れた後、全員がタマちゃんの中に乗車した。

「タマちゃん。『マンテイム伯爵領領都チューヘルム』へ向かってください。

ではご乗車の皆さん。

順調にいけば、お昼を少し回った時間帯にチューヘルムに到着すると思います。

約6時間ほどの旅となりますが、ゆっくりとお楽しみください。」

僕がそう指示を出すと、タマちゃんの上部にある行先表示板の場所が、『マンテイム伯爵領領都チューヘルム』と変化する。

そして、

「にゃお~~~~ん!!!」

タマちゃんが、ひときわ大きく遠吠えをすると、西の森の中に向けて駆け出していく。


実は、この3日間、僕は千里眼を駆使して転移を繰り返して、万能地図作製オートマッピングの表示範囲を拡大していた。

それはなぜかというと、タマちゃんの持っているスキルの中に『万能地図作製オートマッピング』があり、僕のスキルと連動できることを発見したのだ。連動したマップは、そのまま双方のマップを更新していき、僕とタマちゃんの移動範囲が大幅に増えていった。

現在僕が、千里眼で視る事ができる距離は約1,500㎞。それでも、今僕がいるキシュウ王国の国土を、すべて視る事ができなかった。

そのため、僕とタマちゃんとで、周囲を駆け回り、万能地図作製オートマッピングの更新に勤しんだのだ。その結果、現在の万能地図作製オートマッピングの表示範囲は、キシュウ王国全土と、周辺国家の国土を半分くらい網羅していたりする。パリダカを中心にすれば、半径10,000㎞くらいの範囲がマップの表示限界となっているのだが、それでもまだまだ、大陸全土を網羅する事ができていないのが事実である。

一体僕が今いるこの大陸は、どれくらい広いんだろうか?


そうそう。

僕がタマちゃんをテイムできたのは、称号『魔王の卵』の能力が大きい。


【称号】魔王の卵

《習得条件》

累計で1,000匹以上の魔物をその配下に従えた時に習得する

《効果》

魔物をテイムする際に、使用する魔力量が1割になる


こんな素晴らしい効果があるため、Sランクであるタマちゃんをテイムする事ができたのだ。タマちゃんをテイムした時、僕の保有している魔力を2,000,000MPほど持ってかれてしまった。称号『魔王の卵』がなければ、テイムする事ができなかったのだ。とんでもない名前の称号だが、魔物を従えるためだけにあるような称号である。『卵』が消えた『魔王』という称号だとどうなるのかが楽しみである。


閑話休題。


タマちゃんは、魔境と呼ばれている大森林な中を、全力疾走で駆け抜けていく。タマちゃんが通る場所に植わっている(生えている)木々は、タマちゃんが通る分だけ広がり、通った後は元に戻っている。これも、タマちゃんが持っている能力の1つでもある。

その不可思議な光景を、乗客?全員が、目を点にして見つめている。


そんな不可思議な光景を眺め、時折タマちゃんの目の前を通過していく魔物たちを轢き殺しながら、僕たちは、チューヘルムへと向かっていく。

そして、もう1つの副次効果が。

タマちゃんに乗っていたもの全員のレベルが軒並み上がり、種族技能センスの欄に『轢き殺し』というスキルが追加されていた。


◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇

【名称】轢き殺し

《習得条件》

魔物同士が体当たりして殺したほうの魔物に何らかの形で乗っていること

《効果》

魔物に体当たりをすると、まるで自動車事故を起こした歩行者のように、魔物を殺す事ができる。スキルレベルの上昇に応じて、殺せる魔物のランクが上昇する。

◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇


鑑定してみたら、こんな結果が出てきた。タマちゃん様様である。


タマちゃんが、爪を立てて急停車をする。急停車をしたにも拘らず、中にいる僕たちには衝撃1つかかっていないのが不思議である。ただし、タマちゃんが急停止した場所には、ちょっと小さめの竜巻が発生し、進行方向上の森の中へと消えていった。

「にゃお~~~~ん!!!」

まるでクラクションのようにタマちゃんが遠吠えをすると、チューヘルムの城門100m前あたりで停車をした。

突然現れた大物(Sランク)の魔物に対し、警戒している衛兵たち。真っ先に僕が折で、タマちゃんが僕のテイムしている魔物だと証明をする。警戒を解いた後に、全員をタマちゃんから降ろした。

その後は、タマちゃんを、例のフィールドに送還しておきました。


さて、この町では、どんなことが起こるのやら。

こんなことを考えたら、何かが起こるフラグになるのかな?

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